06話 「空への翼」

(本当にフェイトちゃんそっくり。)

 子供の頃のフェイトにそっくりな女の子。
 バルディッシュによく似たデバイスを持っていたし、何かのフィールド系魔法を使っていたみたいだった。

「奥にまだ人がいるんです。先に助けてあげて」

 と言った後、呼び止める間もなく彼女はそのまま走っていってしまった。
 追いかけようとも考えたけれど、彼女の言う通りまだ救助を待っている人がいる。それに彼女の向かった方にはレスキューも入ってきている。
 そんな時、指揮所で情報統括・指揮をしているはやてから通信が届く。
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05話 「絆ふたたび」

「こんなに火の周りが速いなんて…」

 さっきまでの雑踏が嘘のよう。
 声の代わりに炎の燃えさかる音が四方から聞こえ、黒煙も相まって本当にここが空港だったのかと思うほど周りが見えない。
 聖王の鎧のおかげでヴィヴィオは炎に包まれた空港の中でも何とか歩き回れる。
 鎧越しに届く熱はヒリヒリと肌を焦がす様で今すぐにでも逃げ出したい。でもスカリエッティとチェントがこの時間に来たのなら必ずここに来るという確信があった。
 歩き回りながらチェントを探す。
 その時炎で壊れていく物音の中に声が聞こえる。
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04話 「必然の出会い」

「ここは…空港・・・だよね?」

 ヴィヴィオ達が来たのは人が行き交っているエリアだった。
 大きな荷物を持って行き交う人々や職員が誘導していたりと雑踏めいている。
 他管理世界行きの転送ゲートへの案内表示や近隣世界との定期運行船、奥には管理局艦船の姿も見える。

「空港…でもこんな空港あったかな?」

 初めて見る空港の様子に少し戸惑う。遠くに見える山や海岸線はどこかでみた覚えがあるけれど、それがどこで見たのか思い出せない。
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03話 「支える者・支えられる者」

「ヴィヴィオっ!」

 ぼう然としていたヴィヴィオは呼ぶ声が聞こえ振り向く。
そこにいたのは

「アリシアっ!? どうして」
「あっちで服見てたらいきなりこんな風に変わっちゃうし、みんな居なくなっちゃうし…何が起きているの?」
(他にも残ってた…私以外にも…)
「アリシア…アリシアぁぁあああっ!!ワァァァアアアアッ」

 1人になった寂しさ、それ以上にこんな状態にした辛さに耐えきれずアリシアに抱きついて泣きじゃくった。
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02話 「もう1人のマテリアル」

 アリシアが高町邸に身を寄せて数日が経った。
 ヴィヴィオも新たな家族に慣れてきた頃、高町家ではちょっとした問題が起きていた。

「アリシアっ!! 起きて、もう朝だよっ!!」
「…あと5分…」

 普段は持ち前の明るさや誰にでも優しくて同学年や低学年に人気がある彼女
 でも…

「朝ご飯食べられなくなっちゃうよ」
「…じゃあ…あと1時間…」
「1時間って、遅刻しちゃう!! アリシアってば!」
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