AS29「誰が為の剣」
ヴィヴィオが空戦魔導師研修を受け始めて少し経った頃、ヴィヴィオはコラードと一緒にミッドチルダ地上本部近くにあるトレーニング場に来ていた。
研修の内容はヴィヴィオの年齢や試験結果を踏まえてかまだそれ程難しい内容ではなく、ヴィヴィオもなのはやフェイトに聞かずにこなしていた。
でも魔導実技の研修はいつも練習している近くの公園で行う訳にもいかず、かといってヴィヴィオ1人の為に大きな場所を借りる訳にもいかなくて色々考えた結果今のトレーニング場の1角を時々借りてすることになった。
今日はその1回目でコラードに使える魔法を見せていた
研修の内容はヴィヴィオの年齢や試験結果を踏まえてかまだそれ程難しい内容ではなく、ヴィヴィオもなのはやフェイトに聞かずにこなしていた。
でも魔導実技の研修はいつも練習している近くの公園で行う訳にもいかず、かといってヴィヴィオ1人の為に大きな場所を借りる訳にもいかなくて色々考えた結果今のトレーニング場の1角を時々借りてすることになった。
今日はその1回目でコラードに使える魔法を見せていた
「これで全部?」
「はい…ここで使えるのはこれだけです。」
一通り魔法を使った後コラードの前に戻ってくると彼女に聞かれた。恥ずかしそうにヴィヴィオは答える。
ヴィヴィオの使える魔法は他の局員に比べて少ない。
無限書庫でいつも使っている本の探索系魔法はここで使っても何も起こらないし、スターライトブレイカーやストライクスターズは威力が強すぎてここで使うと施設を壊しかねない。
時空転移や空間転移、虹の橋などの悠久の書を使った魔法は知られる訳にはいかない…
ミッドチルダ式のセイクリッドブレイザーもあるけど、あれはもう1人の私があまり好きじゃないみたいだし、インパクトキャノンと殆ど同じ。
偶にしか使えないのもあるけど…こっちはアリシアにしか見せていない。
となると使える魔法は拘束系の魔法1つとセイクリッドクラスター、インパクトキャノン、それらを組み合わせたクロスファイアシュートだけになってしまう。
勿論それらも威力が強すぎるからかなり弱めて見て貰っている。
「お母さん達も極端だったけれどヴィヴィオも偏っているわね。魔法制御能力はSランク以上であなた達しか使えない魔法まであるのに…」
腰に手を当て呆れた様に言われて更に頬を赤める。
「ヴィヴィオの魔法はミッドチルダ式からの変換よね…探索魔法はよく知らないけれど、クロスファイアシュートはミッドチルダ式でベルカ式にあったかしら?」
「えっと…セイクリッドクラスターもインパクトキャノンとクロスファイアシュートも昔なのはママやフェイトママ、ティアナさんが練習してたのを見てて何となく…スターライトブレイカーやストライクスターズもそんな感じです。私のデバイスRHdは私用にって基本は古代ベルカ式になってますがレイジングハートが元だから…」
流石に異世界のなのはから教えて貰ったとか言えない。
「デバイスに既に入ってたのね…。じゃあ無限書庫で使う検索魔法はどうしたの?」
「ユーノさ…無限書庫のユーノ司書長に教えて貰いながら組み立てました。読みたい本を探すのに便利だよって」
検索魔導術式だけはヴィヴィオのオリジナルの魔法、ユーノに術式のパーツを1つずつ教えて貰って練習して組み立てて出来上がった魔法。
「そう…だったら組み上げていけば新しい魔法も覚えられそうね。何でも良いわ来週迄に1つ使えそうな魔法を考えてきなさい。魔導実技の課題はそれにしましょう♪」
「はい…ええ~っ!!」
コラードはニコリと笑いながらとんでもない事を言った。
「う~ん…」
翌朝、Stヒルデ学院の教室でヴィヴィオは唸っていた。
「おはよ~ヴィヴィオ、朝から唸ってどうしたの?」
「アリシア、おはよ。凄い宿題言われちゃって…」
登校してきたアリシアに昨日の事を話す。
「うわ…優しそうに見えてすっごく厳しいんじゃない? その先生」
「…私もそう思った。ママ達が真剣になってた理由わかった気がする。」
「フェイトやなのはさんに相談したの?」
「うん、でも私がどんな魔法を覚えるのか楽しみだって言ってた…」
「うわ~厳しいね。2人とも」
頷く。せめてヒントだけでも教えて欲しかったのに…
「新しい魔法か~、ん? ヴィヴィオ、あの魔法は話したの?」
「あの魔法?」
再び悩みの沼に入っていこうとしていた私にアリシアは何か思い出したらしく聞いてきた。
「うん、ブレイブデュエルで使ってたでしょ、シグナムさんの紫電一閃。ブレイブデュエルはスキルカードだったけど、あっちで、ミウラとの模擬戦でも使ってたじゃない。あれなら直ぐに使えるんじゃない?」
「あ!」
紫電一閃、シグナムの魔法というか技の1つ。彼女のデバイス-レヴァンティンに魔力を乗せた斬撃。
私はブレイブデュエルの世界でスキルカードを貰って、何度も使っている間に何となく感覚がわかって、異世界ヴィヴィオの所で見よう見まねで使った事がある。
レヴァンティンを使ったのは炎熱系の魔法だけど、たしかエリオが使っていたバージョンは電撃系だった。電撃系なら少しは使えるから…
「…できるかも…」
「うん、今日帰りに聞いてみる。ありがと」
「イエイエ♪」
こういう所は流石親友、よく見てくれてる。光明が見えた気がしてさっきまで悩んでいたのが嘘の様に気分が軽くなった。
お昼の間にヴィヴィオはシグナムにメールを送り、放課後八神家へと向かった。。
理由は見よう見まねではなく、実際の紫電一閃を教えて貰う為。
シグナムは仕事で夜にならないと帰れないらしいけど、今日はシャマルとリインが家に居るから待っていてと返信されたメールには書かれていた。
彼女のメール通り、八神家に行くとシャマルに出迎えられた。
「いらっしゃいヴィヴィオ、珍しいわね~1人で来るなんて」
「本当です。またはやてちゃんの悪戯に巻き込まれるとか思われてるんじゃないかって思ってました。」
「え、えっと…それはちょっとだけ思ってます。今日はシグナムさんにお話があって…」
あまり足を向けたくない場所ではあったけれど、根源である彼女が居ないなら大丈夫と思っていると…
「ただいま~、!久しぶりやね、ヴィヴィオ♪」
話していたら張本人が帰ってきてしまった…。
「おかえりなさい、はやてさん」
ヴィヴィオはぎこちない笑みを浮かべて出迎えた。
「シグナムに用事なん? 珍しいね。良かったらその用事、私達にも聞かせてくれる?」
管理局の制服から私服に着替えてきたはやてに言われてどうしようかと悩む。黙っていてもシグナムが帰ってくれば話をする訳だし先に話せば応援してくれるかもと考えて
「今、空戦魔導師の研修中なんです。教官のコラード先生から新しい魔法を何か考えて来なさいって言われてまして、私近接戦が苦手だからシグナムさんに紫電一閃を教えて欲しいってお願いしに来ました。」
コラードの名前を出したらはやてとシャマルが少し驚く。
「コラード先生ってファーン・コラード教官?」
「はやてさんも知ってるんですか?」
「私だけとちゃうよ。シャマルもシグナムもヴィータ、ザフィーラも知ってるよ。みんな研修を受けたからな。懐かしいな~」
「…でも確か何年か前に退官されたって聞いた気が…」
「なのはママの上の人、教導隊の方からお願いされたそうです。他の研修生と一緒にすると迷惑をかけちゃうからって、期間も集中してじゃなくて1年くらいかけて教わる予定です。」
「普通の研修でも1ヶ月近くあった筈、初等科生だからって研修期間中お休み出来ないわね。」
「最初に来たメールには3週間って書いてました。」
RHdに入れたメールを3人に見せる。
「確かに初等科生に3週間も休めって言われへんね。しかもヴィヴィオは聖王教会系列のStヒルデに通ってる古代ベルカ持ちのせ…騎士やし。管理局も色々考えたね~。」
はやてが途中で言葉に詰まる。首をかしげ聞こうとする前に
「コラード教官からの宿題か…ヴィヴィオはそれで教わりに来たん?」
「はい」
聞き返されて答えるとはやてはシャマルとリインと顔を見合わせる。苦笑いする2人と同じ顔をして
「…シグナムがどう言うかわからんし私も手伝ってあげたいけど…あんまり期待せんほうがいいよ」
「え?」
予想外の答えに出鼻を挫かれたヴィヴィオは言葉に詰まってしまった。
暫くしてヴィータが帰って来て同じ様に話すが彼女もはやて達と同じく期待しない方がいいと言われてしまった。
そして…
「只今戻りました。ヴィヴィオ待たせて悪かったな。」
「ただいま~、ヴィヴィオ久しぶり♪」
シグナムとアギトが帰って来た。
彼女も1度部屋に戻り着替えてリビングに入ってきた。
「私に何か?」
「はい、実は…」
ヴィヴィオはさっきはやて達に話した事を話した。
先に彼女達から期待しない方がいいと言われていたから紫電一閃を夏休みに異世界でブレイブデュエルで使った事とヴィヴィオ自らの弱点克服したいという話も含めた。
シグナムはその話を何も言わず表情も変えず聞いていた。話が終わると
「理由はわかった。ヴィヴィオは新しい魔法として教えてほしいと…」
「はい、お願いします。」
「来て待たせた上ですまないが断る。その理由では教えられない。仕事が残っているから失礼する。我が主、後をお願いします。」
文字通りバッサリと一刀両断にされて呆然となった私を置いてリビングから出て行った。
我に返ったヴィヴィオははやて達を見る。でも4人とも少し困った顔で首を横に振った。
「私…シグナムさんを怒らせちゃったんでしょうか…」
「う~ん…シャマル、ヴィヴィオを家に送ってあげて。ヴィヴィオ、今の話だけやったら何度来てもシグナムは頷かへんのとちゃうかな。ヴィヴィオはどうしてその魔法を覚えようと思ったん? 教官から言われたから? ゲームで使えたから? もう1度ゆっくり考えてみたほうがええよ。」
もう1度考える?
何を考えればいいのか判らないけれど、彼女が言った通り追いかけてお願いしても断られてしまう。それが判ったから
「はい」
「家まで送るわ。」
シャマルに背を押され肩を落としながら車に乗るのだった。
~コメント~
ようやく暑い8月が終わって涼しくなってきました。
短編集もアインハルト編が終わり、紫電一閃編に突入です。
ヴィヴィオと紫電一閃の関係はイノセントの世界で紫電一閃のスキルカードを貰った所から始まっていますが、実は1作目AnotherStoryの頃から候補に挙げていた魔法で名残として時折見せた帯電能力があります。
(近接戦は紫電一閃、中距離はクロスファイアシュート、長距離・広範囲砲撃はSLB的な事を考えていました。)
コラードを登場させるにあたり新しい魔法が使えたらいいなと思って以前の話を読み返して紫電一閃編が生まれました。
それはさておき、短編集も紫電一閃編で一旦終わって、新しい話を書き貯めています。
相変わらず同名のキャラクターが入り乱れるので時折混乱していますが楽しみにして頂けると嬉しいです。
「はい…ここで使えるのはこれだけです。」
一通り魔法を使った後コラードの前に戻ってくると彼女に聞かれた。恥ずかしそうにヴィヴィオは答える。
ヴィヴィオの使える魔法は他の局員に比べて少ない。
無限書庫でいつも使っている本の探索系魔法はここで使っても何も起こらないし、スターライトブレイカーやストライクスターズは威力が強すぎてここで使うと施設を壊しかねない。
時空転移や空間転移、虹の橋などの悠久の書を使った魔法は知られる訳にはいかない…
ミッドチルダ式のセイクリッドブレイザーもあるけど、あれはもう1人の私があまり好きじゃないみたいだし、インパクトキャノンと殆ど同じ。
偶にしか使えないのもあるけど…こっちはアリシアにしか見せていない。
となると使える魔法は拘束系の魔法1つとセイクリッドクラスター、インパクトキャノン、それらを組み合わせたクロスファイアシュートだけになってしまう。
勿論それらも威力が強すぎるからかなり弱めて見て貰っている。
「お母さん達も極端だったけれどヴィヴィオも偏っているわね。魔法制御能力はSランク以上であなた達しか使えない魔法まであるのに…」
腰に手を当て呆れた様に言われて更に頬を赤める。
「ヴィヴィオの魔法はミッドチルダ式からの変換よね…探索魔法はよく知らないけれど、クロスファイアシュートはミッドチルダ式でベルカ式にあったかしら?」
「えっと…セイクリッドクラスターもインパクトキャノンとクロスファイアシュートも昔なのはママやフェイトママ、ティアナさんが練習してたのを見てて何となく…スターライトブレイカーやストライクスターズもそんな感じです。私のデバイスRHdは私用にって基本は古代ベルカ式になってますがレイジングハートが元だから…」
流石に異世界のなのはから教えて貰ったとか言えない。
「デバイスに既に入ってたのね…。じゃあ無限書庫で使う検索魔法はどうしたの?」
「ユーノさ…無限書庫のユーノ司書長に教えて貰いながら組み立てました。読みたい本を探すのに便利だよって」
検索魔導術式だけはヴィヴィオのオリジナルの魔法、ユーノに術式のパーツを1つずつ教えて貰って練習して組み立てて出来上がった魔法。
「そう…だったら組み上げていけば新しい魔法も覚えられそうね。何でも良いわ来週迄に1つ使えそうな魔法を考えてきなさい。魔導実技の課題はそれにしましょう♪」
「はい…ええ~っ!!」
コラードはニコリと笑いながらとんでもない事を言った。
「う~ん…」
翌朝、Stヒルデ学院の教室でヴィヴィオは唸っていた。
「おはよ~ヴィヴィオ、朝から唸ってどうしたの?」
「アリシア、おはよ。凄い宿題言われちゃって…」
登校してきたアリシアに昨日の事を話す。
「うわ…優しそうに見えてすっごく厳しいんじゃない? その先生」
「…私もそう思った。ママ達が真剣になってた理由わかった気がする。」
「フェイトやなのはさんに相談したの?」
「うん、でも私がどんな魔法を覚えるのか楽しみだって言ってた…」
「うわ~厳しいね。2人とも」
頷く。せめてヒントだけでも教えて欲しかったのに…
「新しい魔法か~、ん? ヴィヴィオ、あの魔法は話したの?」
「あの魔法?」
再び悩みの沼に入っていこうとしていた私にアリシアは何か思い出したらしく聞いてきた。
「うん、ブレイブデュエルで使ってたでしょ、シグナムさんの紫電一閃。ブレイブデュエルはスキルカードだったけど、あっちで、ミウラとの模擬戦でも使ってたじゃない。あれなら直ぐに使えるんじゃない?」
「あ!」
紫電一閃、シグナムの魔法というか技の1つ。彼女のデバイス-レヴァンティンに魔力を乗せた斬撃。
私はブレイブデュエルの世界でスキルカードを貰って、何度も使っている間に何となく感覚がわかって、異世界ヴィヴィオの所で見よう見まねで使った事がある。
レヴァンティンを使ったのは炎熱系の魔法だけど、たしかエリオが使っていたバージョンは電撃系だった。電撃系なら少しは使えるから…
「…できるかも…」
「うん、今日帰りに聞いてみる。ありがと」
「イエイエ♪」
こういう所は流石親友、よく見てくれてる。光明が見えた気がしてさっきまで悩んでいたのが嘘の様に気分が軽くなった。
お昼の間にヴィヴィオはシグナムにメールを送り、放課後八神家へと向かった。。
理由は見よう見まねではなく、実際の紫電一閃を教えて貰う為。
シグナムは仕事で夜にならないと帰れないらしいけど、今日はシャマルとリインが家に居るから待っていてと返信されたメールには書かれていた。
彼女のメール通り、八神家に行くとシャマルに出迎えられた。
「いらっしゃいヴィヴィオ、珍しいわね~1人で来るなんて」
「本当です。またはやてちゃんの悪戯に巻き込まれるとか思われてるんじゃないかって思ってました。」
「え、えっと…それはちょっとだけ思ってます。今日はシグナムさんにお話があって…」
あまり足を向けたくない場所ではあったけれど、根源である彼女が居ないなら大丈夫と思っていると…
「ただいま~、!久しぶりやね、ヴィヴィオ♪」
話していたら張本人が帰ってきてしまった…。
「おかえりなさい、はやてさん」
ヴィヴィオはぎこちない笑みを浮かべて出迎えた。
「シグナムに用事なん? 珍しいね。良かったらその用事、私達にも聞かせてくれる?」
管理局の制服から私服に着替えてきたはやてに言われてどうしようかと悩む。黙っていてもシグナムが帰ってくれば話をする訳だし先に話せば応援してくれるかもと考えて
「今、空戦魔導師の研修中なんです。教官のコラード先生から新しい魔法を何か考えて来なさいって言われてまして、私近接戦が苦手だからシグナムさんに紫電一閃を教えて欲しいってお願いしに来ました。」
コラードの名前を出したらはやてとシャマルが少し驚く。
「コラード先生ってファーン・コラード教官?」
「はやてさんも知ってるんですか?」
「私だけとちゃうよ。シャマルもシグナムもヴィータ、ザフィーラも知ってるよ。みんな研修を受けたからな。懐かしいな~」
「…でも確か何年か前に退官されたって聞いた気が…」
「なのはママの上の人、教導隊の方からお願いされたそうです。他の研修生と一緒にすると迷惑をかけちゃうからって、期間も集中してじゃなくて1年くらいかけて教わる予定です。」
「普通の研修でも1ヶ月近くあった筈、初等科生だからって研修期間中お休み出来ないわね。」
「最初に来たメールには3週間って書いてました。」
RHdに入れたメールを3人に見せる。
「確かに初等科生に3週間も休めって言われへんね。しかもヴィヴィオは聖王教会系列のStヒルデに通ってる古代ベルカ持ちのせ…騎士やし。管理局も色々考えたね~。」
はやてが途中で言葉に詰まる。首をかしげ聞こうとする前に
「コラード教官からの宿題か…ヴィヴィオはそれで教わりに来たん?」
「はい」
聞き返されて答えるとはやてはシャマルとリインと顔を見合わせる。苦笑いする2人と同じ顔をして
「…シグナムがどう言うかわからんし私も手伝ってあげたいけど…あんまり期待せんほうがいいよ」
「え?」
予想外の答えに出鼻を挫かれたヴィヴィオは言葉に詰まってしまった。
暫くしてヴィータが帰って来て同じ様に話すが彼女もはやて達と同じく期待しない方がいいと言われてしまった。
そして…
「只今戻りました。ヴィヴィオ待たせて悪かったな。」
「ただいま~、ヴィヴィオ久しぶり♪」
シグナムとアギトが帰って来た。
彼女も1度部屋に戻り着替えてリビングに入ってきた。
「私に何か?」
「はい、実は…」
ヴィヴィオはさっきはやて達に話した事を話した。
先に彼女達から期待しない方がいいと言われていたから紫電一閃を夏休みに異世界でブレイブデュエルで使った事とヴィヴィオ自らの弱点克服したいという話も含めた。
シグナムはその話を何も言わず表情も変えず聞いていた。話が終わると
「理由はわかった。ヴィヴィオは新しい魔法として教えてほしいと…」
「はい、お願いします。」
「来て待たせた上ですまないが断る。その理由では教えられない。仕事が残っているから失礼する。我が主、後をお願いします。」
文字通りバッサリと一刀両断にされて呆然となった私を置いてリビングから出て行った。
我に返ったヴィヴィオははやて達を見る。でも4人とも少し困った顔で首を横に振った。
「私…シグナムさんを怒らせちゃったんでしょうか…」
「う~ん…シャマル、ヴィヴィオを家に送ってあげて。ヴィヴィオ、今の話だけやったら何度来てもシグナムは頷かへんのとちゃうかな。ヴィヴィオはどうしてその魔法を覚えようと思ったん? 教官から言われたから? ゲームで使えたから? もう1度ゆっくり考えてみたほうがええよ。」
もう1度考える?
何を考えればいいのか判らないけれど、彼女が言った通り追いかけてお願いしても断られてしまう。それが判ったから
「はい」
「家まで送るわ。」
シャマルに背を押され肩を落としながら車に乗るのだった。
~コメント~
ようやく暑い8月が終わって涼しくなってきました。
短編集もアインハルト編が終わり、紫電一閃編に突入です。
ヴィヴィオと紫電一閃の関係はイノセントの世界で紫電一閃のスキルカードを貰った所から始まっていますが、実は1作目AnotherStoryの頃から候補に挙げていた魔法で名残として時折見せた帯電能力があります。
(近接戦は紫電一閃、中距離はクロスファイアシュート、長距離・広範囲砲撃はSLB的な事を考えていました。)
コラードを登場させるにあたり新しい魔法が使えたらいいなと思って以前の話を読み返して紫電一閃編が生まれました。
それはさておき、短編集も紫電一閃編で一旦終わって、新しい話を書き貯めています。
相変わらず同名のキャラクターが入り乱れるので時折混乱していますが楽しみにして頂けると嬉しいです。
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