異世界での特訓の1日目、日が落ちてディアーチェの作ってくれた料理を食べてそろそろ寝ようかとしていた時
「ヴィヴィオ、あっちの事件のこと教えてよ。」
「私達から出来るアドバイスもあるかと」
テントの中でシュラフに入ったヴィヴィオはレヴィとシュテルから聞かれて知っている事を話した。
「あちらのユーリは生命操作系の魔法を使うのですが…、ヴィヴィオには天敵ですね。」
「聖王の鎧では防御出来ないからな…その上でエグザミアが目覚めれば貴様の全力でも太刀打ち出来ぬだろう。」
「レヴィ、みんな逃げてっ!!」
アリシアが叫ぶ。突然現れた男に指揮船の管制室でも動揺が走った。
只でさえユーリとの激戦が終えて魔力が消耗した状態のレヴィ達の前に現れた彼は未知数。
しかしアリシアの声が届く前に男はとんでもない速度で4人に迫る。それにレヴィやディアーチェ、ユーリは反応が出来ていない。
唯一シュテルが身構える。
「シールド?」
シュテル達と男の動きが止まった。
切られると思ったシュテルの前にシールドが現れ男の攻撃を防いでいたのだ。
「フォートレス?」
局員の誰かが呟く。しかしフォートレスを持っているなのはとはやてはオールストン・シーで警戒任務についている。
アリシアは指揮船の中を移動し、情報を統括している管制室へと入った。エイミィに何が起きているのかをリアルタイムで知りたいと頼んだのだ。
「もう始まってる…」
大型モニタを見つめ呟く。中では管理局と増えたイリスとの戦闘が始まっていた。
シャマルとザフィーラが大型機動外殻、エクスカベータを攻撃する。
ヴィータが武装局員を護りながらイクスと思われる女性と戦っている。
なのはとはやてはユーノと協力してオールストン・シーに現れたイリス達とエクスカベータを攻撃、捕縛している。
(みんな…魔力量が上がってる?)
一見しただけで全員の魔力出力が元世界に近い事に驚いていた。そこへ
時空転移で使うストレージデバイス、刻の魔導書はそれぞれの時間軸に存在している。
その魔導書同士を繋いで転移する魔法が【虹の扉】
ヴィヴィオは悠久の書で使って大人アリシアの時間軸、通信している時間に飛んだ。
「っと、ここは研究所前?」
降りたのはプレシアの研究所前だった。
通信中の大人アリシアの背後に見えていたのはプレシアの研究室みたいだったから中に居るのだろう。そう思ってエントランスから入ろうと歩いていると
「ヴィヴィオ、こっちで~す。」
建物の横から女性が走ってきた。その姿を見て私には誰か直ぐにわかった。
「ユーリ♪、おっきく…じゃなくてすごく綺麗になった!」
「な、なんでアリシアさんが出るのっ!?」
『それはこっちの台詞よ。何? どうやって通信してるの!?』
お互いに驚き過ぎて素っ頓狂な声をあげるヴィヴィオと大人アリシア。
「夜天の書の紙片に通信プログラムみたいなのがあってそれを使ったら繋がったの。そっちは?」
『こっちは誰からか判らない通信コールが来たから受けただけ。間違って繋がっちゃったんだ。今度遊びに来た時にでも術式教えてよ。ヴィヴィオも居ないし私も今は仕事中だから…じゃあまたね』
「ま、待って!! アリシアに聞きたい事があるの、ママは?」
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