AS46「託された力」
「全部潰すか…おもしれぇ」
シュワルベフリーゲンを全部壊されたヴィータは笑みを浮かべて突進、真っ正面からヴィヴィオとぶつかった。
今度はカートリッジ1個を使ったラケーテンハンマーだ。
【ガキッ!】
堅い激突音がしてヴィヴィオは腕のハードシェル装甲で受け止めた。火花が散る。
普通のバリアジャケットで耐えられる攻撃じゃない。
シールド系の魔方陣も出ていないから何かある。
「何を隠してる、ヴィヴィオ!」
「秘密です。ここまでは手加減してました。でも…ここからは本気でいきます。ベルカ聖王としてそして…ヴィータさん達へ託された想いを持つ者のして。」
「何をっ」
「手加減しないで本気出来て下さい。じゃないと…直ぐに落とします。」
パンっと腕を弾いた瞬間ゾワっと背筋に寒気が走り一気に後ろへ引いた。
シュワルベフリーゲンを全部壊されたヴィータは笑みを浮かべて突進、真っ正面からヴィヴィオとぶつかった。
今度はカートリッジ1個を使ったラケーテンハンマーだ。
【ガキッ!】
堅い激突音がしてヴィヴィオは腕のハードシェル装甲で受け止めた。火花が散る。
普通のバリアジャケットで耐えられる攻撃じゃない。
シールド系の魔方陣も出ていないから何かある。
「何を隠してる、ヴィヴィオ!」
「秘密です。ここまでは手加減してました。でも…ここからは本気でいきます。ベルカ聖王としてそして…ヴィータさん達へ託された想いを持つ者のして。」
「何をっ」
「手加減しないで本気出来て下さい。じゃないと…直ぐに落とします。」
パンっと腕を弾いた瞬間ゾワっと背筋に寒気が走り一気に後ろへ引いた。
「ヴィータちゃん! どうしたんですか、まだこれからです!」
ヴィータ側のセコンドでリインが叫ぶ。しかしシグナムは彼女が引いた理由に気づいていた。
(ヴィータが気圧された? ヴィヴィオにか?)
当たれば1撃で落ちるジャケットで戦闘経験もそれ程ない相手に…
『おもしれぇ…こんなに面白いのは久しぶりだ。』
嬉しそうな声を聞いてシグナムは笑みを浮かべる。そんな程度で怯む彼女ではないのは誰よりも知っている。
「おもしれえ…ヴィヴィオ」
カートリッジを装填し3つ同時に使う。
爆発的な魔力を背に動いた。
「ァアアアッ!」
再び拳とぶつかる。魔力を高めてもヴィヴィオの装甲は破れない。
ヴィヴィオのパンチを受け止めた直後
「シュヴァルツェナハトっ!」
腕の外側から光の槍が打ち出された。
「なっ!?」
直撃を受けてヴィータが吹っ飛ばされ地面に叩きつけられた。
『ヴィータ空尉、直撃を受けて吹き飛ばされたーっ! 私には腕のジャケットから何かが出た様に見えたのですが…』
『はい、魔法が何かは知りませんが古代ベルカの槍射砲です。撮影時に闇の書として私がナハトヴァールとして使った武器です。槍射砲は物理兵器でしたがヴィヴィオが使ったんは魔法です…でもベルカにあんな魔法は見たことありません。』
『八神司令も知らない魔法ということは新しい魔法でしょうか?』
『それは…』
『違います。はやてさんだけが知らない魔法です。2人の戦いを見ていて下さい。』
アリシアが司会とはやての会話にインカムを通して遮った。
「ヴィータさん、まだまだこれからですよ。ミストルティン・シュピーゲル」
ヴィヴィオはベルカ式の魔方陣を広げて虹色の速射魔法を放つ。ヴィータの落ちた周りの地面にぶつかるとその部分が石化していく。
当たった場所とその周囲を石化する古代ベルカ式魔法。
ヴィータに当たるかと思われた瞬間、彼女は飛び出して来た。
「おもしれぇ攻撃してくれるじゃねえか。次はこっちから行くぞっ!」
思いっきり振りかぶって来たのを見て、ヴィヴィオは右手に虹色の刃を生み出して乱撃を全て弾いた。
「護の太刀、蛍火…です」
そのまま刃をヴィータめがけて放つ。
「エクスフィア…からのシュヴァルツェナハトですっ」
刃はヴィータに当たる瞬間に粒子の様に拡散し虹色の光に包まれた所でヴィヴィオの光の槍が炸裂した。
激しい激突音と煙をまきながらヴィータは再び地面に沈んだ。
魔力ランクAAのヴィヴィオに全く手が出せていない。
最初は盛り上げようとしていた司会は徐々に言葉が減り、なのはとはやてもヴィヴィオが何をしているのか理解出来ずこちらも言葉が減っていっ。
その頃、遠く離れた時間軸の異世界、海鳴市にあるグランツ研究所のリビングでは
「そろそろ戦技披露会が始まっている頃でしょうか?」
シュテルがお茶を飲みながら外を見上げて呟いていた。
「そうだな」
その横で同じお茶を飲む女性
「アインス、あなたも大変だったのではないですか? 特訓に1番長く付き合っていたのですから…」
「いや、我が主やグランツ研究所、T&Hの皆の応援があったからそれ程大変じゃなかったよ。」
「でもビックリしたよね。ヴィヴィオが突然やってきて特訓してくれって言われたのは、しかも前に来たおっきいヴィヴィオ達も一緒だったんだから」
レヴィが言う。
「でも、どうしてスキルカードを決めてたのかな? 八神堂のカードしか使えないのは兎も角、アインスのカードばっかり…シュテルやなのはのカードの方が使いやすいと思ってたんだけど。」
アリシアがジュースを飲みながら言う。
「あれは…多分スキルカードを通して何かを考えていたんだと思う。」
アインスはそう言いながら何となくヴィヴィオのしたい事に気づいていた。彼女の瞳には以前見た涙の理由があった気がする。
「うん、私もそう思うよ。でも…最後はマスターモードにならないと相手にならない位強くなっちゃうっていうのは予想外だったけど…」
フェイトがアリシアの横で苦笑いする。
「うん、でも強くなったからまたデュエルが楽しくなる。そうだよねシュテるん」
「はい、1人で勝ち逃げはさせませんよ。私も強くなります。」
「は~い、お待ちどうさま。王様と私の合作料理出来たよ~♪」
「不本意だがいい出来だ…すぐに1人で作ってみせるぞ」
アインスには膨れているディアーチェが年相応に子供らしく見えた。
「はやてのごはん♪はやてのごはん♪」
「こら、皆の前で行儀が悪い。全員の分を分けてからだ。」
「そうよ~、そうだ、私も今日みんなの為に…」
手元に置いたバスケットから何かを取り出そうとしているのを見て慌ててディアーチェがその手をバスケットから抜いて、バスケットを半ば奪うようにして下がった。
「!!待て、それは我らも被害を受ける。ヴィータもわかっておるな」
「ウンウン」
コクコクと頷くヴィータに全員が納得し彼女の手下りたのを見てホッと息をついた。
「沢山料理を運んで来ますよ~…みんなどうしたんです?」
「何か酷く疲れてるようだけど…マスターモードの影響かしら」
「そうではありません。気にしないで下さい。私も運ぶのを手伝います。料理をテーブルいっぱいに並べて他の料理が置けない位に」
「さんせ~」
「私もっ、アリシア」
「うんシグナムと見張ってるから大丈夫!」
「みんな酷くない?」
全員の笑い声を聞きながらアインスは再び窓から空を見上げた。
「ヴィヴィオ…頑張れ」
メインショップのメンバーによる特訓お疲れ様の打ち上げの最中皆の笑顔を見ながらアインスは呟いた。
一方、戦技披露会の戦闘エリアではヴィータが落ちて土煙が巻くのをヴィヴィオが空から見つめていた。
『ヴィータちゃん! 起きて下さいですっ』
リインがインカムを通してヴィータを呼んでいる。
「あの魔法は…我が主だけが知らない魔法だと…?」
ヴィヴィオの顔が大きく映される。彼女はジッとヴィータが落ちた先を見ている。
(…そんな魔法がベルカには…!)
頭の中でチリチリと何かが光景が見える。しかし色もなく形も曖昧で何なのかわからない。
『ガハッ!』
その時シグナムのインカムからヴィータの咳き込む声が聞こえた。
『ヴィータ、いけるか?』
『ああ、懐かしいのを見てつい油断した。シグナム…リイン、シャマルに伝えてくれ。終わったらアイツの…ヴィヴィオの治療を頼むってな。』
グラーフアイゼンで体を支える様にして立ち上がる。足は震えているし、騎士甲冑の帽子は既に失われてスカート部分もズタズタになっている。
しかし彼女の顔を見て
『ああ、わかった。』
止めることなく頷いた。
『警戒して…そろそろだよ。』
対戦中にアリシアはインカムを通して指示を出す。
『わかってる…』
少しヴィヴィオの声色も緊張してる。
「ここからが本番だから…何か気づいたらすぐ教えてね。」
もう1人のセコンドに声をかける。
「えっ? ヴィヴィオが強いのに驚いたけど、これで終わりじゃ…」
「終わりじゃないよ。こんなので終わってたら教導隊のトップなんて言われてない。ヴィータさんの…ヴォルケンリッターの本当の怖さはここからだよ。ヴィヴィオもわかってる。」
「これを引き出す為の奇襲作戦だから…」
「ヴィヴィオ、全くお前ってやつは…いつも驚かされてばっかりで…今のは極めつけだぞ。」
「ヴィータさん…」
「わかってる…思い出した。それを使うなら私は全力でぶちのめす! ヴォルケンリッター鉄槌の騎士ヴィータ、いくぞぉおおおお!」
飛び上がったヴィータは真っ正面からグラーフアイゼンを振り下ろす。ヴィヴィオも腕で防ぐが加速も付けていないのにヴィヴィオの腕が下がり表情を歪める。
そのまま反転して弧を描き右下から攻めるがそれをヴィヴィオは軌道を読んで避けようとする。しかしヴィータは体を縮ませて重心を変えて方向を変えた。狙われたのはヴィヴィオの左腕。
当たった衝撃で手を上げた状態になる。
「ダァァァリャアアッ!」
空いた左腹めがけて蹴りを放った。
「!?」
防ぐ間もなく蹴り落とされて今度はヴィヴィオが地面に落ちた。
『ヴィヴィオ、大丈夫?』
倒れているかと思っていたが、RHdが地面にぶつかる前にインパクトキャノン放って相殺したらしい。
『…流石にちょっと痛かった。でも平気…ここからだよね。』
『うん。ここからだよ。頑張って』
『勿論♪』
~コメント~
ASシリーズを通して経験してきたヴィヴィオだからこそ出来る事は?と考えた時自然とこの流れが生まれていました。
Tittwerを始めました。
https://twitter.com/ami_suzukazedou
SSについてとか活動についてとかを呟けたらいいなと思います。
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