第23話 「思いは1つ」

「オリヴィエさんが私を試してた理由…これだったんだ。」

 U_Dが魄翼を広げ大量の魔力弾を放つ。
 それを迎撃しようとヴィヴィオもシューターを作り撃ち出す。レリックを取り込み聖王化して出力の上がったシューターと魔力弾が2人の間でぶつかり消えた。全くの互角。
 
 もしオリヴィエが居なくてレリックがなければ既に墜ちていた。
 続け様にU-Dから撃ち出されたリング状の砲撃は左手に魔力を集め鎧に当たる瞬間、軌道を変えU-Dに撃ち返す。

【!?】

 爆発の煙から高速で上空へ飛んだU-Dを追いかけ近接戦へ、その後何度も2人の魔力弾、爪と拳がぶつかる。2人が跳ね返した魔力弾は海面にいくつも大きな水柱を作っていた。

(闇の書の防衛システムははやてが分けてくれたから消せたけど、U-Dには効かない。今はシールドを削らなきゃっ!)
「ハァアアアアッ!」

 魄翼から振り下ろされた巨大な爪を両手で受け止め今度は両手で掴んで真っ2つに引き裂いた。
 その時

『ヴィヴィオ、フィールドで囲んだよ。』
『ヴィヴィオさん、存分にやりなさい』

 はやてとリンディから通信が届く。後ろとU_Dの後方にアースラが見えた。こっちのアースラがやってきたのだ。
 そして…

『レリックを怖がらないで。前に暴走したのはまだ小さくて使い方を知らなかっただけ。今のあなた、ヴィヴィオならもう使える筈よ。』
『思いっきりやっちゃえ!! ヴィヴィオっ♪』
『ヴィヴィオ……かたなきゃだめ』

 プレシア・アリシア・チェントの言葉が背中を押してくれる。
もう迷わない。
 その意思が更なる力を引き出し身体から溢れる光が強くなっていく…

 

「…あの子が1人で…ここまでなんて」

 驚きのあまりプレシアが息を呑む。時の庭園で1度対峙した事があるから余計にその凄さがわかる。

「オリヴィエさんはこれがあるって知ってたんだね。だからあんな強引な方法を使ってまでヴィヴィオの強さを知ろうとしてたんだ…」

 アリシアの言う通り彼女は知っていた思う。
 そうでなければヴィヴィオの力はここまで上がらなかった。彼女が自身、ベルカ聖王とヴィヴィオの複製母胎という存在と強さを見せつけなければレリックを見せても触れようとしなかったに違いない。

(なのはさんやフェイト、アリシア…私…いいえ、彼女でなければ導けなかったでしょう。)

 オリヴィエの姿を探そうと周りを見回すがスタッフルームに彼女の姿はない。
 どこかで2人の戦いを見ているのだろうか。

『海上に高魔力反応確認。ディアーチェが再起動完了。紫天の書の復活で思念体も多数出現…ってこれは魔導騎兵ですっ!!』

 モニタに時の庭園で見た姿が次々と現れる。

「私達は露払いだね。ここの私達の作戦とヴィヴィオの邪魔はさせない。行こうっ!」
「機動6課フォワード陣…いや、全員出動! 私も出るよ。リイン、アギト2人もいくよ。未来チームの4人も手伝ってな」
「はい」
「僕達も作戦開始だ!」

 なのはの言葉に頷き、はやてとクロノが命令を出した。 

「「「「了解!!」」」」



「こんな時に思念体と魔導騎兵なんてっ!!」

 次々現れる思念体と魔導騎兵。なのはかフェイトの記憶を使ったのか?
 只でさえU-Dを相手にするのが精一杯なのにと悪態をつきながらシューターを思念体へと撃ち出す。

【ヴェスパーリング】

 その僅かな隙を突いてU-Dがリング状の砲撃を撃ち出した。鎧で受けようと構える。

「!?」
「スタァアアライトッ、ブレイカァアアアッ!」

 突如海鳴市の方向から虹色の集束砲が伸びてU-Dの砲撃を打ち消し彼女を離れさせた。

「虹色の…ブレイカー!?」
【ゆりかごの聖王?】
「『私』が1人だなんて思わないでよっ、私の時間なんだからっ!!」

 そこに現れたのは私に似た騎士甲冑を纏った女性の姿。彼女はそのまま虹色の魔力弾を幾つも作りだしU-Dと魔導騎兵へと放つ。

(大人の私!? !っそうか、ここのヴィヴィオ!!)

 闇の欠片事件で助けてくれたのはこの時間に居る未来のヴィヴィオ。

『子供の私、私じゃこれ位しかできない。お願い泣いてるユー…彼女を助けてあげてっ』
「クロスファイアァアシュートっ!!」

 魔力弾が集束し砲撃になり周りにいた魔導騎兵をなぎ払う。

「まかせてっ♪」

 すれ違い様に互いのパンと手を叩き合う。
それだけで十分だった。

「いくよ…U-Dっ!!」



「…あの時ヴィヴィオを助けたの…ヴィヴィオだったんだ…」

 スタッフルームに残ったアリシアはモニタを見て呟く。
 突然現れたヴィヴィオにヴィヴィオはそれ程驚いた様子はなかった。

「あの時のジャミング…彼女だったんですね。」
「見られたら困るわよね。異世界から彼女が来たのだったらここの未来の彼女は居ても当たり前ね」

 アースラの艦橋でエイミィとリンディが彼女の姿を見て言う。



 闇の欠片事件でヴィヴィオは捕らわれたはやてを助けに八束神社へ行った。そこでヴィヴィオは闇の書のマテリアル達と思念体ヴィヴィオに待ち伏せに遭い窮地に陥ってしまう。
 そんな時、彼女を助けた存在があった。
 その者は自身を隠す為にアースラのシステムに介入しセンサーと映像を一時的に潰し、その間にヴィヴィオを助け彼女の思念体を連れ去り消えてしまった。
 事件後、ヴィヴィオのはその者の事を誰にも話さなかったから何が起きたのかそこに居たヴィヴィオとマテリアル達しか判らず、その正体に気づいたのもヴィヴィオのみで彼女が元の世界へ戻ってしまった後は誰にもわからなかった。

 しかしモニタの向こうで2人のヴィヴィオが手を叩き合ったのを見た時、アリシア、エイミィ、リンディの中で燻っていた謎が解けた。



大人ヴィヴィオに周りの思念体と魔導騎兵を任せたヴィヴィオはU-Dに集中する。
 2隻のアースラが張ったフィールドが無ければ地形を変えていただろう。高高度戦、空中戦、双方に叩き落とし落とされた後の海中戦、強大な魔力同士が幾度も激突し空気を震わせる。
 そんな攻防を繰り広げてもU-Dの攻撃は聖王の鎧が遮って決定打にはならない。
 逆にヴィヴィオの拳も今の彼女が使っているシステム「アンブレイカブル・ダーク」の魄翼とシールドに阻まれて通らない。
 言わば互いのシールドの削り合い。
 ヴィヴィオの魔力源はレリック完全体とRHdのコアになったレリック片とジュエルシード。対するU-Dは永遠結晶エグザミア。どちらも無限に近いエネルギーを持っている。
 逆に言えば扱う器である主の資質勝負。
 どちらかの攻撃がシールドを越えて通った時、勝者と敗者が決まる。
 
 しかし当のヴィヴィオはそんなのを気にする余裕はない。荒い息を吐いている。
 戦闘の余波で既に騎士甲冑のマントは破れ腰の鎧は一部が欠け、ジャケットもあちこちちぎれている。聖王の鎧を掠めた攻撃が当たっていた。
 RHdがリソースを全て魔力増幅に回しているから回復が追いつかないのだ。
 対するU-Dの紫天装束も裾が裂けボロボロになってきていた。
それでも2人とも引かない。

(RHd防御お願い。レリックは私が制御するから)
【All Right】

 傷ついていた騎士甲冑が一瞬で元に戻りそのままU-Dめがけて

「いっけええええっ!」

 体内にあるレリックから更に力を引き出し拳に魔力を集め数10発のシューターを撃ちながら再び近接戦へと持ち込んだ。



「王、レヴィ、ヴィヴィオがシールドを壊した一瞬を狙いますよ。」

 海上で再起動を終えたディアーチェの下にシュテルとレヴィがやってきた。なのは、フェイト、はやても一緒だった。


『シュテル、レヴィ、計画を変更だ。我は急ぎ再起動を終わらせる。だが管制プログラムの生成には魔力が足りぬ』

 ヴィヴィオがU-Dと戦う少し前、シュテルはディアーチェから念話を受けていた。普段も焦りを見せない王が何か焦っている。

(まさか、U-Dの再起動が…予想より早い?)
『わかりました。それはこちらで用意します。再起動後に合流を』
『わかった。』
「クロノ執務官、作戦の変更願います。強化プログラムは用意出来ません。」

 話し合った結果なのはとヴィータが強化プログラムを使う事になり、フェイトとシグナムも強化プログラムには及ばないが増幅プログラムを使う事に決まっていた。
クロノだけでなくなのは達も驚く。

「王、ディアーチェから再起動を急ぐと念話が届きました。なのはとフェイト、はやては私とレヴィと一緒に再起動の終えたディアーチェの所に来て欲しいのです。」

 あくまでU-Dの再起動が早まるというのはシュテル自身の予想。今は管制プログラムに不足した魔力をどうやって集めるかだから。


(今思えば、見ていたのですね…ヴィヴィオがU-Dの所で向かっているのを)

 もしこの事態に気づかず予定通りに作戦を立てていたら2人のどちらかが倒れ悲劇が待っていたかも知れない。2人とも助けたいと思うが為の作戦変更だったのだ。

(やはり、彼女は我らの…闇統べる王です。)
      


「僕とシュテルんでアンブレイカブル・ダークに強制介入して再起動を遅らせてその間に王様が管制プログラムを撃ち込むんだね。」

(僕には王様やシュテルんみたいに難しい話は考えられない。闇の書の力のマテリアル、雷刃の襲撃者だから。2人を守るんだ!)

ディアーチェやシュテルがU-Dの所に行くなら一緒に行って2人の壁になる。
 そう思い心の中の恐れを隠し奮い立たせていた。
 消えるのが恐いんじゃない。ディアーチェやシュテル、フェイトやなのは、はやて、一緒に遊んだ子達、みんなが目の前で消えるのが恐い。
 闇の中では無かった一緒に居たいという気持ち。ここに過ごした3ヶ月という時間の中で楽しいという気持ちが強くなっていた。

(だから…僕は行くんだっ!!) 



「いや、我ら3人が同時に管制プログラムを撃ち込む。誰か1人のプログラムが当たればいい。3方からであれば防げぬ。だが3人分のプログラム生成には魔力が足りぬ…」
 
 八神家ではやてやリインフォース、騎士達と過ごした毎日。それは羽毛に包まれた様な暖かさだった。どうして主の命に違えてまで主を守ろうとしたのか。リインフォース、シグナム、シャマル、ヴィータ、ザフィーラの見せる表情がそれを物語っていた。
 そして、彼女を再び闇の書、しかも管制人格にしようとしたディアーチェ自身を疑いもせず家族として受け入れる。

(繰り返し主を変え、国を滅ぼし古き時代より生きてきた闇の書とその中に眠る紫天の書。我らははやてと会うために今まで来たのではないか?)

 そうであって欲しい。いやそうあるべきだ。だから

(我ら闇の書で眠っていた全員が笑わねばならぬ。)

 その為になら幾ら怒られ、蔑まされようとも構わない。 
 もうディアーチェの心を揺らすものは無かった。



「その為になのは達に来て貰ったのです。なのは、もう1度契約を」
「うん」
「レヴィも」
「うん、フェイト」
「ディアーチェ…」
「わ、わかっておる!! 我らの魔力を上げるにはこの方法しか無いからだぞっ、背に腹は代えられぬだけだ。わかってるな!」
「はいはい。」

 はやてがクスッと笑ってディアーチェの手を取る。シュテルはなのはの、レヴィはフェイトの手を取り再び契約を行う。
 再起動と強化プログラムの生成で減ってしまった魔力を契約主からの魔力で補うのだ。
 なのは、フェイト、はやての魔力が共有され、シュテル、レヴィ、ディアーチェがそれぞれ持ったデバイスを通して管制プログラムに魔力を注ぎ込まれていく。
 なのは達は傷つき、友達を傷つけられてU-Dは封印する存在で、倒さなきゃいけないと考えてしまっていた。でも、ヴィヴィオはそうじゃないというのを教えてくれた。彼女も砕け得ぬ闇というシステムに操られてるのだと。



(みんなと一緒に来られるなんて…思ってなかった。)

 フェイトちゃんと戦い、名前を呼び合って友達になった。
 悪魔って言われたけど、ヴィータちゃんとも話せるようになってはやてちゃんがもうすぐ転校してくる。
 シュテルは…私のコピーって言われて驚いたけど。なんだか妹が出来たみたいで凄く嬉しい。
 そしてヴィヴィオ…まさか未来の私の子供だなんて考えもしてなかった。大人の私も凄く綺麗になってた。
 手を繋いだシュテルの横顔をチラリと見る。彼女は集中して管制プログラムを組み上げている。

(U-Dの中にはきっとシュテル達の大切な友達が居る。私達みんなで助けるんだ。)



(レヴィ…大丈夫かな…)

 シュテルやディアーチェと違ってフェイトが手を繋ぐレヴィは集中しているが眉間にしわをよせていた。元々2人と違ってプログラムとか苦手なのだろう。でもそうは言ってられないという気迫が彼女から漂っている。

(私が彼女を信じなきゃ!)

 ここでフェイトはアリシアや母さん、リニスと会えた。レヴィは私を元にしたマテリアル。 私をオリジナル、アリシアをオリジナルのオリジナルと呼ぶ屈託のない笑顔や無邪気さに何故か惹かれていた。
クロノの驚き声を聞かない日は無い位だ、アルフと喧嘩したりもするけど、悪い事をしたと思うとちゃんと謝る。どこか手のかかる妹なんだと思う。
 そんな彼女が逃げ出さず、放り投げずに必死になってプログラムを作っていく。  

(私の夢はいっぱい叶ったから…次はレヴィ、あなたの番だよ。) 


 
(闇の書の中にあった紫天の書。更に中に眠ってた子が居たなんてな…)
『世界は必然が折り混ざって成り立っている。それがどんなに偶然と思われようと何か理由があるからそこにある。偶然だと思ってもそれは必然。だから時の流れに身を任せるんじゃなくて、自分の考えで自分で決めて動かなくちゃいけない。それが私の…未来の必然になるんだから。』

 3ヶ月前、私を助けてくれたヴィヴィオの言葉を思い出す。彼女はそう言ってマテリアルの3人を庇った。魔力も殆ど使い切ってる状態で語気を荒げたクロノ君に1歩も引かなかった。

(あの時、私も何で庇うんって思ってた。でも…今はちゃう。)

 一緒に過ごした3ヶ月という時間。その中で彼女は家族の1人となっていた。来月から通う学校で少しでも歩けるようになりたいと始めたリハビリ。ディアーチェはずっと見守り、支えてくれていた。 
 きっとリインフォースが消えた後、はやてを含む全員を支えるつもりだろうと…
 そんな彼女がある日消え、次に会った時はその間の事を全て忘れていた。その悲しさがどれだけ支えて貰っていたかを気づかせてくれた。
 今、隣で管制プログラムを作っていくディアーチェと繋いだ手を少し強く握る。もう2度と離さない様に。



「プログラム…完成しました。」

 静かに瞼を開くシュテル。

「我も終わりだ……レヴィ…」

 少し遅れてディアーチェも目を開け、シュテルと共にレヴィの方を向く。

「…………」

 しかし、レヴィはまだ眉間に皺を寄せたままだった。

「やはり、私が……」
「…ハァーッ、僕も完成!!」
「よく頑張りました。なのは、準備できました。」
「うん、私達は3人の前に出てきた魔導騎兵と思念体をやっつけて」

 なのはがレイジングハートをエクセリオンモードに切り替える。

「みんなの道を切り開く。」

 フェイトがバルディッシュをザンバーフォームへと変え金色の刀身が姿を見せた。

「闇の書を蘇らせようとしてた子と一緒に戦うんは変な感じやけど…それでいこか、リインフォース。」
【はい、我が主】

 はやての髪色が変わり、体内の魔力が満ち溢れる。

「子烏や塵芥…ヴィヴィオやはやて達が舞台を用意したのだ。ここで動かねば王ではないわ。シュテル、レヴィ、我らの仲間を助けに行くぞ!」

 なのは達に射程までのフォローをして貰いあらん限りの魔力を使って撃ち込む。
 ディアーチェの言葉に他の5人全員が頷きそのままフィールドの中心へと飛んでいった。



 ヴィヴィオがU-Dを止め、未来の現在のアースラがその周りに結界を張り、クロノや未来から来た者達は総動員で思念体を蹴散らしている。
 魔導騎兵は弱いが数が多く倒しても次から次へと現れるから今の戦力では蹴散らせない。
 フォワード陣の大半が思念体と戦い乱戦の様を呈してきた一方で、アースラにも魔導騎兵の手が伸びようとしていた。
しかし、アースラの甲板に立つ影があった。

「数が多いなら全部壊しちゃえばいいのよっ。クロスファイァアアシュートッ!」

 40個近くのシューターが目の前の魔導騎兵の集団に直撃し次々と爆音を奏でる。

「ハァッハァッ…この魔法は私がオリジナルなんだからっ…ウェンディ再充填までお願い。」
「了解ッす。ディエチ」
「イノーメスカノン、連射モード」
 ウェンディのエリアルレイヴとディエチのイノーメスカノンが火を噴き、辺りの魔導騎兵、思念体を次々撃ち落としていく。
『ティアナ、ペースを落とせ。そんな調子じゃすぐに倒れるぞ。』
「だ、大丈夫です。そんな柔な鍛え方してませんし…もっと頑張ってる子が居ますから」

 数キロ先でぶつかる光を見て言う。

『…わかったよ。少し楽させてやる。ストームレイダー。回り込んだ敵を全部落とす。』

 そう言って念話が切れた直後、大きな火球が幾つも空に浮かび上がった。   
 
 

 一方、リンディ達の居るアースラは2人のザフィーラとアースラと共に戻ってきたアルフが守っていた。付近に現れた魔導騎兵と思念体を蹴散らしているが徐々に押され今は防戦一方になってきている。
それに気づいたバックアップと遊撃位置に居たキャロは

「エリオ君、フリード、後お願い。」
「キャロ!!」

 アースラの上空からエリオにフリードを託し飛び降りる。
 限定されたフィールドの中でキャロは願う。
 時間は違ってもここにも居るであろう…大地を守護する者

(お願い、私の声届いてっ!!)
「天地貫く業火の咆哮、遥けき大地の永遠の護り手、我が元に来よ、黒き炎の大地の守護者。竜騎招来天地轟鳴」
「来よヴォルテールっ!」

 その声に呼応したように海面に召喚魔方陣が浮かび上がりその中から古き時代より眠る守護者がその巨体を見せた。

【はやてちゃん、ヴォルテールがっ!】

 リインに言われて下方を見る。巨大な竜が翼を広げている。

「キャロ!? なんちゅう無茶を」 
『アルザスの守護竜!? 全方位砲撃注意、みんな避けてっ!』

 センターガードとして全体のフォローをしていたなのはの叫びに無茶なと思いつつ全員が距離を取る。その直後ヴォルテールの咆吼と共に火線が残った思念体と魔導騎兵を呑み込んだ。

「ありがとう、こっちのアースラは私とヴォルテールが守ります。」

 低い声でキャロに答えるヴォルテールだった。


~コメント~
なのはGODの世界は前作なのはBattleOfACESの世界でもあります。
ですので…前回AgainStory2で一瞬しか登場出来なかったキャラや、今まで書けなかった闇の欠片事件以降変わっていくなのはやフェイト、はやて、マテリアルのシュテル、レヴィ、ディアーチェの心の動きに触れました。そして10年程度時間が変わっても存在する者も登場です。
 もし黒き火竜が時間軸を無視した存在だったら、キャロを選んだ理由は…

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