AS41「オリヴィエと呼ばないで」
ある日、授業が終わり、アリシアは迎えに行ったチェントと一緒に研究所へ帰っていた。その途中で
「…あ……」
「ごきげんよう、アリシア、チェント」
「ごきげんよ~♪ おりう゛ぃえ」
「ごきげんよう…イクス」
イクスヴェリアとバッタリ遭遇してしまった。
そのまま会釈をして別れようと思っていたのだけれど彼女から
「イクスですよ~、アリシア、チェント少しお話しませんか?」
「…あ……」
「ごきげんよう、アリシア、チェント」
「ごきげんよ~♪ おりう゛ぃえ」
「ごきげんよう…イクス」
イクスヴェリアとバッタリ遭遇してしまった。
そのまま会釈をして別れようと思っていたのだけれど彼女から
「イクスですよ~、アリシア、チェント少しお話しませんか?」
と呼び止められてしまい、断ることも出来ず彼女について行った。
「すみません、昔なら王宮に招くなど出来たのでしょうが、今は養われている身ですので」
近くにあったカフェのテラスにアリシア達を座らせるとジュースとお茶を入ったカップを持って来た。
「いえ…どっちかって言うと驚いてます。凄く馴染んでいて…」
ジュースをチェントの前に置いて、アリシアの前にはイクスと同じお茶を置く。
「色々勉強しています。ここには時々来るんです。茶葉の香りが私達には懐かしい香りなんですよ。」
カップを取る。アリシアからすればあまり飲まないから何がどうというのがよくわからない。
(…ヴィヴィオも連れて来て飲んで貰おう)
そんなことを考えながら彼女が香りを楽しみ終わるのを待った。
「今日は騎士カリムの使いで少し離れた世界に行ってました。転送ゲートも凄いですが運航船も良いですね。」
「…カリムさんのお使いですか?」
「はい、何かを持って行ったり式典に参列したりですが月に2~3度行っています。」
彼女は今はどうであれ、昔はベルカと対立したガレア王家の王様…色んな意味でえらい人を使いに出すんだと思い突っ込みを入れようとしたが、【カリムの意図】が読めたのでそれ以上何も言わなかった。
その成果の1つがここの馴染み方なのだから。
「本当に素敵な世界です。大きな争いもなく平和な日々が流れている。」
嬉しそうに言う彼女にアリシアも少しわかった気がした。
事件に巻き込まれると日常が非日常になってしまう。
その時になって感じる。日常がどれだけ大切なのかを…慌ただしかった1ヶ月でもそう思うのだから、彼女にとってはもっと感じるところなのだろうと。
「イクス…あなたはどっちなんですか? 本当にイクスなんですか?」
彼女に会って聞きたかった。先の事件でアリシアは会っていた。異世界のイクスヴェリアに。
姿はよく似ていた。でも2人は全くと言って性格が違う。
馴染み方は暮らしている時間の長さでもあると思う。向こうの彼女は壁を作らずに全て受け入れている様な感じがするが、目の前の彼女はある程度まではそれを受け入れるが何処かで壁を作っている風な感じがしてしまうのだ。
そしてその壁は多分…
「はい、私は私です。それ以外にありません。」
「でも…本当は…」
「私は彼女から彼女の友人を見守る様に頼まれました。アリシアから見てヴィヴィオとチェントはどうですか?」
イクスはアリシアの言葉を遮って聞き返す。
「…チェントは…こんな感じで可愛い妹です。最初はちょっと大変でしたけど。今は私をお姉ちゃん、ママをお母さんって呼んでくれて。私達の方が舞い上がっちゃってあっちのチェントに怒られちゃいました。」
全部食べると夕食が食べられなくなるからとベーグルサンドを半分こにしたものを食べている。
「もっと人見知りするんじゃないかって心配しましたけど、もう全然で」
「ヴィヴィオは…もう色んな意味で凄いです。今までも凄いって思ってましたけど、今はもう追いつくとか追いつけないとかそういう世界じゃないって感じで…」
「………彼女に会ったからですか?」
「オリヴィエに会ったから…そう言われたらそうなのかも知れませんけど。私はそうは思ってません。会ってヴィヴィオは変わりました。あの魔法もよく使う様になったけど、使った先の世界のことも考えていて…悪い方へ向かっていたら倒れるまで無茶しちゃうのでそれは困ってます。」
「……アリシアは憎んでいませんか? 私や…彼女のことを」
イクスが恐る恐る聞いてくる。
きっとこれが聞きたかったのだろう。
「そうですね…私が憎んでいたら帰って真っ先にヴィヴィオの所に行って彼女のことを伝えてます。これが返事です。」
「私とママはあの魔法があったからここに居られます。ヴィヴィオが居てもあの魔法が無い世界だと私達は居ませんでした。ヴィヴィオが居てあの魔法が使えるようになったから私はここにいて妹と一緒に今はイクスとお茶してます。」
「オリヴィエが居たからヴィヴィオは前に進めた…そんなところもあるので、感謝はしてます。」
「あっ、でももしヴィヴィオやチェントに何かしたらその時は私も黙ってませんので、それだけは覚えていて下さいね。」
ニコッと笑って言う。
オリヴィエには前に伝えたのと同じ言葉。あの時は威嚇する為だったけれど今は違う。彼女も少しは信頼はしているから…
「わかりました、気をつけるように伝えますね。」
イクスは苦笑いをして答えた。
「難しい話はここまでにしておいて、ちょっと聞きたいんですけど…イクスってそれが普通なんですよね?」
「? はい、そうですが…それが何か?」
「いえ…私、あっちで怪我して歩けなくなった時に向こうのイクスに会ってて治癒魔法で治して貰ったんです」
「そうですか、向こうにも私が居たのですね。治癒魔法…彼女が使ったのですか?」
「ええ…凄く腕利きの治癒師だそうです。柔らかい感じで話しやすくて…言っていいのかわからないんですけど…オリヴィエさんと一緒にいるせいで周りから怖がられてません?」
「……はい? な、なんですかそれはっ!!」
バッと立ち上がった時、雰囲気が変わった。多分今はオリヴィエが出てきたらしい…
「私のせいで怖がられているとアリシアは言うのですか?」
なるほど…全く性格が違うし、この感じは以前居たオリヴィエとそっくりだ。
ペンダントを出して端末の中にある映像を見せる。
異世界のものだから出すと色々ややこしくなるので、ペンダントの中にしか残していない映像。
イクス(多分オリヴィエ)がのぞき込む。
「これ…あっちのイクスです。」
『はい、フーカさんそこに下ろして下さい。』
そのまま視線が動き膝あたりを触れるイクス。手からボンヤリと光が出ている。
『膝の…筋肉と幾つかの筋が切れちゃってます。暫く動かないで下さい、あっでも話しても大丈夫ですよ。』
『イクスは教会でも指折りの治療師だよ。こんな状況なのにアインハルトから頼まれて来てくれたんだ、感謝しろよ。…で、治療の代わりにお前達が何を考えてるのか教えて貰おうか。』
暫く会話やモニタ向こうでのニュースが流れているがイクスはジッとアリシアの膝に光を送っている。やがて光が消えると
『痛く…ありませんか?』
『はい、大丈夫です。イクスさん、ありがとうございました。』
視点が急に上がって縦に大きく動く。
「ここ、私が立ち上がってジャンプしてます」
『あの…イクスさんってイクスヴェリア様ですよね? マリンガーデン、海底遺跡で眠っていた。』
『はい。それが何か?』
不思議そうな顔で見ている。
『いえ、私が知ってる人と似てないなって思って』
『クスッ、『よく似てるね』じゃなくて『似てないね』なんですね♪』
『あっ、おかしいですね。似てないなって。』
ここで映像を止めた。
「どうですか? 私は全然雰囲気が違うと思ってるんですが…」
「確かに…周囲の者の視線は違いますね。それにあの魔法も…」
ウィンドウにじっと顔を寄せたまま凝視している。そして彼女の手は僅かに震えていた。
「向こうのイクスの方が何年か先ですし、私が言っていいのかわかんないですが、カリムさんの使いだけじゃなくてもう少し…身近な感じになった方が…イクスにとっても良いんじゃないかなと…」
アリシアが言ったのがトドメだったらしく
「えっ? あれっ?」
再び雰囲気は戻った。アリシアにも何となく2人の違いがわかった気がする。
「あの…オリヴィエ様、そんなに落ち込まなくても…居るせいでなんて思ってませんから…そうではなく、時間を見つけて治癒魔法の練習しましょう、ねっ、ねっ!」
「……暫く考えさせてと言われちゃいました…」
「すみません…」
「いえ、アリシアのせいではありません。むしろ感謝します。あっちの私に治癒魔法が使えたのですから私も使える筈です。それに…親しんでもらえる努力も…、ヴィヴィオにも出来るんですから私にも出来る筈です。」
そう言うと席を立って行ってしまった。
翌日…
「アリシア、イクス様について何か知らないか?」
研究所に帰って来たアリシアにチンクが聞いてきた。
「え?」
「いきなり魔法の練習をしたいとか、かわいい私服を用意して欲しいとか頼まれて何が起きたのかと教会内で騒ぎが起きているらしい…」
「はぁっ!?」
思わず素っ頓狂な声をあげてしまう。
「あっちの3人に聞いたら、アリシアは大笑いしてヴィヴィオとチェントはため息をついていた。アリシアに聞けば何かわかるかと思ったのだが…」
察するにあっちの見知らぬイクスは会った異世界のイクスに似ていて、こちらの彼女が違うという状況だろう。
「……全くもう…何考えてるのよ。ちょっと教会本部に行ってくる。」
後日からアリシアによる彼女達2人の意識改革が始まるのだけれどその結果が出てくるのは数年後の話である。
~コメント~
少し作業があって遅れてしまいました。
ヴィヴィオが全く登場しないのにヴィヴィオが話題になるという少し変わった組み合わせの話になってしまいました。
「イクスがイクスをみた時どんな反応をするか?」
VividStrikeでイクスが登場した時にふとこんなことを思って案だけ書いていたのが本話です。
立場上2人が出会うことはありませんが、互いに意識出来たら何か影響されるかも知れませんね。
話は変わりましてコミックマーケット94についてです。
後日静奈君からも告知があると思いますが、先日無事入稿しました。
場所は3日目 ヘ-10a 鈴風堂 です。
新刊 リリカルなのはASおもちゃ箱3 を頒布予定しています。
内容は今話を含むAS33話から今後掲載される話と書き下ろし編を収録した1冊になります。
本当はもう1冊用意していたのですが、大阪の地震と西日本豪雨の影響で静奈君が多忙になり、私も大雨の影響と本のデータを作る際に大失敗をしてしまいそちらを保留する形になりました。
こちらは後のイベントで出せると思います。
何か他にも色々準備しているそうです。
Tittwerを始めました。
https://twitter.com/ami_suzukazedou
SSについてとか活動についてとかを呟けたらいいなと思います。
「すみません、昔なら王宮に招くなど出来たのでしょうが、今は養われている身ですので」
近くにあったカフェのテラスにアリシア達を座らせるとジュースとお茶を入ったカップを持って来た。
「いえ…どっちかって言うと驚いてます。凄く馴染んでいて…」
ジュースをチェントの前に置いて、アリシアの前にはイクスと同じお茶を置く。
「色々勉強しています。ここには時々来るんです。茶葉の香りが私達には懐かしい香りなんですよ。」
カップを取る。アリシアからすればあまり飲まないから何がどうというのがよくわからない。
(…ヴィヴィオも連れて来て飲んで貰おう)
そんなことを考えながら彼女が香りを楽しみ終わるのを待った。
「今日は騎士カリムの使いで少し離れた世界に行ってました。転送ゲートも凄いですが運航船も良いですね。」
「…カリムさんのお使いですか?」
「はい、何かを持って行ったり式典に参列したりですが月に2~3度行っています。」
彼女は今はどうであれ、昔はベルカと対立したガレア王家の王様…色んな意味でえらい人を使いに出すんだと思い突っ込みを入れようとしたが、【カリムの意図】が読めたのでそれ以上何も言わなかった。
その成果の1つがここの馴染み方なのだから。
「本当に素敵な世界です。大きな争いもなく平和な日々が流れている。」
嬉しそうに言う彼女にアリシアも少しわかった気がした。
事件に巻き込まれると日常が非日常になってしまう。
その時になって感じる。日常がどれだけ大切なのかを…慌ただしかった1ヶ月でもそう思うのだから、彼女にとってはもっと感じるところなのだろうと。
「イクス…あなたはどっちなんですか? 本当にイクスなんですか?」
彼女に会って聞きたかった。先の事件でアリシアは会っていた。異世界のイクスヴェリアに。
姿はよく似ていた。でも2人は全くと言って性格が違う。
馴染み方は暮らしている時間の長さでもあると思う。向こうの彼女は壁を作らずに全て受け入れている様な感じがするが、目の前の彼女はある程度まではそれを受け入れるが何処かで壁を作っている風な感じがしてしまうのだ。
そしてその壁は多分…
「はい、私は私です。それ以外にありません。」
「でも…本当は…」
「私は彼女から彼女の友人を見守る様に頼まれました。アリシアから見てヴィヴィオとチェントはどうですか?」
イクスはアリシアの言葉を遮って聞き返す。
「…チェントは…こんな感じで可愛い妹です。最初はちょっと大変でしたけど。今は私をお姉ちゃん、ママをお母さんって呼んでくれて。私達の方が舞い上がっちゃってあっちのチェントに怒られちゃいました。」
全部食べると夕食が食べられなくなるからとベーグルサンドを半分こにしたものを食べている。
「もっと人見知りするんじゃないかって心配しましたけど、もう全然で」
「ヴィヴィオは…もう色んな意味で凄いです。今までも凄いって思ってましたけど、今はもう追いつくとか追いつけないとかそういう世界じゃないって感じで…」
「………彼女に会ったからですか?」
「オリヴィエに会ったから…そう言われたらそうなのかも知れませんけど。私はそうは思ってません。会ってヴィヴィオは変わりました。あの魔法もよく使う様になったけど、使った先の世界のことも考えていて…悪い方へ向かっていたら倒れるまで無茶しちゃうのでそれは困ってます。」
「……アリシアは憎んでいませんか? 私や…彼女のことを」
イクスが恐る恐る聞いてくる。
きっとこれが聞きたかったのだろう。
「そうですね…私が憎んでいたら帰って真っ先にヴィヴィオの所に行って彼女のことを伝えてます。これが返事です。」
「私とママはあの魔法があったからここに居られます。ヴィヴィオが居てもあの魔法が無い世界だと私達は居ませんでした。ヴィヴィオが居てあの魔法が使えるようになったから私はここにいて妹と一緒に今はイクスとお茶してます。」
「オリヴィエが居たからヴィヴィオは前に進めた…そんなところもあるので、感謝はしてます。」
「あっ、でももしヴィヴィオやチェントに何かしたらその時は私も黙ってませんので、それだけは覚えていて下さいね。」
ニコッと笑って言う。
オリヴィエには前に伝えたのと同じ言葉。あの時は威嚇する為だったけれど今は違う。彼女も少しは信頼はしているから…
「わかりました、気をつけるように伝えますね。」
イクスは苦笑いをして答えた。
「難しい話はここまでにしておいて、ちょっと聞きたいんですけど…イクスってそれが普通なんですよね?」
「? はい、そうですが…それが何か?」
「いえ…私、あっちで怪我して歩けなくなった時に向こうのイクスに会ってて治癒魔法で治して貰ったんです」
「そうですか、向こうにも私が居たのですね。治癒魔法…彼女が使ったのですか?」
「ええ…凄く腕利きの治癒師だそうです。柔らかい感じで話しやすくて…言っていいのかわからないんですけど…オリヴィエさんと一緒にいるせいで周りから怖がられてません?」
「……はい? な、なんですかそれはっ!!」
バッと立ち上がった時、雰囲気が変わった。多分今はオリヴィエが出てきたらしい…
「私のせいで怖がられているとアリシアは言うのですか?」
なるほど…全く性格が違うし、この感じは以前居たオリヴィエとそっくりだ。
ペンダントを出して端末の中にある映像を見せる。
異世界のものだから出すと色々ややこしくなるので、ペンダントの中にしか残していない映像。
イクス(多分オリヴィエ)がのぞき込む。
「これ…あっちのイクスです。」
『はい、フーカさんそこに下ろして下さい。』
そのまま視線が動き膝あたりを触れるイクス。手からボンヤリと光が出ている。
『膝の…筋肉と幾つかの筋が切れちゃってます。暫く動かないで下さい、あっでも話しても大丈夫ですよ。』
『イクスは教会でも指折りの治療師だよ。こんな状況なのにアインハルトから頼まれて来てくれたんだ、感謝しろよ。…で、治療の代わりにお前達が何を考えてるのか教えて貰おうか。』
暫く会話やモニタ向こうでのニュースが流れているがイクスはジッとアリシアの膝に光を送っている。やがて光が消えると
『痛く…ありませんか?』
『はい、大丈夫です。イクスさん、ありがとうございました。』
視点が急に上がって縦に大きく動く。
「ここ、私が立ち上がってジャンプしてます」
『あの…イクスさんってイクスヴェリア様ですよね? マリンガーデン、海底遺跡で眠っていた。』
『はい。それが何か?』
不思議そうな顔で見ている。
『いえ、私が知ってる人と似てないなって思って』
『クスッ、『よく似てるね』じゃなくて『似てないね』なんですね♪』
『あっ、おかしいですね。似てないなって。』
ここで映像を止めた。
「どうですか? 私は全然雰囲気が違うと思ってるんですが…」
「確かに…周囲の者の視線は違いますね。それにあの魔法も…」
ウィンドウにじっと顔を寄せたまま凝視している。そして彼女の手は僅かに震えていた。
「向こうのイクスの方が何年か先ですし、私が言っていいのかわかんないですが、カリムさんの使いだけじゃなくてもう少し…身近な感じになった方が…イクスにとっても良いんじゃないかなと…」
アリシアが言ったのがトドメだったらしく
「えっ? あれっ?」
再び雰囲気は戻った。アリシアにも何となく2人の違いがわかった気がする。
「あの…オリヴィエ様、そんなに落ち込まなくても…居るせいでなんて思ってませんから…そうではなく、時間を見つけて治癒魔法の練習しましょう、ねっ、ねっ!」
「……暫く考えさせてと言われちゃいました…」
「すみません…」
「いえ、アリシアのせいではありません。むしろ感謝します。あっちの私に治癒魔法が使えたのですから私も使える筈です。それに…親しんでもらえる努力も…、ヴィヴィオにも出来るんですから私にも出来る筈です。」
そう言うと席を立って行ってしまった。
翌日…
「アリシア、イクス様について何か知らないか?」
研究所に帰って来たアリシアにチンクが聞いてきた。
「え?」
「いきなり魔法の練習をしたいとか、かわいい私服を用意して欲しいとか頼まれて何が起きたのかと教会内で騒ぎが起きているらしい…」
「はぁっ!?」
思わず素っ頓狂な声をあげてしまう。
「あっちの3人に聞いたら、アリシアは大笑いしてヴィヴィオとチェントはため息をついていた。アリシアに聞けば何かわかるかと思ったのだが…」
察するにあっちの見知らぬイクスは会った異世界のイクスに似ていて、こちらの彼女が違うという状況だろう。
「……全くもう…何考えてるのよ。ちょっと教会本部に行ってくる。」
後日からアリシアによる彼女達2人の意識改革が始まるのだけれどその結果が出てくるのは数年後の話である。
~コメント~
少し作業があって遅れてしまいました。
ヴィヴィオが全く登場しないのにヴィヴィオが話題になるという少し変わった組み合わせの話になってしまいました。
「イクスがイクスをみた時どんな反応をするか?」
VividStrikeでイクスが登場した時にふとこんなことを思って案だけ書いていたのが本話です。
立場上2人が出会うことはありませんが、互いに意識出来たら何か影響されるかも知れませんね。
話は変わりましてコミックマーケット94についてです。
後日静奈君からも告知があると思いますが、先日無事入稿しました。
場所は3日目 ヘ-10a 鈴風堂 です。
新刊 リリカルなのはASおもちゃ箱3 を頒布予定しています。
内容は今話を含むAS33話から今後掲載される話と書き下ろし編を収録した1冊になります。
本当はもう1冊用意していたのですが、大阪の地震と西日本豪雨の影響で静奈君が多忙になり、私も大雨の影響と本のデータを作る際に大失敗をしてしまいそちらを保留する形になりました。
こちらは後のイベントで出せると思います。
何か他にも色々準備しているそうです。
Tittwerを始めました。
https://twitter.com/ami_suzukazedou
SSについてとか活動についてとかを呟けたらいいなと思います。
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