第59話「聖王降臨」
- リリカルなのは AdventStory > 第6章 AdventStory
- by ima
- 2017.01.09 Monday 07:31
「…なのはママ、シグナムさん…」
唇をギュッと噛み締める。
「ヴィヴィオ、後に首都航空隊と教導隊が来てる。2人とも止めないとAMFで守ってるゆりかごも簡単に制圧される。私が母さんを止めるからシグナムさんをお願い」
大人ヴィヴィオから言われて首を横に振る。
「ううん、私がママを止める。私が言い出した事だからしっかり受け止めたいの、お願い」
「…わかった。無理だけはしないでね」
そう言って大人ヴィヴィオは離れていった。
「うん…ヴィヴィオ、ごめん」
呟くと桜色の光に向かって真っ直ぐ降りていった。
唇をギュッと噛み締める。
「ヴィヴィオ、後に首都航空隊と教導隊が来てる。2人とも止めないとAMFで守ってるゆりかごも簡単に制圧される。私が母さんを止めるからシグナムさんをお願い」
大人ヴィヴィオから言われて首を横に振る。
「ううん、私がママを止める。私が言い出した事だからしっかり受け止めたいの、お願い」
「…わかった。無理だけはしないでね」
そう言って大人ヴィヴィオは離れていった。
「うん…ヴィヴィオ、ごめん」
呟くと桜色の光に向かって真っ直ぐ降りていった。
「ねぇっ! どうしてこんなことをするの?」
目の前で桜色の光が消える。念話じゃなくて叫ぶ彼女。
「退いて下さい。私は貴方と戦うつもりはありません。」
淡々と答える。今は誰が聞いているか判らない。ここで彼女の名前や自身の正体を明かす訳にはいかない。あくまで冷静に答える事に集中する。
「どうして、聖王のゆりかごなんて使うのっ!あれを動かしたら…」
「知っています。こちらの彼女は学院で眠っています。貴方のデバ、武器は船の脅威になります。もう1度言います。管理局の人、退いて下さい。この地の民に害を成すつもりはありません。貴方と話す意味もありません。」
「そうじゃない、そうじゃないでしょ! ヴィ…あなたがどうしてそこまでするのっ!」
(なのはママ…判ってる。私も判ってるよそんなこと!)
唇を噛み締める。
「…アレを…ラプター、人とデバイスの関係を壊す物を作ろうとするのは良いのですか? 未来、そのせいで貴方の子や友の様な人が虐げられると判っていても進める事は正しいのですか?」
「それは…私もわからないよ。でもラプターのお陰で助けられる人も居る。今無くしちゃえばその人はどうなるの? ヴィヴィ…あなたはその責任を取れるの?」
それは何度も考えた。それでも…
「…私達はその覚悟を持って動いています。これが最後です…退いて下さい。これ以上何かを言うなら…私が…貴方を排除します。」
そう言って私は動いた。
一方で
「ヴィータはどうした?」
「ヴォルフラムに転送しました。無傷ではありませんが深手もありません。」
目の前で彼女が止まった。私の返答で少しだけ彼女から発せられた殺気が和らいだ。
「…そうか…お前達の目的は理解している。私もどちらが正しいのかはわからん…しかし、我が主も苦悩して進めている。」
「それでも駄目なんです。」
「お前達が言うのであればそうなのだろう…。だが我らは主と共に生き同じものを見続けると誓った。」
「それが間違っているとしてもですかっ!?」
「そうだ。誤りであれば正していけばいい。」
「止めるのもあなた達、家族じゃないんですか?」
「そうだな…だが、信じ共に行くのも家族だ。我らはそれを選んだ。」
ラプターの計画を聞いて1番悩んだのははやてと彼女の家族だというのは直ぐに判った。それでも全員が計画を進める事を選んだ。
きっと私が言った言葉は何度も自身に問いかけていただろう。それでも答えを出した。
その答えが私の言葉だけで揺らぐ訳がない…
「そうですか…でしたら仕方ありません。シグナムさん…貴方を倒します。」
「すまないが聖王のゆりかご…再び墜とさせて貰う。」
2カ所でほぼ同時に4つの光が激突した。
「ヴィヴィオ…」
テレビに流れる光を見てアリシアは呟く。管理局のエースオブエースと首都航空隊のエースが迎撃に向かったというのをしきりに伝えている。
「勝負は決まったな。あの2人をまとめて相手なんて無茶苦茶すぎる。」
「そんなに凄いんですか」
「ああ、管理局…全魔導師でも上から数えて10人位に入る、ヴィヴィオの母親とミウラの師匠の1人だよ。DSAAルールの上でも私達が束になって勝てるかどうか…」
「そんな人を相手に…無茶苦茶じゃ」
リンネの問いかけに答えるノーヴェ、うへぇとばかり洩らすフーカ。
「それでも…勝たなくちゃいけないんです。」
ノーヴェに言われる前にそんな事判ってると頷いた時
『アリシア、聞こえる?』
デバイスから大人アリシアの声が聞こえた。周りを見て通信を繋ぐ。
「はい」
答えるとウィンドウが現れて大人アリシアの顔が表示される。
『っ! アリシア、…ヴィヴィオの調子がおかしいの。』
一瞬言いよどんだが、私が頷くのを見て続けた。
「えっ?」
『魔力値がAで止まってる。普通にSSまで使えるよね?』
「はい…」
(ヴィヴィオ…まさか…本気なの?)
1対1での戦闘で魔法力の差は勝敗に繋がる。
フォートレスとストライクカノンという対AMF装備のなのは相手に今のままで戦うつもりかと思ったが、そう考えた時彼女が何を気にしているのか判った。
「!! もうっ、気にしすぎなんだよっ! ヴィヴィオに言って『気を失ってるから大丈夫』だって」
『…あっ、わかった。…膝無理しないでね。』
それだけで彼女も理解したらしい。そう言うとウィンドウは消えた。
「もう…何処までお人好しなんだか…」
溜息をつきながら肩を落とす。
「なぁ、今のどういう意味だ?」
「それは…」
アリシアは振り向いて彼女が何を考えていたのか話す。
「私がこっちのヴィヴィオを止めても彼女がこの映像を見てるとヴィヴィオは気にしてたんです。同じ顔や姿でお母さんや友達と戦ってるの…見たいと思いますか?」
「それは…」
「見たくないです…」
「じゃあ、2人とも全力を出さずに2人を相手にしてるっていうのか?」
「大人のヴィヴィオは判りませんけど、ヴィヴィオはこれで…大丈夫です。」
はっきりと言った。
(っ! やっぱりこれじゃ無理かっ)
フォートレスのシールドから放たれた砲撃を切り裂いてヴィヴィオはなのはに近づく。ロングレンジのストライクカノンで聖王のゆりかごのシールド貫かれたら一気に形成が逆転する。彼女にその時間を作らせる訳にはいかない。
かといって…
『聞こえる? 小さな私から伝言。「気を失ってるから大丈夫」。これからゆりかごを中心にジャミングをかける。忘れないで、あなたが言ったからここに居るんじゃない。私達みんなで決めたからここに居るんだよ。思いっきりやっちゃって!』
(アリシア、ホントにもう…ありがと。)
キッとなのはを見据える。
組み上げていたプログラムを相棒に送る。
古代ベルカ式魔法はミッドチルダ式の様にプログラムと魔力があれば起動する訳ではない。魔法に併せた資質が無ければ動かない。
起動用のプログラムは前に教えて貰って魔方陣も展開出来る。でも…
(リインフォースさん、お願い…力を貸してっ!)
胸にギュッと赤い宝石を握り力ある言葉を発する。
「遠き地にて…闇に染まれぇぇええっ!」
【Diabolic Emission】
直後彼女を中心に虹の光が周囲を埋め尽くした。
「なっ!」
「!?」
「うそっ!」
彼女の周囲を覆った虹の光を見たなのはとはやては目を疑う。
一方でシグナムとの戦闘を始めていた大人ヴィヴィオ、ゆりかごに居た大人アリシア、チェント、イクスヴェリアも息を呑む。しかし…
テレビの画面が砂嵐に変わったのを見てアリシアは
「全くもう…」
苦笑しながらも確信した。
「デアボリック・エミッション…どうして」
なのはが止まっている。フォートレスのシールドで防いだらしい。
本来は広域攻撃魔法、やっぱり私じゃそこまで使えない。でもこれで…
「我、使命を受けし者なり 契約のもと、その力を解き放て」
言葉を紡ぐ…
私が選んだ答えは正しいのかわからない。
それでもそんな私に全てを任せてくれた人が居る。
私を信じて支えてくれた人が居る。
「風は空に、星は天に、そして不屈の魂はこの胸に。」
だからその人達に答えたい。
それが私、聖王とか高町とかそう言うのじゃ無くて
「レイジングハート、セットアップ!」
私、高町ヴィヴィオなのだから。
【StandbyReady Setup. Armored module Full Drive Startup】
「レリック封印解除」
「「ユニゾンインッ!!」」
纏っていた鎧が弾け飛び、新たな光がヴィヴィオを包み形と成した。
「ごめんね…なのはママ。こうでもしないとこっちの私に迷惑かけちゃう…もうかけちゃってるけど…後でいっぱい謝ります。だからごめんね。」
そう言うと構えたなのは目がけて一気に距離を詰めた。
「ったく、そんな取っておき先に教えてよっ!」
闇の書の固有魔法、デアボリック・エミッションの発動には大人ヴィヴィオとシグナムも驚かされた。だが、ヴィヴィオの魔力が一気に上がったのに気づいて意図に気づく。
「こっちも行くよ! アリシアっ!チェント!」
聖王のゆりかごの中でもヴィヴィオの魔法に驚きつつもデアボリック・エミッションによって周囲のジャミングが成されて
「チェント」
「お姉ちゃん」
2人駆け寄って玉座の間に魔方陣を展開する。
『こっちも行くよ! アリシアっ!チェント!』
「了解、レイジングハート2nd・3rdのユニゾン、制限解除、増幅スタート」
アリシアがトリガーを押した直後、纏っていた服がバリアジャケットと騎士甲冑に切り替わった。
『了解、レイジングハート2nd・3rdのユニゾン、制限解除、増幅スタート』
返答と同時に膨大な魔力が一気に溢れ古代ベルカを模したジャケットが弾け騎士甲冑が身体を包む。
オリヴィエ・ゼーゲブレヒトの聖骸布から作られた同じ遺伝子を持つ2人のリンカーコアとレイジングハートの姉妹機として作られた2ndと3rdを介した多重同期システム。
2人のオーバーブーストによる1人じゃ制御出来ない魔力を高度な演算能力者が制御する事によってオーバーSを超える魔力を得る。
私とアリシアとチェントの3人が揃った時に使う事が出来る私達の奥の手
「それがお前の鎧か?」
「はい、お待たせしました。ここからは本気で行きますっ。」
「なのはっ!」
同じ頃、ミッドチルダ地上本部から猛スピードで飛び出す光があった。
~コメント~
AdventStoryの第1話でAdventには「出現する・到来する」という意味以外にもう1つ意味があると書いていましたがそれが今話の「降臨する」という意味です。
デアボリック・エミッションですがヴィヴィオははやてからプログラムと起動用の魔方陣をはやてに教えて貰っています。(AgainStory3第13話「目覚め」より)
大人ヴィヴィオのユニゾンについてはAffectStory~刻の移り人~番外編「記録を辿って」から久しぶりになります。
目の前で桜色の光が消える。念話じゃなくて叫ぶ彼女。
「退いて下さい。私は貴方と戦うつもりはありません。」
淡々と答える。今は誰が聞いているか判らない。ここで彼女の名前や自身の正体を明かす訳にはいかない。あくまで冷静に答える事に集中する。
「どうして、聖王のゆりかごなんて使うのっ!あれを動かしたら…」
「知っています。こちらの彼女は学院で眠っています。貴方のデバ、武器は船の脅威になります。もう1度言います。管理局の人、退いて下さい。この地の民に害を成すつもりはありません。貴方と話す意味もありません。」
「そうじゃない、そうじゃないでしょ! ヴィ…あなたがどうしてそこまでするのっ!」
(なのはママ…判ってる。私も判ってるよそんなこと!)
唇を噛み締める。
「…アレを…ラプター、人とデバイスの関係を壊す物を作ろうとするのは良いのですか? 未来、そのせいで貴方の子や友の様な人が虐げられると判っていても進める事は正しいのですか?」
「それは…私もわからないよ。でもラプターのお陰で助けられる人も居る。今無くしちゃえばその人はどうなるの? ヴィヴィ…あなたはその責任を取れるの?」
それは何度も考えた。それでも…
「…私達はその覚悟を持って動いています。これが最後です…退いて下さい。これ以上何かを言うなら…私が…貴方を排除します。」
そう言って私は動いた。
一方で
「ヴィータはどうした?」
「ヴォルフラムに転送しました。無傷ではありませんが深手もありません。」
目の前で彼女が止まった。私の返答で少しだけ彼女から発せられた殺気が和らいだ。
「…そうか…お前達の目的は理解している。私もどちらが正しいのかはわからん…しかし、我が主も苦悩して進めている。」
「それでも駄目なんです。」
「お前達が言うのであればそうなのだろう…。だが我らは主と共に生き同じものを見続けると誓った。」
「それが間違っているとしてもですかっ!?」
「そうだ。誤りであれば正していけばいい。」
「止めるのもあなた達、家族じゃないんですか?」
「そうだな…だが、信じ共に行くのも家族だ。我らはそれを選んだ。」
ラプターの計画を聞いて1番悩んだのははやてと彼女の家族だというのは直ぐに判った。それでも全員が計画を進める事を選んだ。
きっと私が言った言葉は何度も自身に問いかけていただろう。それでも答えを出した。
その答えが私の言葉だけで揺らぐ訳がない…
「そうですか…でしたら仕方ありません。シグナムさん…貴方を倒します。」
「すまないが聖王のゆりかご…再び墜とさせて貰う。」
2カ所でほぼ同時に4つの光が激突した。
「ヴィヴィオ…」
テレビに流れる光を見てアリシアは呟く。管理局のエースオブエースと首都航空隊のエースが迎撃に向かったというのをしきりに伝えている。
「勝負は決まったな。あの2人をまとめて相手なんて無茶苦茶すぎる。」
「そんなに凄いんですか」
「ああ、管理局…全魔導師でも上から数えて10人位に入る、ヴィヴィオの母親とミウラの師匠の1人だよ。DSAAルールの上でも私達が束になって勝てるかどうか…」
「そんな人を相手に…無茶苦茶じゃ」
リンネの問いかけに答えるノーヴェ、うへぇとばかり洩らすフーカ。
「それでも…勝たなくちゃいけないんです。」
ノーヴェに言われる前にそんな事判ってると頷いた時
『アリシア、聞こえる?』
デバイスから大人アリシアの声が聞こえた。周りを見て通信を繋ぐ。
「はい」
答えるとウィンドウが現れて大人アリシアの顔が表示される。
『っ! アリシア、…ヴィヴィオの調子がおかしいの。』
一瞬言いよどんだが、私が頷くのを見て続けた。
「えっ?」
『魔力値がAで止まってる。普通にSSまで使えるよね?』
「はい…」
(ヴィヴィオ…まさか…本気なの?)
1対1での戦闘で魔法力の差は勝敗に繋がる。
フォートレスとストライクカノンという対AMF装備のなのは相手に今のままで戦うつもりかと思ったが、そう考えた時彼女が何を気にしているのか判った。
「!! もうっ、気にしすぎなんだよっ! ヴィヴィオに言って『気を失ってるから大丈夫』だって」
『…あっ、わかった。…膝無理しないでね。』
それだけで彼女も理解したらしい。そう言うとウィンドウは消えた。
「もう…何処までお人好しなんだか…」
溜息をつきながら肩を落とす。
「なぁ、今のどういう意味だ?」
「それは…」
アリシアは振り向いて彼女が何を考えていたのか話す。
「私がこっちのヴィヴィオを止めても彼女がこの映像を見てるとヴィヴィオは気にしてたんです。同じ顔や姿でお母さんや友達と戦ってるの…見たいと思いますか?」
「それは…」
「見たくないです…」
「じゃあ、2人とも全力を出さずに2人を相手にしてるっていうのか?」
「大人のヴィヴィオは判りませんけど、ヴィヴィオはこれで…大丈夫です。」
はっきりと言った。
(っ! やっぱりこれじゃ無理かっ)
フォートレスのシールドから放たれた砲撃を切り裂いてヴィヴィオはなのはに近づく。ロングレンジのストライクカノンで聖王のゆりかごのシールド貫かれたら一気に形成が逆転する。彼女にその時間を作らせる訳にはいかない。
かといって…
『聞こえる? 小さな私から伝言。「気を失ってるから大丈夫」。これからゆりかごを中心にジャミングをかける。忘れないで、あなたが言ったからここに居るんじゃない。私達みんなで決めたからここに居るんだよ。思いっきりやっちゃって!』
(アリシア、ホントにもう…ありがと。)
キッとなのはを見据える。
組み上げていたプログラムを相棒に送る。
古代ベルカ式魔法はミッドチルダ式の様にプログラムと魔力があれば起動する訳ではない。魔法に併せた資質が無ければ動かない。
起動用のプログラムは前に教えて貰って魔方陣も展開出来る。でも…
(リインフォースさん、お願い…力を貸してっ!)
胸にギュッと赤い宝石を握り力ある言葉を発する。
「遠き地にて…闇に染まれぇぇええっ!」
【Diabolic Emission】
直後彼女を中心に虹の光が周囲を埋め尽くした。
「なっ!」
「!?」
「うそっ!」
彼女の周囲を覆った虹の光を見たなのはとはやては目を疑う。
一方でシグナムとの戦闘を始めていた大人ヴィヴィオ、ゆりかごに居た大人アリシア、チェント、イクスヴェリアも息を呑む。しかし…
テレビの画面が砂嵐に変わったのを見てアリシアは
「全くもう…」
苦笑しながらも確信した。
「デアボリック・エミッション…どうして」
なのはが止まっている。フォートレスのシールドで防いだらしい。
本来は広域攻撃魔法、やっぱり私じゃそこまで使えない。でもこれで…
「我、使命を受けし者なり 契約のもと、その力を解き放て」
言葉を紡ぐ…
私が選んだ答えは正しいのかわからない。
それでもそんな私に全てを任せてくれた人が居る。
私を信じて支えてくれた人が居る。
「風は空に、星は天に、そして不屈の魂はこの胸に。」
だからその人達に答えたい。
それが私、聖王とか高町とかそう言うのじゃ無くて
「レイジングハート、セットアップ!」
私、高町ヴィヴィオなのだから。
【StandbyReady Setup. Armored module Full Drive Startup】
「レリック封印解除」
「「ユニゾンインッ!!」」
纏っていた鎧が弾け飛び、新たな光がヴィヴィオを包み形と成した。
「ごめんね…なのはママ。こうでもしないとこっちの私に迷惑かけちゃう…もうかけちゃってるけど…後でいっぱい謝ります。だからごめんね。」
そう言うと構えたなのは目がけて一気に距離を詰めた。
「ったく、そんな取っておき先に教えてよっ!」
闇の書の固有魔法、デアボリック・エミッションの発動には大人ヴィヴィオとシグナムも驚かされた。だが、ヴィヴィオの魔力が一気に上がったのに気づいて意図に気づく。
「こっちも行くよ! アリシアっ!チェント!」
聖王のゆりかごの中でもヴィヴィオの魔法に驚きつつもデアボリック・エミッションによって周囲のジャミングが成されて
「チェント」
「お姉ちゃん」
2人駆け寄って玉座の間に魔方陣を展開する。
『こっちも行くよ! アリシアっ!チェント!』
「了解、レイジングハート2nd・3rdのユニゾン、制限解除、増幅スタート」
アリシアがトリガーを押した直後、纏っていた服がバリアジャケットと騎士甲冑に切り替わった。
『了解、レイジングハート2nd・3rdのユニゾン、制限解除、増幅スタート』
返答と同時に膨大な魔力が一気に溢れ古代ベルカを模したジャケットが弾け騎士甲冑が身体を包む。
オリヴィエ・ゼーゲブレヒトの聖骸布から作られた同じ遺伝子を持つ2人のリンカーコアとレイジングハートの姉妹機として作られた2ndと3rdを介した多重同期システム。
2人のオーバーブーストによる1人じゃ制御出来ない魔力を高度な演算能力者が制御する事によってオーバーSを超える魔力を得る。
私とアリシアとチェントの3人が揃った時に使う事が出来る私達の奥の手
「それがお前の鎧か?」
「はい、お待たせしました。ここからは本気で行きますっ。」
「なのはっ!」
同じ頃、ミッドチルダ地上本部から猛スピードで飛び出す光があった。
~コメント~
AdventStoryの第1話でAdventには「出現する・到来する」という意味以外にもう1つ意味があると書いていましたがそれが今話の「降臨する」という意味です。
デアボリック・エミッションですがヴィヴィオははやてからプログラムと起動用の魔方陣をはやてに教えて貰っています。(AgainStory3第13話「目覚め」より)
大人ヴィヴィオのユニゾンについてはAffectStory~刻の移り人~番外編「記録を辿って」から久しぶりになります。
Comments