06話 「空への翼」
- リリカルなのは AgainSTStory > 1章 悪夢再び
- by ima
- 2010.03.27 Saturday 02:47
(本当にフェイトちゃんそっくり。)
子供の頃のフェイトにそっくりな女の子。
バルディッシュによく似たデバイスを持っていたし、何かのフィールド系魔法を使っていたみたいだった。
「奥にまだ人がいるんです。先に助けてあげて」
と言った後、呼び止める間もなく彼女はそのまま走っていってしまった。
追いかけようとも考えたけれど、彼女の言う通りまだ救助を待っている人がいる。それに彼女の向かった方にはレスキューも入ってきている。
そんな時、指揮所で情報統括・指揮をしているはやてから通信が届く。
子供の頃のフェイトにそっくりな女の子。
バルディッシュによく似たデバイスを持っていたし、何かのフィールド系魔法を使っていたみたいだった。
「奥にまだ人がいるんです。先に助けてあげて」
と言った後、呼び止める間もなく彼女はそのまま走っていってしまった。
追いかけようとも考えたけれど、彼女の言う通りまだ救助を待っている人がいる。それに彼女の向かった方にはレスキューも入ってきている。
そんな時、指揮所で情報統括・指揮をしているはやてから通信が届く。
『なのはちゃん、聞こえる? 今どの辺?』
『こちら教導隊01。はやてちゃん、今ターミナルに入ったところ』
『レスキューが入れん場所に取り残されてる子供がいるらしい。爆発音も何度か確認されてて急がんと危険な状態や。救助頼めるか?』
『了解っ』
なのはは頭を切り換えて空港の奥に向かって飛んだ。
「ハァァアアア」
ヴィヴィオとチェントの戦闘は通路から広い場所に移っていた。
2人とも杖型等のデバイスを持たないデバイス・レリックとの融合型
(鎧が守ってくれなくてもっ!)
今まで守ってくれていた聖王の鎧は彼女の攻撃から守ってくれない。でもヴィヴィオは気にしなかった。それ程彼女がしようとしたことに怒っていた。
「絶対許さないっ!!」
私から本を取る為に町の無関係な人達を人質に取った事、元の時間のママ達を友達を大切な人達を殺めた事、そして今ここでも…そうしようと来た事。
後になって思い返せば同一人物が目の前にいるのだからそれだけでも忌む存在になっていただろう。
重なった思い・憎しみが普段冷静だったヴィヴィオの心を怒り一色に染め始めていた。
チェントの放った魔力弾を片手で弾き飛ばし彼女に迫る。だがヴィヴィオの弾いた魔力弾がエントランスにあった像に直撃した。
悲鳴が聞こえ振り返る。
傾く像、その近くに居た少女が視界に入る。
「お父さん…お姉ちゃん…」
「スバルさんっ」
(ここエントランスっ? マズイ!!)
スバルに迫る像を見て我に返り、チェントに魔力弾を数発撃ち牽制しながらスバルの元へと飛んだ。
(間に合って! お願いっ!!)
強く願った瞬間、ヴィヴィオは一瞬の内にスバルの下に着いていた。
「さっきの…」
何が起きたのか? スバルの声でハッと気付いて6つの魔法弾を作り出す。
「黙って立ち上がらないで、じっとしてて。クロスファイアアア」
像に右手を向けて手を中心に魔力弾を集束させる。だが、ヴィヴィオの背後にチェントが立っていた。こっちを狙っている。
ヴィヴィオの後ろにはスバルがいるし、像も倒れかけている。
「邪魔しないでぇぇ!」
咄嗟に左手を伸ばし砲撃魔法を放った。
【ドォォオオオオン】
ヴィヴィオから出た虹色の光は一気にチェントへと伸び、彼女の砲撃魔法を呑み込みそのままエントランスホールの奥へと吹き飛ばした。
【ドォォオオオン】
「崩れ始めたっ!? レイジングハート急ぐよっ」
奥へと進むなのはは何かが崩れる音を聞き、フィンを更に広げ速度を速める。
「ハァッハァッ…」
何とか像は破壊した。チェントは…撃った先を見ても砲撃魔法で開いた穴しか見えない。
「ハァッハァッ…逃がしちゃった?」
肩で息をしながら辺りを探る。近くには居ないらしい。
スバルの方を振り向く、擦り傷はあるみたいだけど大怪我はしていないみたい。その様子にホッと息をついた。
「大丈夫? ごめんね…」
「…腕…」
スバルがヴィヴィオを指さして震えている。
左だけ肩から手先までバリアジャケットが吹き飛んでいた。無我夢中で放った砲撃魔法で吹き飛ばしてしまったらしい。
「え? ああ、大丈夫大丈夫。RHdお願い」
そう言うと瞬く間にバリアジャケットが元に戻る。そしてスバルの周りに防御フィールドを張って
「すぐに助けがくるからそれまで絶対この中から出ちゃダメだよ。」
そう言ってチェントを吹き飛ばした方へと飛んだ。
スバルが言った通りフィールドの中で止まっているのを見てヴィヴィオは安堵の息をついた。
(危なかった…もう少しで…)
もしあと少し気付くのが遅かったら…そう考えると灼熱の中なのに震えが止まらなかった。
『ヴィヴィオ、今どこ?』
『空港の中…エントランスの奥の方。スバルさんをさっき助けて今なのはママと一緒に出て行ったところ。』
ヴィヴィオはスバルから去るように見せかけて物陰にシールドを張って隠れていた。
なのはがスバルを見つけた後、まさかディバインバスターで一直線に出て行くとは思っても見なかったけれど、なのはとスバルが揃ってもチェントが襲ってこなかったから彼女のの狙いは退けられたようだ。
2人が出て行くのを見てからチェントの後を追ったけれど、ヴィヴィオの砲撃魔法によって開いた大穴しか見あたらなかった。
『今からそっちに行くね。アリシアどこに居るの?』
『私も今エントランスについた。おーい!』
『!!』
見ると向こうで手を振ってるアリシアがいた。周りの温度は既に800℃を越えている。
ヴィヴィオもバリアジャケットがないと大やけどで済まない位の熱さ、慌てて駆け寄る。
「アリシアーっ! どうしてここにっ、熱くないの? 私、火災が起きる前に逃げてって言ったよね?」
「よかった。ヴィヴィオデバイス起動できたんだ。私は大丈夫、シールド張ってるから…緊急用であんまり長い時間使えないんだけど」
よく見ると彼女の周りにシールドらしきものが見える。少し安心する。
それよりRHdを起動したの…どうして知っているの? もしかして…
「アリシアがしてくれたの? 解除」
顔も髪も服も煤で汚れていて怖い目にも遭ったはずなのに、そんなのを感じさせないくらい彼女はニコッと笑顔で答える。
「ありがとう…」
「イエイエ♪」
さっきと一緒で何でも無かった様な仕草を見てヴィヴィオはとても嬉しかった。
その時辺りの温度が急に下がり始めた。救出の終わったエリアをはやてが凍らせ消火しているのだろう。ここに残っているのはヴィヴィオ達だけ。
「戻ろう。私達の時間に」
「うん」
ヴィヴィオはアリシアの手を取り願った。
「元の時間に…」
ヴィヴィオが呟いた直後2人を光が包み、消えた時には2人の姿も消えていた。
小さい頃の私は弱くて泣くことしか出来なくて
「すぐに助けがくるからそれまで絶対この中から出ちゃダメだよ。」
炎の中、危ないのに助けてくれた女の子
「こちら教導隊01。エントランスホール内の要救助者女の子1名を救助しました。」
炎の中から助け出して、連れだしてくれた
助けてくれたあの人達は強くて優しくて、格好良くて
泣いているばかりで何も出来なかった少女の心に白いバリアジャケットを纏った2人の姿が強く印象つげられた。
そして彼女は心から思う
「強くなるんだ」と
高町なのはによって救助された少女-スバル・ナカジマが決めた魔導師への道、それに少女達が関わっていたのかは本人のみぞ知る。
『おはようございます。早速現場を呼んでみましょう。』
『はい、こちら現場です。火災は現在は鎮火していますが煙はまだ立ち上っている状態です。尚現在は…』
夜が明けあと少しで昼になろうかという時、なのは達は3人ともホテルのベッドで横になっていた。
現地指揮所で情報整理の後はやてと一緒に消火作業に参加した彼女のデバイス、リインフォースⅡに至っては完全に熟睡中。
モニタには空港火災のニュースが流れている。
空港が元通りになるまでは相当な時間がかかるだろう。でも災害規模に対して民間人は全員無事で良かった。
「あのな…なのはちゃん、フェイトちゃん…」
さっきはやてが話してくれた少数精鋭のエキスパート部隊、彼女が望むなら私も一緒に進みたい。いつ実現するかわからないけれど、彼女ならきっと作る。微睡みの中でなのははそんな事を考えていた。
ふと空港に入った時の事を思い出す。
(エントランスホールにいた女の子を守ってたフィールド、見覚えあるんだけど…どこで見たんだろう)
エントランスホールへ入った時、像の残骸の横でスバルを守っていたフィールドは虹色の光を放っていた。
魔法色は魔導師それぞれが違う色を持つ。脳裏に1人の少女が浮かぶ。同じ色の魔法を使う少女、もしかして彼女が…彼女だったら隠れなくてもいいし、少女を残して行ったのも変だと思い考え直した。
(そう言えば…女の子)
「ねぇ、フェイトちゃん。変な事聞いていい?」
「何?なのは」
枕に顔を突っ伏して横になっているフェイトがこっちを向く。
「あのね…フェイトちゃん子供っていたりする? 小学生くらいの女の子」
ガバッと飛び起きるフェイト。顔は真っ赤だ。
「そ、そそんなわけ無いじゃない!!」
「ゴメンゴメン、昨日空港の中でそっくりな子に会ったんだ。昔の…会ったばかりの頃のフェイトちゃんにそっくりな女の子。でも後で救助者リストを探しても見つからなくて…」
「ほ~う、それは聞き逃せへんな♪ フェイトちゃん心当たりは? 素直に教えてくれたら今なら軽めに流しますよ~♪」
良いネタを手に入れたとばかりニヤリと笑うはやて
「はやてまでっ!! 小学生くらいって、私いつママになったのよっ」
「そうだよね。ゴメンゴメン」
「もうっ! でも…私も会いたかったな、その女の子に」
「なんやつまらん…フェイトちゃんの子やったらパパは誰かって聞きたかったのに、ホントの事教えて…」
「はやて~っ!!」
「冗談やって、キャハハッ。そこ弱いんやからっ」
フェイトが彼女そっくりな少女と会うまであと数年かかるのだが、今の彼女達が知る由もなかった。
~~コメント~~
ヴィヴィオがもしなのはStrikerSの世界にやってきたら?
ということでなのはStrikerS第01話とのリンクです。
変えてはいけない出来事と変えなければいけない出来事、時間を行き来出来る話を考えた時から付いてきた話です。
ヴィヴィオがどんな風に動いてくれるかを書きながら楽しみにしています。
『こちら教導隊01。はやてちゃん、今ターミナルに入ったところ』
『レスキューが入れん場所に取り残されてる子供がいるらしい。爆発音も何度か確認されてて急がんと危険な状態や。救助頼めるか?』
『了解っ』
なのはは頭を切り換えて空港の奥に向かって飛んだ。
「ハァァアアア」
ヴィヴィオとチェントの戦闘は通路から広い場所に移っていた。
2人とも杖型等のデバイスを持たないデバイス・レリックとの融合型
(鎧が守ってくれなくてもっ!)
今まで守ってくれていた聖王の鎧は彼女の攻撃から守ってくれない。でもヴィヴィオは気にしなかった。それ程彼女がしようとしたことに怒っていた。
「絶対許さないっ!!」
私から本を取る為に町の無関係な人達を人質に取った事、元の時間のママ達を友達を大切な人達を殺めた事、そして今ここでも…そうしようと来た事。
後になって思い返せば同一人物が目の前にいるのだからそれだけでも忌む存在になっていただろう。
重なった思い・憎しみが普段冷静だったヴィヴィオの心を怒り一色に染め始めていた。
チェントの放った魔力弾を片手で弾き飛ばし彼女に迫る。だがヴィヴィオの弾いた魔力弾がエントランスにあった像に直撃した。
悲鳴が聞こえ振り返る。
傾く像、その近くに居た少女が視界に入る。
「お父さん…お姉ちゃん…」
「スバルさんっ」
(ここエントランスっ? マズイ!!)
スバルに迫る像を見て我に返り、チェントに魔力弾を数発撃ち牽制しながらスバルの元へと飛んだ。
(間に合って! お願いっ!!)
強く願った瞬間、ヴィヴィオは一瞬の内にスバルの下に着いていた。
「さっきの…」
何が起きたのか? スバルの声でハッと気付いて6つの魔法弾を作り出す。
「黙って立ち上がらないで、じっとしてて。クロスファイアアア」
像に右手を向けて手を中心に魔力弾を集束させる。だが、ヴィヴィオの背後にチェントが立っていた。こっちを狙っている。
ヴィヴィオの後ろにはスバルがいるし、像も倒れかけている。
「邪魔しないでぇぇ!」
咄嗟に左手を伸ばし砲撃魔法を放った。
【ドォォオオオオン】
ヴィヴィオから出た虹色の光は一気にチェントへと伸び、彼女の砲撃魔法を呑み込みそのままエントランスホールの奥へと吹き飛ばした。
【ドォォオオオン】
「崩れ始めたっ!? レイジングハート急ぐよっ」
奥へと進むなのはは何かが崩れる音を聞き、フィンを更に広げ速度を速める。
「ハァッハァッ…」
何とか像は破壊した。チェントは…撃った先を見ても砲撃魔法で開いた穴しか見えない。
「ハァッハァッ…逃がしちゃった?」
肩で息をしながら辺りを探る。近くには居ないらしい。
スバルの方を振り向く、擦り傷はあるみたいだけど大怪我はしていないみたい。その様子にホッと息をついた。
「大丈夫? ごめんね…」
「…腕…」
スバルがヴィヴィオを指さして震えている。
左だけ肩から手先までバリアジャケットが吹き飛んでいた。無我夢中で放った砲撃魔法で吹き飛ばしてしまったらしい。
「え? ああ、大丈夫大丈夫。RHdお願い」
そう言うと瞬く間にバリアジャケットが元に戻る。そしてスバルの周りに防御フィールドを張って
「すぐに助けがくるからそれまで絶対この中から出ちゃダメだよ。」
そう言ってチェントを吹き飛ばした方へと飛んだ。
スバルが言った通りフィールドの中で止まっているのを見てヴィヴィオは安堵の息をついた。
(危なかった…もう少しで…)
もしあと少し気付くのが遅かったら…そう考えると灼熱の中なのに震えが止まらなかった。
『ヴィヴィオ、今どこ?』
『空港の中…エントランスの奥の方。スバルさんをさっき助けて今なのはママと一緒に出て行ったところ。』
ヴィヴィオはスバルから去るように見せかけて物陰にシールドを張って隠れていた。
なのはがスバルを見つけた後、まさかディバインバスターで一直線に出て行くとは思っても見なかったけれど、なのはとスバルが揃ってもチェントが襲ってこなかったから彼女のの狙いは退けられたようだ。
2人が出て行くのを見てからチェントの後を追ったけれど、ヴィヴィオの砲撃魔法によって開いた大穴しか見あたらなかった。
『今からそっちに行くね。アリシアどこに居るの?』
『私も今エントランスについた。おーい!』
『!!』
見ると向こうで手を振ってるアリシアがいた。周りの温度は既に800℃を越えている。
ヴィヴィオもバリアジャケットがないと大やけどで済まない位の熱さ、慌てて駆け寄る。
「アリシアーっ! どうしてここにっ、熱くないの? 私、火災が起きる前に逃げてって言ったよね?」
「よかった。ヴィヴィオデバイス起動できたんだ。私は大丈夫、シールド張ってるから…緊急用であんまり長い時間使えないんだけど」
よく見ると彼女の周りにシールドらしきものが見える。少し安心する。
それよりRHdを起動したの…どうして知っているの? もしかして…
「アリシアがしてくれたの? 解除」
顔も髪も服も煤で汚れていて怖い目にも遭ったはずなのに、そんなのを感じさせないくらい彼女はニコッと笑顔で答える。
「ありがとう…」
「イエイエ♪」
さっきと一緒で何でも無かった様な仕草を見てヴィヴィオはとても嬉しかった。
その時辺りの温度が急に下がり始めた。救出の終わったエリアをはやてが凍らせ消火しているのだろう。ここに残っているのはヴィヴィオ達だけ。
「戻ろう。私達の時間に」
「うん」
ヴィヴィオはアリシアの手を取り願った。
「元の時間に…」
ヴィヴィオが呟いた直後2人を光が包み、消えた時には2人の姿も消えていた。
小さい頃の私は弱くて泣くことしか出来なくて
「すぐに助けがくるからそれまで絶対この中から出ちゃダメだよ。」
炎の中、危ないのに助けてくれた女の子
「こちら教導隊01。エントランスホール内の要救助者女の子1名を救助しました。」
炎の中から助け出して、連れだしてくれた
助けてくれたあの人達は強くて優しくて、格好良くて
泣いているばかりで何も出来なかった少女の心に白いバリアジャケットを纏った2人の姿が強く印象つげられた。
そして彼女は心から思う
「強くなるんだ」と
高町なのはによって救助された少女-スバル・ナカジマが決めた魔導師への道、それに少女達が関わっていたのかは本人のみぞ知る。
『おはようございます。早速現場を呼んでみましょう。』
『はい、こちら現場です。火災は現在は鎮火していますが煙はまだ立ち上っている状態です。尚現在は…』
夜が明けあと少しで昼になろうかという時、なのは達は3人ともホテルのベッドで横になっていた。
現地指揮所で情報整理の後はやてと一緒に消火作業に参加した彼女のデバイス、リインフォースⅡに至っては完全に熟睡中。
モニタには空港火災のニュースが流れている。
空港が元通りになるまでは相当な時間がかかるだろう。でも災害規模に対して民間人は全員無事で良かった。
「あのな…なのはちゃん、フェイトちゃん…」
さっきはやてが話してくれた少数精鋭のエキスパート部隊、彼女が望むなら私も一緒に進みたい。いつ実現するかわからないけれど、彼女ならきっと作る。微睡みの中でなのははそんな事を考えていた。
ふと空港に入った時の事を思い出す。
(エントランスホールにいた女の子を守ってたフィールド、見覚えあるんだけど…どこで見たんだろう)
エントランスホールへ入った時、像の残骸の横でスバルを守っていたフィールドは虹色の光を放っていた。
魔法色は魔導師それぞれが違う色を持つ。脳裏に1人の少女が浮かぶ。同じ色の魔法を使う少女、もしかして彼女が…彼女だったら隠れなくてもいいし、少女を残して行ったのも変だと思い考え直した。
(そう言えば…女の子)
「ねぇ、フェイトちゃん。変な事聞いていい?」
「何?なのは」
枕に顔を突っ伏して横になっているフェイトがこっちを向く。
「あのね…フェイトちゃん子供っていたりする? 小学生くらいの女の子」
ガバッと飛び起きるフェイト。顔は真っ赤だ。
「そ、そそんなわけ無いじゃない!!」
「ゴメンゴメン、昨日空港の中でそっくりな子に会ったんだ。昔の…会ったばかりの頃のフェイトちゃんにそっくりな女の子。でも後で救助者リストを探しても見つからなくて…」
「ほ~う、それは聞き逃せへんな♪ フェイトちゃん心当たりは? 素直に教えてくれたら今なら軽めに流しますよ~♪」
良いネタを手に入れたとばかりニヤリと笑うはやて
「はやてまでっ!! 小学生くらいって、私いつママになったのよっ」
「そうだよね。ゴメンゴメン」
「もうっ! でも…私も会いたかったな、その女の子に」
「なんやつまらん…フェイトちゃんの子やったらパパは誰かって聞きたかったのに、ホントの事教えて…」
「はやて~っ!!」
「冗談やって、キャハハッ。そこ弱いんやからっ」
フェイトが彼女そっくりな少女と会うまであと数年かかるのだが、今の彼女達が知る由もなかった。
~~コメント~~
ヴィヴィオがもしなのはStrikerSの世界にやってきたら?
ということでなのはStrikerS第01話とのリンクです。
変えてはいけない出来事と変えなければいけない出来事、時間を行き来出来る話を考えた時から付いてきた話です。
ヴィヴィオがどんな風に動いてくれるかを書きながら楽しみにしています。
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