03話 大切な想い
- キャロSS 守りたいものはありますか? > サブストーリー
- by ima
- 2008.03.26 Wednesday 18:57
「エ~リ~オ~く~ん♪」
ある日朝練が終わり宿舎に戻ろうとしていた時、エリオは突然呼び止められて振り返った。しかし、誰も居らず周りをキョロキョロと見ていると
「こっちこっち、上みて~」
再び聞こえた声の通り上を向くと少女が手を振っていた。確かトーリア博士の娘でキャリアと言っただろうか・・ペコリと頭を下げるとキャリアは思いがけない行動に出た。
「今行くからそこで待ってて~っ!」
と言って窓からヒョイと飛び出したのだ。
ある日朝練が終わり宿舎に戻ろうとしていた時、エリオは突然呼び止められて振り返った。しかし、誰も居らず周りをキョロキョロと見ていると
「こっちこっち、上みて~」
再び聞こえた声の通り上を向くと少女が手を振っていた。確かトーリア博士の娘でキャリアと言っただろうか・・ペコリと頭を下げるとキャリアは思いがけない行動に出た。
「今行くからそこで待ってて~っ!」
と言って窓からヒョイと飛び出したのだ。
「危ないっ!間に合うかっ!?」
エリオは慌てて駆け寄るが、そんな心配を余所にキャリアは窓の近くまで枝を伸ばしていた木に飛び移るとまるで軽業師の様に体を器用に使いながらポンッと降りてきた。
服についた葉っぱをポンポンと払い落とす。
「あまり心配させないでください。ドライエさん」
ホッと安心したのと、心配させた事を含めて少し強めに言ったつもりだったが、キャリアはあまり懲りた風でも無い
「あんなの家に居たときは普通だよ。それと・・キャリアって呼んでエリオ君♪」
一瞬大木の上にある家を脳裏に思い浮かべたが、そんな事もある筈も無くまさかと考えを振り払った。でも、どんな所に住んでいたのか少し気にかかる。
「でも、こっちではみんなビックリするから。ドライエさん」
「キ・ャ・リ・ア!そうね、あっあのねエリオ君明日って何か予定ある?八神さんにお休みって聞いたんだけど」
言われてふとエリオもスケジュールを思い出す。言われた通りオフシフトだったはず。
部屋の掃除の後はゆっくりと過ごそうと考えていた。体調管理も任務のうちだ。
「別に予定とかも無いですけど?どうして?」
「買い物に行くからつきあって欲しいんだけど・・・いい?ここに居るの2~3日だけだと思ってたんだけど、『結構長くなるから』って八神さんに教えて貰って・・色々足りないの。それと同い年なんだから敬語もダ~メ♪」
上目づかいで見上げるキャリアに一瞬ドキッっとしてしまう。さっきからずっと手玉に取られてばっかりだ。
買い物に付き合うのは断る理由も無いしこっちの世界に慣れていないキャリアを1人で買い物に行かせるのも心配だ。
「うん、いいです・・いいよ。じゃあ明日のこの時間くらいに待ち合わせでいい?」
「うん!ありがと」
キャリアは嬉しそうに答えると腕に抱きついて
「一緒にご飯食べようっ♪」
とそのまま宿舎へと向かった。
今まで会ったことの無いタイプの女の子だなと少し思いつつも、そんなに悪い気がせず何かくすぐったい様な感じがした。
だが、そのやりとりをしっかりと聞いていた少女がいた事に2人とも気付くことは無かった。
翌日、エリオは朝練での汗を流して身だしなみを整えてから昨日約束した場所で待っていた。そろそろ時間な筈だ。そう思い宿舎の方を見た時、ほぼ同時にドアが開いた。
「キャリア、それで・・どこに・・・え?」
「エリオ君待った~♪」
「・・・ゴメンね待たせちゃって」
キャリアに何が欲しいのか聞こうと振り向いたエリオの目に入ったのは嬉しそうなキャロ、そして対照的に少し沈んだ感じのキャリアだった。
キャロは時々驚く程の行動力を見せる時がある。多分何かがあったんだろうとキャリアが沈んでいる事の理由が判った気がした。
実のところ半分ほどエリオの予想は当たっていた。
食事を一緒に食べた後、キャリアがヴィヴィオの部屋に行こうとした時キャロから呼び止められ
「私もちょっと欲しい物あるんだ」
とキャリアに有無を言わせない迫力で半ば強引に一緒に行くことになったのである。
「・・・それでキャリア、何が欲しいの?」
折角ショッピングに行くのだから気を取り直して貰おうと明るく声をかける。気持ちを察してくれたのか
「え~っとね、服もそうだけど・・パジャマとか下着とか・・色々足りないの」
一瞬嫌な予感が過ぎった。ある意味キャロが一緒で良かったかも、ふとそう思う
「クラナガンはちょっと遠いし・・前に行った所の方がいいかな?キャロ」
「うん、ショッピングモールもあるし」
「ショッピングモール?」
聞き慣れない言葉だったらしくキャリアが聞くと
「えっと、色んなお店が沢山集まってるの。私もエリオ君も服は買うこと多いの」
「そうなんだ」
どんな所か想像しているみたいだが思い浮かばないらしい。管理世界でもそう言う店は少ないのかも知れない。
「行ってみれば判るよ。行こうキャリア・キャロ」
ここで話をしているより色々見て回った方が面白いだろう。そう思いエリオはキャリアに手を差し出した。嬉しそうに手を繋ぐキャリア。しかし
『エリオ君・・キャリアちゃんにすっごく優しいんだね』
『お兄ちゃん、キャリアの方がいいんだ・・・』
繋いで歩き出した直後いきなり念話がエリオに送られてきた。送った者はかなり違和感のある微笑みを浮かべてこっちを見つめている。
『だって、今日はキャリアに頼まれたから・・・』
『私がお願いしても手を繋いでくれなかったのに・・・』
『そうなんだ・・・私じゃダメなんだ・・』
キャロともう一人のキャロからほぼ同時に念話が送られてきて、かなり怖い。
『いや・・だから・・あのね?キャロも前の休暇で一緒に行ったよね』
『私・・知らない・・・』
本当にこういう所はそっくりなんだから!と思いつつもう片方の手をキャロに差し出した。
「キャロ・・・」
「うん!」
嬉しそうに繋ぐキャロ。エリオ自身、今日は何事も起きませんようにと祈ることしか出来なかった。
機動六課のある湾岸地区から列車で少し行った所にある街にその建物はあった。クラナガンへ勤める者が多く住む為、娯楽施設やその他の専門店が集まっている。
目的の場所へ辿り着いたキャリアはキョロキョロと辺りを見回している。
しかし・・・そのキャリアを手を繋いだままのエリオは疲れて・・いや、かなり疲れていた。
列車でここに来る最中、丁度2人分の空席を見つけたエリオはキャリアとキャロに
「ここ空いてるから座って」
と席を譲った。
「「2人分?エリオ(君)は?」」
「そんなに長くないし立ってるからいいよ」
声を合わせて聞いてきた2人にそう答えて近くで立つ事にした。
そう答えた瞬間、2人とも息を合わせた様に座席の両端に動いてエリオが座れる場所を作り。
「私達なら三人でも座れるよ♪」
「一緒に座ろ♪」
こうなれば嫌と言い切れないエリオの性格を見透かされたみたいで、大人しく座ることにした。座った瞬間、これもまた合わせたかの様にキャロもキャリアもくっついてきて。周りの人が失笑しているのをただ恥ずかしげに俯いてやり過ごすしか無かった。
次に駅で降りようとした時、キャリアが周りをキョロキョロみているのを見て手を差し出すと、少し照れながらキャリアは手を取り列車から降りた。
先に降りていたキャロはその光景に気付くと
『『キャリアばっかり!』』
笑みを浮かべたキャロが凄く怖かった。
「キャリア、何から見る?」
目を輝かせているキャリアに声をかけると我に返ったみたいで、考えながら
「服とか小物から。重いのとか大きいのは後の方が持って帰るの楽だし」
エリオは少し驚いた。大概の子供は欲しい物から順に買いに行きたがるのに、キャリアは持って帰る事も考えている。仕草は子供っぽい所があるが、しっかりと考えている事に感心した。多分キャリアやキャロに言えば同い年なのにと笑われるだろう。
「服は・・・3Fみたい」
「行こっエリオ・キャロちゃん」
嬉しそうに走っていくキャリアを見て来て良かったと思いつつ、置いて行かれそうになって慌てて後に続いた。
小一時間後、エリオは中の休憩出来る場所を見つけてフゥ~と息をついていた。
想像以上にキャロとキャリアが互いに意識しあっていたのをその時になってやっと気付いたのである。
「エリオ君、こんなのどうかな?」
「うん。似合ってる」
「エリオ、私のはどう?」
「うん、いいね・・・」
最初はどれを選んだら良いのか相談しに来ているのだと思っていた。しかし、徐々に競い合ったかの様に激化していき流石のエリオも下着を持ってこられた時は真っ赤になって
「僕も服見てくるっ」
と言い残して脱兎の如くその場から逃げ出した。
なんとか落ち着ける場所を見つけ、飲み物を片手にようやく一息をついたのである。模擬戦闘訓練でもここまで疲れないのに、何故かそれ以上に疲れていた。
『キャリアもそうだけどキャロがあんな事をするなんて、最初会った時は凄くおとなしそうだったからビックリした。でも、キャロの影響かな・・』
キャロの中のもう一人のキャロ、彼女はキャロと違いすごく積極的だった。困った時もあったが、本当は凄く優しい女の子だし何より自分やフェイト・フリードを助けてくれた。他の局員には判りづらいけど、何となくの仕草がキャロと違うから今はどっちなのかちょっとは判る気になっていた。
だが、今日は・・どっちか全然判らない。もしかしたら2人ともじゃないのか?と考えてしまう。
『キャリアは・・もしかすると撲よりキャロともっと喋ったり遊びたいのかも知れない・・』
キャリアとキャロの関係を見ていて何となくそう思った。六課は比較的女性局員が多い。勿論仲の良いメンバーもいるが、それでも全員が誰とでも談笑しているのを見ることがある。
エリオやキャロ位の年の子はいないので、キャリアが来たとき同い年のキャロと仲良くなると思っていた。でも・・
『キャリアとヴィヴィオ・キャロとヴィヴィオという組み合わせは見かけてもキャロとキャリアというのは滅多に見かけないかも。』
よくよく思いだして2人が談笑しているのを見たことないと思った。前に起こった事件でキャロはキャリアの為に彼女の父が起こしたことを知っている。エリオ自身もそうだったが、最初キャリアと彼女の父トーリアと接したとき少し複雑な心境だった。キャロは当事者だったからエリオ以上に複雑だったのかも知れない。
そして、もしかするとキャリアはその事を誰かから聞いていたとしたら、自分の為にキャロが犠牲になったかも知れない事とそれを踏まえてまで助けてくれた事で一線を引いているのかも知れない。
「エリオ、キャリアの事よろしくね」
「仲良くな」
「頑張ってね」
キャリアがやって来た時、フェイト・はやて・なのはに言われた事を思い出す。こんな風になる事を予想していたのかも、ふとそんな考えも過ぎった。
『僕は・・何が出来るんだろう・・・』
ふとそんな事を考えていると、突然エリオの首筋に冷たい物がピタッと触れた
「×●※☆▼!!!」
言葉にならない叫び声を上げ飛び上がった。振り向くとそこにはキャリアが立っている。
「ゴメン、呼んでも全然応えてくれないから・・驚いた?」
「うん・・・かなり。」
キャリアは隣に座りさっき首筋にあてた飲み物を美味しそうに飲み始める。もしかするとちょっと悪戯好きなのかも、そんな風に思うと怒らずに少し笑ってしまった。
「キャロは?」
「ん~多分、まだ服選んでるんじゃないかな?色々見てたし」
「そうなんだ、キャリアは?」
「私はもう買ったよ。これ、後で見せてあげる」
「うん、楽しみにしてる」
足下に置いた袋を見せてニコッと笑った。
丁度2人っきりになったので、エリオはさっき考えた事をそれとなく聞いてみることにした。
「キャリア、こっちの生活もう慣れた?困った事とか無い?」
「うん、みんな優しいし楽しいよ。それに」
「それに?」
「父さんの事教えてくれたし・・」
「!」
「エリオ・・・聞きたかったんでしょ?」
「・・・・え・・えっと」
「だって、ここでそんなの聞く事・・・幾つかしかないよ」
笑うキャリアを見て驚いた。まるでエリオの考えている事が見透かされた様に洞察力と読みの深さは同い年のそれを越えている。
まさか一言聞いただけで本筋を応えられるとは思っていなかった。
「うん・・それでキャロと・・・一緒に居ないの?」
聞いた言葉にキャリアが笑った
「クスッ、違うよ。私はキャロちゃんが気にしてるんじゃないかって思ってるの。私は見てないけどキャロはエリオやフェイトさん、フリードが怪我した所を見てるんだよね。家族を怪我をさせたのが父さんだったら娘の私と仲良くって思わないじゃない。仲良くしたいけど・・・」
キャリアも同じ事を考えている。
「それで・・僕を・・」
「うん、エリオ君は凄く優しいからエリオ君を通してだとキャロちゃんと今日みたいにお喋りしたり、一緒に見て回る事も出来るから。」
キャリアもキャロの事を自分なりに考えていたのだ。彼女なりの父が行った事についての償いなのかも知れない。でも、それは何か違うんじゃないかとも思える。
「キャリア、もしかして・・あの事件の事をずっと気にしてるの?」
聞きにくかった。でも、彼女は視線を逸らして頷いて応えてくれた。
「もっと良い方法があったかも知れないし、トーリア・・お父さんが取った方法が良かったとは思わない。でも、大切な人を守りたいって言うのは誰にでもあるから・・どう言えば良いかわかんないけど、キャリアがキャロから一歩離れるのは違うんじゃないかな」
「でも、キャロも私と一緒じゃない方が・・・」
自重気味にキャリアが呟いた。そこでエリオは何が言いたかったか気付いた。どうしてキャロとキャリアの間がぎこちなかったのか。2人とも相手のことを思いやりすぎてのすれ違いを起こしているのかも知れないと
「キャリアさえ良ければ、キャロと話しようよ。きっとキャロも同じように思ってるかも知れないから。絶対うまくいくから」
「うん、ありがとう。エリオ」
俯いていた顔を向けた時、キャリアの瞳から涙が溢れているのに気付いた。ずっと思い詰めていたのだろう。そっとハンカチで彼女の涙を拭うとドキッとするくらいいい笑顔が現れる。もう大丈夫だ・・
「あ~やっと見つけた!エリオ君・キャリアちゃん。」
丁度その時、キャロが2人を見つけてこっちにやって来た。気に入った服があったらしく手に袋を抱えている。
「続き見ようか」
「「うん」」
キャリアとキャロと3人で中を廻ることにした。
しかし、キャロとキャリアの間にある小さな溝に気付いてしまったエリオにはそれがずっと見えている気がしていた。
帰路の途中列車から降りた後、キャリアが突然キャロを呼び止めた。
「ねえキャロちゃん」
「なにキャリアちゃん」
「私・・もっとキャロちゃんとお話したい・・・だから・・キャロって呼んでもいいかな?」
列車の中で考えていたのだろう。その顔は真剣だった。キャロの方を振り返ると悩んでいる。
暫く無言の時が過ぎていく。キャリアとエリオの緊張の時が続いている
「うん・・・私も・・・・キャリアって呼んでいい?」
キャロが言った瞬間、キャリアはキャロに抱きついた。キャッと少し驚きの声を上げるが、キャロにも笑みが溢れていた。
「そ・れ・と!キャロに1つだけ言っておくことがあります♪」
キャリアがキャロから離れた後、突然言った。何だろう?キャロも判らないらしく互いに首を傾げる。
「キャロってエリオの事どう思ってるの?」
「「!!」」
さっきまでのいい雰囲気を完全に吹き飛ばした爆弾発言、しかも何と言うことを!!目の前のキャロもボンッという音がしそうな程一気に顔を真っ赤にして「アワワワ」言葉が出ない。多分エリオも顔が真っ赤になっているだろう。
「な・・何をっ・・!」
「だから、キャロはエリオの事どう思ってるの?って聞いたんだけど?どうなの?」
「それは・・同じチームでフェイトさんに助けて貰って・・それに訓練もしてて」
頭が空回りしているところを見るともうキャロ本人なのだろう。一瞬そんな風に確信を持てたが、今はそんな事を気にしている時じゃない。
「う~ん・・・じゃあキャロにとってエリオってお友達?恋人?」
「こっここここここっこいっ」
キャロが完全にパニックに陥った。少しだけ落ち着きを取り戻したエリオは
「キャリア・・その辺で止めない?キャロパニック起こして・・」
「エリオは黙ってて!キャロ?どうなの?友達?恋人?」
凄い迫力で黙らされてしまった。横目で見たキャロの慌てぶりがちょっと可哀想・・・
「えっと・・その・・家・・って・・あの・・家族・・みた・・い」
何とかそう応えたキャロにキャリアの笑みが浮かんだ。エリオは一度この【笑み】を見たことがある。そう抱きつかれた時の笑み。
「ふ~ん・・・そうなんだ・・・じゃあさっき言ってた事を発表します~」
ビッ!とキャロに人差し指を向けて
「私からの宣戦布告♪」
「せっ!?」
宣戦布告!?折角仲良くなったと思ったのに!何故?
エリオはキャリアとキャロの関係に光明が見えたと思っていたところでキャリアからの宣戦布告に驚いた。
一体何を考えているのか判らない。
「キャリア・・何を・・折角キャロと・・ンッ」
「こういう事っ!」
言いかけた中、突然キャリアの顔が近づいたと思ったら唇に暖かい感触が触れた。それも一瞬のことで驚く間も無くキャリアの顔が離れる。
それは・・・つまり・・キャリアが・・無意識にてを口に持っていく。
キャリアも少し頬が赤く染まっている。ふとそんなことを思っていると背後から恐ろしいまでの殺気を感じた。見るまでも無く誰かはっきり判る。
キャロ、さっきまで真っ赤になってたんじゃないの??と思わず言いたくなった。だが、この場で言うと火に油を注いでしまうだろうし聞いて貰える自信はない。
それを裏付けるには十分な殺気がキャロから出ている。
「キャ~リ~アっ!何て事をっ」
「キャ・・キャロ・・ちょっと落ち着いて話を・・わっ」
「エリオ、速く逃げよっ♪」
落ち着かせようと試みるエリオの手を取りキャリアは六課に向かって走り出した。
「まちなさいーっ!キャリアーっ」
背中に迫る恐怖の中、手を繋いで走るキャリアの笑顔はとても嬉しそうだった。
「エリオも隅に置けんな~」
「ちょっと心配だったけどこれで安心だね」
「良かった」
「うん、でも・・・」
「でも?」
「親子って似るもんやね~。なっなのはちゃん」
「!クスッ、そうだね。」
「親子?どういう事??」
「さーなのはちゃんうちらもご飯食べようか」
「うん、あっ、ヴィヴィオ一緒にご飯食べようね~」
「ちょちょっと!2人ともっ」
その夜、エリオはキャロの怒りを治められず部屋に入れて貰えなかった事でキャリアの部屋で眠ることになり更にキャロを怒らせたのは別のお話。
~~コメント~~
1ヶ月ぶりの更新になりました。スミマセン。
思いの外オリジナルキャラ「キャリア」の出番が多くてエリオもキャロも振り回されっぱなしだったかも知れません。今まで出番が少なかった反動でしょうか。キャリアのイメージはアリサとさくら(とらいあんぐるハート)が重なった様な感じです。
思慮深いけれど父の過ちを悔いていて、でも父が助けようとしてくれた事に自分自身も罪悪感を感じている。
キャロも少しばかり彼女なりに思っている事はあるのですが、それはまた次回にでも書かせて頂きたいと思います。
さて、少し遅くなった理由ですが今回のSSの元になっている
「まもりたいものはありますか」
が文庫版として出ることになりました。
読み返してみると、誤字脱字もさることながら色々と不文律も生まれていた事に穴があれば入りたい気持ちです。そこで年始から3月にかけてメインシナリオを変えずに、全パートに手を入れました。
4月末に行われる「コミック1★2」で初お目見えになると思いますのでよろしくお願いします。
Comments
エリオ君、モテモテの様に見えて回りを気遣いしすぎてエリオ君自身はすっごく心労を抱えているかもしれませんね。
久々の更新お待ちしておりました、此れからも頑張って下さい。