「…捕まえたっ」
「長距離転送」
「目標、軌道上」
「「「転送っ!!」」」
なのは達の砲撃魔法によってコアを露出された防御プログラムがアースラの前に転送された。
コアの飛んでいく先をヴィヴィオは見守る。この後、アルカンシェルの直撃を受けるのだ。
『そこの方。管理局の方。そこにいる子の保護者八神はやてです』
「はやてちゃん!?」
「はやて!」
魔導書から突然聞こえた念話にヴィヴィオは驚いた。
『なのはちゃん、ヴィヴィオちゃん!?』
「そうだよ。色々あって闇の書さんと戦ってるの」
(はやてが目覚めてる…もしかして…)
(ここは? 私、さっきまで闇の書と…)
ヴィヴィオが気がついた時、そこは真っ暗な空間だった。
しかし直ぐに辺りの風景が変わった。
「フェイトっ!」
「アルフ、来ちゃダメっ!」
目の前にもう1人の私とフェイトが現れる。
(私? 違う、ここは海鳴の公園…)
目の前でフェイトが消えた…
私を助ける為に…庇って消えた…
私は間違ったの…?
フェイトママは消えちゃうの?
消した闇の書に対する怒りが心の奥底から暗い澱みを生み出した。
「うわぁぁぁぁぁあああっ!!」
ヴィヴィオから魔力の溢れ暴れ始めた。
「…なに…アレ…」
ヴィヴィオは走っていては間に合わないと思い、RHdを使い市街地まで飛んできた。
その途中、ビルの屋上で異常な魔力反応に気付いて近くのビルに隠れ様子を窺っていた。
「わぁぁぁぁあああああっ!」
叫ぶはやての声と共に魔力の反応が増大してゆく。彼女の変わりゆく姿を見て呆然とする。
「アレが…ロスト…ロギア、なの?」
「遅くなっちゃった、急いで戻らないとっ!」
図書館で本に熱中している間になのはと約束していた時間が大幅に過ぎているのに気付いてヴィヴィオは家へと走っていた。
先日、すずかとアリサと一緒に案内して貰っている間、ヴィヴィオもはやてに何かプレゼントしたいと思って小さなウサギのぬいぐるみを買ってすずかに預けた。
今頃すずかとアリサはなのはとフェイトと一緒にはやての病室へ行った頃。
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