第08話 「ヴィヴィオへの贈り物」
- リリカルなのは AffectStory ~刻の移り人~ > 第2章 交差前の世界へ
- by ima
- 2012.04.10 Tuesday 19:07
「…ここは…研究所…オリヴィエさんはっ!?」
ヴィヴィオが目覚めるとそこはプレシアの研究施設だった。
「オリヴィエさんに知らせなくちゃっ」
ガバッと起きる。すると目の前には椅子に座ったオリヴィエが視界に入った。
「お帰りなさい。戻ってくると思っていました。」
「オリヴィエさん…! 交差する時間見つけました。急いで戻らなきゃ!!」
ヴィヴィオが目覚めるとそこはプレシアの研究施設だった。
「オリヴィエさんに知らせなくちゃっ」
ガバッと起きる。すると目の前には椅子に座ったオリヴィエが視界に入った。
「お帰りなさい。戻ってくると思っていました。」
「オリヴィエさん…! 交差する時間見つけました。急いで戻らなきゃ!!」
「落ち着いて下さい。向こうで何があったのか教えて貰えませんか?」
戻って来たのは彼女を連れて行くだけじゃない。対抗する力が要るから戻って来たのだ。
それを思い出してオリヴィエに話す。
未知のエネルギーを操る姉妹の事、闇の書のマテリアルとその中に眠るシステムU-Dの事を。
「システムU-D…初めて聞く名です。闇の書に隠されたそれを知っている…その姉妹も時間移動能力者と考えていいでしょう。彼女達が交差の原因です。」
「私達が使う時間移動魔法には使う為には資質と刻の魔導書が揃わなければなりません。そしてその下で生まれた時間軸は交差しません。」
「…ですがある条件が揃った時だけ交わると昔から伝えられています。その条件とは同じ時間に複数の時間移動能力者が存在する時。」
「!?」
「私はそれがヴィヴィオとチェントだと考えていました。しかし、チェントはまだそこまで自由に魔法を使えません。それにもし使う事が出来たとしてもあなたの持つ刻の魔導書1冊しか残っていない。ここでは起きようがないのです。でも今起きようとしている…その姉妹は状況を知っているのでしょうか?」
「…わかりません。でもその姉妹に元の時間へ戻って貰えば」
「ええ時間軸はぶつからず消える事もないでしょう。ですが、システムU-Dを求めてきたキリエが何も得ずに帰るかどうか…プレシアは何か言ってませんでしたか?」
言われて貰ったメモを思い出す。RHdからメモを取り出す。
数字の羅列しか書かれていないメモ、何かのキーワードなのか?
「チンクさんに聞きましょう。彼女なら何か知っているでしょう。」
頷きベッドから降りた。
「ヴィヴィオ、これをプレシアから預かったんだな?」
「うん…でも意味がわかんなくて…」
チンクは研究室の隣の部屋に居た。ヴィヴィオがメモを渡すとそのメモを見て何かを考えている。
「メモを渡した時、何か言っていなかったか?」
「オリヴィエさんと応援を連れてきて欲しいって…」
「そうか…渡す物がある。だがその前に私の話を聞いて欲しい。」
「うん…」
いつになく真剣な彼女の瞳を見てゴクリと唾を飲み込んで頷いた。
「ヴィヴィオはプレシアが何の研究をしていたか知っているか?」
「魔力コアの研究と魔導書の研究と写本の修復…」
「魔力コアは私がここに来る前…多分彼女達がミッドに来た時には既に出来上がっていた物だ。そして刻の魔導書の研究は既に終え、写本の修復はここではしていない。彼女が今研究しているのは人造魔導師開発、ProjectFateについてだ。」
「!?…嘘…それって犯罪…」
人造魔導師計画…ProjectFate。その文字通り人の手で魔導師を生み出す研究であり人道的、倫理的にも犯罪とされている。
フェイトとスカリエッティの影が脳裏で浮かび上がる。プレシア自らが作ったフェイト。スカリエッティはヴィヴィオ、チェント、チンク達を生み出した。
(まさか…私達を…チェントを保護してチンクを助手にした理由って…)
「勘違いしないでくれ。彼女は研究しているだけで作ろうともしていない。研究しているのはヴィヴィオや私達の為だ。」
「えっ?」
どういうことか判らず聞き返す。
「私達は人造魔導師計画で培われた技術を基に作られた。私達…戦闘機人は一般人より何倍も丈夫で怪我もしにくく病気もしない。しかしいつまでそんな状態が続くかは誰にもわからない。」
「………」
「ヴィヴィオとチェントも同じだ。聖骸布に残ったオリヴィエの遺伝子から作られた。その過程で幾つもの薬が使われている。もし病魔に犯されたり重傷を負った時、一般人と同じ薬が効く保証はない。」
「………」
「プレシアに助手として来て欲しいと言われた時、私も同じ事を考えた。マスター、ジェイル・スカリエッティの技術を得て人造魔導師計画を完成させたいのか、実験体として欲しいのかと。だが彼女はそんな私の考えを見越してこう言ったんだ。『スカリエッティの技術が欲しいんじゃない。私は娘達にとって医者でありたいのよ』と。娘達…それが誰を指しているのかは言わなくてもわかるだろう?」
一瞬でも疑ってしまったヴィヴィオは自分が恥ずかしかった。
「ヴィヴィオ、その事だけは覚えておいて欲しい。話が長くなったがメモにある物を見せよう。ついてきてくれ」
そう言うと席を立ち部屋を出て行く。ヴィヴィオ達も後をついていく。向かったのは隣にあるプレシアの研究室だった。
「プレシアは自分の手で渡したかったんだと思うが…」
端末を操作してメモに書かれた数字を打ち込む複数のモニタが現れた。
「これは…?」
「プレシアが調べた時空転移のレポートだ。」
淡々としたプレシアの声でレポートが読み上げられる。
『ヴィヴィオは数年後、魔導炉暴走事故前のアリシア・リニスと時の庭園から虚数空間へと落ちた私を助け別時間へ転移する。しかし現在の彼女が使う時空転移には致命的な欠陥がある。』
『転移者のバイタル…身体だけが残ってしまう欠陥。転移前に残ってしまった身体に異常があれば転移先にも影響するだろう。このまま時が過ぎれば私やアリシア、リニスを救えず未来は変わってしまう。しかし現に私達はここに居る。』
『ヴィヴィオはまだ時空転移を完全に扱えていない、その時迄に完全な時空転移を使える様にならなければいけない。その鍵は刻の魔導書の管理権限にある。』
まさか時空転移を使いこなせていないと考えてすらいなかったヴィヴィオは言葉を失っていた。
「独力でここまで…本当に凄い研究者ですね…」
オリヴィエも驚く。
続けて画面が切り替わって映像が現れる。
『チェントがそういうつもりなら私もそうする…』
『いっけええええっ! スタァアライトッ、ブレイカァアアアッ!!!』
『いっけーっ!! スターライトッブレイカーっ!!』
『スターライトっブレイカァアアアッ!』
『そんな事させないっ!! スターライトッ、ブレイカァアアアッ!』
『それに…こんな事が出来るくらい。ハァアアアッ!』
『いっけぇええ、スターライトッブレイカーっ!』
それは今までスターライトブレイカーを使った時の映像。
アリシアがチェントに襲われそうになった時、チェントの中のレリックを壊した時、シグナムとの模擬戦、闇の書のマテリアルと戦った時、闇に染まりかけたはやてを助けた時、模擬戦で別世界のヴィヴィオ達に見せた時、そしてオリヴィエと戦った時…
アリシアのデバイスで撮られた映像もあったが、何故か彼女が居なかった時やヴィヴィオ自身の視点映像もあった。
そしてその映像に重ねる様にグラフが表示される。
『時系列で見れば集束率が高まっている様に見えヴィヴィオの集束技術のが高まっているとも言える。しかし総出力と比較するとその見解は間違っている。明らかにヴィヴィオとRHd、双方の魔力相乗効果が暴走している。』
「………」
『その証拠にヴィヴィオは必ず使用後リンカーコアの消耗を起こし、RHdはフレーム破損を起こしている。管理局から送られたRHdのメンテナンスレポートにはバランスが崩れた場合の影響を示唆している。だが事態は深刻でこの暴走状態が続けば破滅へ向かうのは時間の問題。』
「………」
思い当たる。
事件の最後に使っていたから疲れが出ただけだと考えていたし、何も考えず騎士甲冑を使っていた。そんな危ない状態だったとは思ってもいなかった。
冷たい汗が額をつたう。
「これが、ヴィヴィオについてのレポートだ…。そして…2つの問題を解決する方法を彼女は用意していた。」
そう言ってピッっとボタンを押すと2つのカプセルが現れる。
「受け取ってくれ。これがオリジナルを使い修復した『魔導書』。そして…これが」
チンクがカプセルを開ける。そこに入っていたのは赤い結晶体。
「レリック…どうしてこれがここに…」
「ある者に頼んで探していたらしい。使わないで欲しいけれど本当に必要になった時、手元に無ければ意味の無い物だから。暴走せずに力を使う時に要る物だからと…ヴィヴィオには事件の記憶を思い出させる見たくない物だろうが、彼女は今必要だと感じたのだろう。」
怖々と差し出されたカプセルを受け取る。
「No14…ここにあったのですね。残されていないと諦めていたのですが…」
「きっと彼女なら…ヴィヴィオ、刻の魔導書をチンクに渡してその魔導書を手にとって下さい。そして管理者権限設定と言ってください。彼女が刻の魔導書を使って修復したのなら…動くはずです。」
オリヴィエに従い刻の魔導書をチンクに預け代わりに直った写本を手にする。
「管理者権限設定」
「StorageDeviceSystem Program Start . DeviceSettingMode.」
オリヴィエの指示に従い呟くと魔導書が開いた。入ってくるイメージ。
時空転移は行きたい先を浮かべるだけじゃない。聖王の鎧で自身を含めた対象を包みその時間から切り取って使う物だと…そして過去の能力者の記憶も流れてくる。
「ヴィヴィオ、この本はもう刻の魔導書でも写本でもありません。新たな名を」
「うん…管理者名高町ヴィヴィオ。魔導書型ストレージデバイス名、…数百年、数千年を旅してきた魔導書、この本にはずっと未来、私が居なくなってもずっと未来を見ていて欲しい…」
「デバイス名称登録、悠久の書」
悠久の書と名付けられた魔導書はかつての写本やオリジナル、無限書庫で手に取ったどの本よりも手に馴染んでいた。
~コメント~
もしヴィヴィオがなのはGODの世界に行ったら?
ヴィヴィオの時間移動魔法ー時空転移ーAnotherStoryから持ち越してきたフラグをようやく回収できました。
戻って来たのは彼女を連れて行くだけじゃない。対抗する力が要るから戻って来たのだ。
それを思い出してオリヴィエに話す。
未知のエネルギーを操る姉妹の事、闇の書のマテリアルとその中に眠るシステムU-Dの事を。
「システムU-D…初めて聞く名です。闇の書に隠されたそれを知っている…その姉妹も時間移動能力者と考えていいでしょう。彼女達が交差の原因です。」
「私達が使う時間移動魔法には使う為には資質と刻の魔導書が揃わなければなりません。そしてその下で生まれた時間軸は交差しません。」
「…ですがある条件が揃った時だけ交わると昔から伝えられています。その条件とは同じ時間に複数の時間移動能力者が存在する時。」
「!?」
「私はそれがヴィヴィオとチェントだと考えていました。しかし、チェントはまだそこまで自由に魔法を使えません。それにもし使う事が出来たとしてもあなたの持つ刻の魔導書1冊しか残っていない。ここでは起きようがないのです。でも今起きようとしている…その姉妹は状況を知っているのでしょうか?」
「…わかりません。でもその姉妹に元の時間へ戻って貰えば」
「ええ時間軸はぶつからず消える事もないでしょう。ですが、システムU-Dを求めてきたキリエが何も得ずに帰るかどうか…プレシアは何か言ってませんでしたか?」
言われて貰ったメモを思い出す。RHdからメモを取り出す。
数字の羅列しか書かれていないメモ、何かのキーワードなのか?
「チンクさんに聞きましょう。彼女なら何か知っているでしょう。」
頷きベッドから降りた。
「ヴィヴィオ、これをプレシアから預かったんだな?」
「うん…でも意味がわかんなくて…」
チンクは研究室の隣の部屋に居た。ヴィヴィオがメモを渡すとそのメモを見て何かを考えている。
「メモを渡した時、何か言っていなかったか?」
「オリヴィエさんと応援を連れてきて欲しいって…」
「そうか…渡す物がある。だがその前に私の話を聞いて欲しい。」
「うん…」
いつになく真剣な彼女の瞳を見てゴクリと唾を飲み込んで頷いた。
「ヴィヴィオはプレシアが何の研究をしていたか知っているか?」
「魔力コアの研究と魔導書の研究と写本の修復…」
「魔力コアは私がここに来る前…多分彼女達がミッドに来た時には既に出来上がっていた物だ。そして刻の魔導書の研究は既に終え、写本の修復はここではしていない。彼女が今研究しているのは人造魔導師開発、ProjectFateについてだ。」
「!?…嘘…それって犯罪…」
人造魔導師計画…ProjectFate。その文字通り人の手で魔導師を生み出す研究であり人道的、倫理的にも犯罪とされている。
フェイトとスカリエッティの影が脳裏で浮かび上がる。プレシア自らが作ったフェイト。スカリエッティはヴィヴィオ、チェント、チンク達を生み出した。
(まさか…私達を…チェントを保護してチンクを助手にした理由って…)
「勘違いしないでくれ。彼女は研究しているだけで作ろうともしていない。研究しているのはヴィヴィオや私達の為だ。」
「えっ?」
どういうことか判らず聞き返す。
「私達は人造魔導師計画で培われた技術を基に作られた。私達…戦闘機人は一般人より何倍も丈夫で怪我もしにくく病気もしない。しかしいつまでそんな状態が続くかは誰にもわからない。」
「………」
「ヴィヴィオとチェントも同じだ。聖骸布に残ったオリヴィエの遺伝子から作られた。その過程で幾つもの薬が使われている。もし病魔に犯されたり重傷を負った時、一般人と同じ薬が効く保証はない。」
「………」
「プレシアに助手として来て欲しいと言われた時、私も同じ事を考えた。マスター、ジェイル・スカリエッティの技術を得て人造魔導師計画を完成させたいのか、実験体として欲しいのかと。だが彼女はそんな私の考えを見越してこう言ったんだ。『スカリエッティの技術が欲しいんじゃない。私は娘達にとって医者でありたいのよ』と。娘達…それが誰を指しているのかは言わなくてもわかるだろう?」
一瞬でも疑ってしまったヴィヴィオは自分が恥ずかしかった。
「ヴィヴィオ、その事だけは覚えておいて欲しい。話が長くなったがメモにある物を見せよう。ついてきてくれ」
そう言うと席を立ち部屋を出て行く。ヴィヴィオ達も後をついていく。向かったのは隣にあるプレシアの研究室だった。
「プレシアは自分の手で渡したかったんだと思うが…」
端末を操作してメモに書かれた数字を打ち込む複数のモニタが現れた。
「これは…?」
「プレシアが調べた時空転移のレポートだ。」
淡々としたプレシアの声でレポートが読み上げられる。
『ヴィヴィオは数年後、魔導炉暴走事故前のアリシア・リニスと時の庭園から虚数空間へと落ちた私を助け別時間へ転移する。しかし現在の彼女が使う時空転移には致命的な欠陥がある。』
『転移者のバイタル…身体だけが残ってしまう欠陥。転移前に残ってしまった身体に異常があれば転移先にも影響するだろう。このまま時が過ぎれば私やアリシア、リニスを救えず未来は変わってしまう。しかし現に私達はここに居る。』
『ヴィヴィオはまだ時空転移を完全に扱えていない、その時迄に完全な時空転移を使える様にならなければいけない。その鍵は刻の魔導書の管理権限にある。』
まさか時空転移を使いこなせていないと考えてすらいなかったヴィヴィオは言葉を失っていた。
「独力でここまで…本当に凄い研究者ですね…」
オリヴィエも驚く。
続けて画面が切り替わって映像が現れる。
『チェントがそういうつもりなら私もそうする…』
『いっけええええっ! スタァアライトッ、ブレイカァアアアッ!!!』
『いっけーっ!! スターライトッブレイカーっ!!』
『スターライトっブレイカァアアアッ!』
『そんな事させないっ!! スターライトッ、ブレイカァアアアッ!』
『それに…こんな事が出来るくらい。ハァアアアッ!』
『いっけぇええ、スターライトッブレイカーっ!』
それは今までスターライトブレイカーを使った時の映像。
アリシアがチェントに襲われそうになった時、チェントの中のレリックを壊した時、シグナムとの模擬戦、闇の書のマテリアルと戦った時、闇に染まりかけたはやてを助けた時、模擬戦で別世界のヴィヴィオ達に見せた時、そしてオリヴィエと戦った時…
アリシアのデバイスで撮られた映像もあったが、何故か彼女が居なかった時やヴィヴィオ自身の視点映像もあった。
そしてその映像に重ねる様にグラフが表示される。
『時系列で見れば集束率が高まっている様に見えヴィヴィオの集束技術のが高まっているとも言える。しかし総出力と比較するとその見解は間違っている。明らかにヴィヴィオとRHd、双方の魔力相乗効果が暴走している。』
「………」
『その証拠にヴィヴィオは必ず使用後リンカーコアの消耗を起こし、RHdはフレーム破損を起こしている。管理局から送られたRHdのメンテナンスレポートにはバランスが崩れた場合の影響を示唆している。だが事態は深刻でこの暴走状態が続けば破滅へ向かうのは時間の問題。』
「………」
思い当たる。
事件の最後に使っていたから疲れが出ただけだと考えていたし、何も考えず騎士甲冑を使っていた。そんな危ない状態だったとは思ってもいなかった。
冷たい汗が額をつたう。
「これが、ヴィヴィオについてのレポートだ…。そして…2つの問題を解決する方法を彼女は用意していた。」
そう言ってピッっとボタンを押すと2つのカプセルが現れる。
「受け取ってくれ。これがオリジナルを使い修復した『魔導書』。そして…これが」
チンクがカプセルを開ける。そこに入っていたのは赤い結晶体。
「レリック…どうしてこれがここに…」
「ある者に頼んで探していたらしい。使わないで欲しいけれど本当に必要になった時、手元に無ければ意味の無い物だから。暴走せずに力を使う時に要る物だからと…ヴィヴィオには事件の記憶を思い出させる見たくない物だろうが、彼女は今必要だと感じたのだろう。」
怖々と差し出されたカプセルを受け取る。
「No14…ここにあったのですね。残されていないと諦めていたのですが…」
「きっと彼女なら…ヴィヴィオ、刻の魔導書をチンクに渡してその魔導書を手にとって下さい。そして管理者権限設定と言ってください。彼女が刻の魔導書を使って修復したのなら…動くはずです。」
オリヴィエに従い刻の魔導書をチンクに預け代わりに直った写本を手にする。
「管理者権限設定」
「StorageDeviceSystem Program Start . DeviceSettingMode.」
オリヴィエの指示に従い呟くと魔導書が開いた。入ってくるイメージ。
時空転移は行きたい先を浮かべるだけじゃない。聖王の鎧で自身を含めた対象を包みその時間から切り取って使う物だと…そして過去の能力者の記憶も流れてくる。
「ヴィヴィオ、この本はもう刻の魔導書でも写本でもありません。新たな名を」
「うん…管理者名高町ヴィヴィオ。魔導書型ストレージデバイス名、…数百年、数千年を旅してきた魔導書、この本にはずっと未来、私が居なくなってもずっと未来を見ていて欲しい…」
「デバイス名称登録、悠久の書」
悠久の書と名付けられた魔導書はかつての写本やオリジナル、無限書庫で手に取ったどの本よりも手に馴染んでいた。
~コメント~
もしヴィヴィオがなのはGODの世界に行ったら?
ヴィヴィオの時間移動魔法ー時空転移ーAnotherStoryから持ち越してきたフラグをようやく回収できました。
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