第03話「再デビュー」
- リリカルなのは AdventStory > 第1章 再会と出逢い
- by ima
- 2015.10.08 Thursday 23:39
(ご飯を食べた後アリシアを迎えに行って)
週末の夜、ヴィヴィオはなのはとフェイトとご飯を食べながらこれからの予定を思い出していた。
朝やお昼の間に行ってしまってもし時間が過ぎてしまうと2人に知られてしまう。でも夜なら翌朝起きる迄時間があると考えた。
「ごちそうさまでした、お風呂入ってきま~す。」
「あっ、ヴィヴィオちょっと待って。」
食器をシンクへ持っていってそのまま部屋に戻ろうとした時なのはから呼び止められた。
「なぁに? なのはママ」
「ママ達に何かお話はないのかな?」
えっ?
思いっきり動揺する。
週末の夜、ヴィヴィオはなのはとフェイトとご飯を食べながらこれからの予定を思い出していた。
朝やお昼の間に行ってしまってもし時間が過ぎてしまうと2人に知られてしまう。でも夜なら翌朝起きる迄時間があると考えた。
「ごちそうさまでした、お風呂入ってきま~す。」
「あっ、ヴィヴィオちょっと待って。」
食器をシンクへ持っていってそのまま部屋に戻ろうとした時なのはから呼び止められた。
「なぁに? なのはママ」
「ママ達に何かお話はないのかな?」
えっ?
思いっきり動揺する。
「な、何のお話?」
「ママ達にナイショで異世界に行くつもりでしょ。ごめんね…ヴィヴィオが辛いの気づいてあげられなくて…こんなんじゃママ失格だよね…。」
俯くなのはの頬に何かが流れるのを見た。
そう、悠久の書を使う時は必ず相談してと言われていたのに…。私はその約束を破ろうとしていたのに気づいた。
「なのはママ…私、そんなつもりじゃ」
「うん、だからフェイトママと相談してママ達も一緒に行く事にしました♪」
悲しませたと思って思わず駆け寄るとなのはは顔を上げてニコリと笑った。涙の後は見当たらなくて…
「ママ~っ」
元々私が約束を守らなかったのが悪かったのだし、話している間にフェイトがアリシアを連れてきたのを見て頷くしかなかった。
30分後、リビングには少し大きなリュックを背負ったヴィヴィオとアリシア、トランクケースを転がしてきたなのはとフェイトの姿があった。全員が片手に靴を持っている。
外だと誰かが見ているかも知れないからだけれど、何も知らない人が見たら異様な光景だっただろう。
「なのはママ、フェイトママ、アリシア、前に行ったのは本当に偶然だったから間違って違う世界に行ちゃった時は直ぐに戻るよ。それと私がいいって言うまで絶対離れちゃ駄目だからね。」
「うん」
「はい♪」
「は~い♪」
前にあの世界に行けたのは私というよりもう1人の私が望んだ世界だったから。
RHdを起動してバリアジャケットを纏う。アリシアと2人なら使わなくても良かったのだけれど4人で転移するのなら転移出来る空間を作った方がいい。
悠久の書を取り出し目を瞑りもう1人のヴィヴィオに話かける。
(お願いヴィヴィオ、私もう1度あの世界に行きたいの。)
次の瞬間目を閉じている筈なのに周りが虹色の光に包まれる。その中で遠くに一際輝く光が見えた。
(見えたっ!!)
「行くよっ!!」
見えた光の中へと空間ごと飛び込ませた。
「っと…ここは?」
キョロキョロと辺りを見回す。見覚えがある海と公園…臨海公園の外れらしい。
纏っていた筈のバリアジャケットは無くなって私服に戻っている。
「もういいよ。着いたみたい」
そう言ってなのは達に言う。
「ここが…そうなの? 海鳴市みたいだけど…」
なのはは不思議そうに辺りを見回す。
「魔法が使えないの…本当なんだ。リンカーコアが全然動いてない。バルディッシュ」
【………】
フェイトがデバイスを取り出して呼び出すがバルディッシュは何の反応も示さなかった。
「レイジングハート」
【………】
なのはも胸のペンダントを外して呼ぶがレイジングハートからも何の返事も無い。
「本当に魔法が無いんだ…何だかちょっと不安だね。」
「そう? 私リンカーコア元々弱いから全然平気だけど?」
不安がるなのはとフェイトに対しアッサリと答えるアリシア。魔法文化にどれだけ慣れているかの違いだろうけれど彼女達の言い様がおかしくてクスッと笑う。
「無事に着いたみたいだし、これからどこに行けばいいのかな?」
なのはに言われて
「う~ん…T&H…だとフェイト…こっちのフェイト達がびっくりしちゃうから、八神堂かな?」
フェイト同士が会えばこっちのフェイトが倒れそうな気がする。
そう言ってヴィヴィオ達は八神堂へと向かった。
その途中、あるホビーショップが視界に入った。
「あっ、あのお店…」
それは前に来た時初めてブレイブデュエルで遊んだお店だ。
「こんなに近かったんだね。」
アリシアも思い出したらしい。
「あのお店に書いてる『ブレイブデュエル』って例の体感ゲームだよね? ちょっとだけ見て行かない?」
「うん♪」
なのはに言われて頷く。
でもこの時はまだ私もまさかこんな事になっているなんて思ってもいなかった。
お店の中に入ると早速ブレイブデュエルが目に入った。
前から少し時間が経っているのかスキルカードのバリエーションが増えている。そして
『お願い、助けてガーディアン!!』
(ガーディアン?)
耳にしたことが無い言葉を聞いてふとモニタに目を移す。
2チームのプレイヤーが遊んでいる中で居たのは
「嘘…」
思わず立ち尽くす。
「えっ!?」
「ど、どうして」
なのはとフェイトも気づいたらしく驚いている。
プレイヤーの奥に映っていたのが少し違っているがスカリエッティとウーノとクアットロだったからだ。
そこに現れたのは子供の…こっちのなのはとすずかとアリサ。プレイヤーは彼女たちが現れたのを見て岩陰に身を隠す。
『ランダムで介入してくる結社セクレタリー、撃退しちゃえばT&Hから感謝の印にレアカードをプレゼント、まだ勝てないな怖いなって思う人はガーディアンを呼んじゃおう♪』
マイクパフォーマンスでシステムの紹介をするアリシアの声を聞いて我に返る。
「こっちにも居るんだ…スカリエッティとウーノとクアットロ」
「ほんっとうにビックリしたよ。」
「うん…」
ホッと息をつくヴィヴィオとなのは、フェイト。そう言ってる間にブレイブデュエルの中で戦闘が始まった。
アリサがフォワード、なのはがセンター、すずかがバックとフォーメーションを組んでいる。
「なのは達も強くなってるみたいだね。」
デュエルするのが楽しみで心が躍る。
でも隣で見ていたアリシアはそう思わなかったらしく首をかしげて
「セクレタリーだっけ…勝つ気あるのかな?」
「どういうこと?」
「介入してきたにしてはつかず離れず距離を取ってるでしょ。こっちの私の話を聞いてる感じじゃ今回が初めてじゃないからガーディアン、なのは達が出てくるわかってる筈だし…」
「そういえば…」
3人が知ってる戦闘スタイルなら…スカリエッティもウーノもクアットロも戦闘より参謀に向いている。JS事件でも直接戦って無かったような…
『えっ? また乱入!?』
そんな事を思い出しているとこっちのアリシアが驚く声が聞こえる。
『こんな子供相手に暴れるのは好きじゃないが、これも作戦だ。』
『おねんねして貰うわよ』
『………(何も言わず頷く)』
(トーレとドゥーエと…セッテ)
続けて別のデュエルスペースに現れたセクレタリーの3人を見て
「デバイスを見る限り全員戦闘タイプ、こっちが本命でさっきのは時間稼ぎの陽動。ガーディアンがショッププレイヤーだけなら…」
『お願い、助けてガーディアン!!』
プレイヤーの声を聞いてモニタ向こうのアリシアが狼狽えてフェイトが駆け出し呼ばれたデュエルスペースに現れた。
フェイトが1人でトーレ達3人を相手にするつもりらしい。
「セクレタリーの標的はフェイトだね。強さを見せつけるには全国ランカーを倒すのが手っ取り早い。」
いくら何でも3人相手にプレイヤーを守りながら戦って勝てるとは思えない。それ位ヴィヴィオにもわかった。
T&Hに起きた騒動にブレイブデュエルで遊んでいた子供達や観戦者も戸惑っている。
「ママっ荷物お願いっ!」
ヴィヴィオはそう言ってリュックを外してお店のスタッフに駆け寄った。
「すみません、T&Hの人と話をさせてください。」
スタッフの男性は私を知っていたのか直ぐに電話で連絡してくれた。丁度連絡に出てくれたのはエイミィだった。
『本当にヴィヴィオちゃん? アリシアちゃんも一緒?』
「はい、一緒に居ます」
『わかった。他のショップから応援は期待できないからフェイトちゃんを手伝ってあげて。ブレイブホルダーとカートリッジは持って来てる?』
そうだ、でも…カードホルダーとカードリッジは…
「ヴィヴィオ、これっ♪」
アリシアが持って来た。ベルカ式魔方陣が描かれたブレイブホルダーとデータカートリッジ。もう1つミッドチルダ式魔方陣のブレイブホルダーも持っている。
「前に来た後で私のバッグに入ってたんだ。またここに来るなら要るかなって」
「ありがと。エイミィさん、両方あります。」
『わかった、あとはこっちに任せて。ヴィヴィオちゃん達は急いでポッドに入って』
「はいっ!」
電話をスタッフに返す。スタッフの男性がエイミィと少しやりとりをした後状況を察してくれたらしく。
「こっちへ」
奥にあるポッド2つに案内された。
「いくよアリシアっ」
「うん♪」
「「ブレイブデュエル スタンバイ、カードドライブ リライズアーップ!!」」
仮想世界へと飛び込んだ。
「まさかこんなタイミングで来てるなんてね」
ブレイブデュエルのオペレーションルームで電話を切った後エイミィ・リミエッタはフゥっと息をついた。
『エイミィどうしよう、このままじゃフェイト負けちゃうよ~。私も行くから司会代わってっ!』
アリシアからインカムを通して連絡が入る。
「大丈夫、頼りになる援軍が今向かったよ。」
『えっ?』
「直ぐにわかるから。それよりもみんなを不安にさせずに盛り上げて♪」
そう言ってマイクを切って
「援軍だよ。これ以上ないって位最強の…」
~コメント~
再びやってきましたイノセントワールド。
前回はINNOCENTからINNOCENTSの間でしたが、今回はINNOCENTS Duel11前後が舞台になっています。
ですのでセクレタリーを含め色んなキャラが登場予定ですのでお楽しみに。
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