ヴィヴィオの日記帳 そのじゅうに

■がつ▲●にち

きょうはおそとがあめ
なのはままがくれたほんをいっぱいよんだよ
あったかくてふわふわなんだって
ざふぃーらもすっごくあったかくてふわふわなんだよ
ちょっといたかったけどすっごくきもちよかった
ざふぃーらまたいっしょにしようね

 その日、六課の外はしとしとと雨が降っていた。ヴィヴィオは外で遊べず少し退屈そうだったが、なのはから貰った絵本を読んでいた。
その近くで「守り役」のザフィーラは時折聞こえるページをめくる音を聞きながら横になっていた。
 ふとページをめくる音がやみ、何か視線を感じたザフィーラはふとヴィヴィオを見るとヴィヴィオもこっちを見ている。『手洗いか・・・』と体を起こしヴィヴィオが立ち上がるのを待っているがヴィヴィオはこっちを見たまま動かない。
 首を傾げてヴィヴィオに近づくとヴィヴィオの小さな手が背中の方へ向かい撫でだした。撫でられながらも更に首を傾げる

その瞬間、

「わぁ~~♪」

 嬉しそうにヴィヴィオが抱きついてきた。いきなりの事でどうしたのか全く判らないザフィーラはうぉっと慌てると

「あったか~い、ふわふわ~~♪」

 頬を胸あたりにすり寄せて気持ちよさそうに呟いている。危険は無いと判断し、大人しくされるがままになっていたザフィーラだったが、いきなり耳あたりを触られ無意識に前足を振り上げてしまった。 その足はヴィヴィオの肩に当たり

「イタッ」
 
 と少し離れるヴィヴィオ。

「すまぬ」

 謝るザフィーラに少し痛そうにしていたヴィヴィオが

「もっとふわふわしていい?」
「耳以外ならば・・・」

と渋々承諾した。再び抱きつくヴィヴィオに半ばため息をつきながらもされるがままになっていた。

 暫く経過した後

「ヴィヴィオ~良い子にしてたかな?」
「Zzzzz・・・Zzzzz・・・」
『済まぬがベッドに寝かしつけて貰えないだろうか・・』

 なのはが帰ってきて部屋をキョロキョロと探すと寝息がテーブルの横から聞こえてくる。
 そ~っと近づくとそこにはなのはに向かって哀願の瞳を向けるザフィーラとそのお腹を枕にして熟睡しているヴィヴィオがいた。


 翌日

トテトテトテトテ・・・・

トテトテトテトテ・・・

トテトテトテ・・・・

 昨日とはうって変わっての晴天の中、ヴィヴィオが隊舎と宿舎を走り回っていた。

「ヴィヴィオ~どうしたん?」

 偶然見つけたはやてが声をかけるとこっちに走ってくる。

「あっあのね、ザフィーラ探してるの、はやてさん知らない?」
「あ~ザフィーラはちょっと『川』に行ってるんよ、それよりもなのはちゃん探してたよ」
「うん!ザフィーラ戻ってきたら教えてね」

 ブンブンと手を振って宿舎に駆けていくヴィヴィオを見つめながら

「・・・・あの日記の書き方やと暫く戻って来れへんのとちゃうかな・・・多分」

純粋な笑顔がいやに眩しいとつくづく思うはやてだった。


~~こめんと~~
久しぶりのヴィヴィオの日記帳です。ある意味他愛のない話なのですが、『ある者』にとっては川を渡りかねない怖い話です(笑)
昔、ふわふわ~としてみたいなという思いはありましたが、あれはされる方にとっては結構辛いんでしょうね

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