第45話(最終話)「幾つもの世界を経て」

「これ…本当にヴィヴィオがしたの?」

 翌朝、なのははフェイトやルーテシアを伴って昨日の場所に来ていた。薄暗かったからストライクスターズで岩山が吹き飛んで穴が出来ただけだと思っていたけれど…
 明るくなった状態で見ると思っていた以上に凄まじい状態になっていた。
 巨大なクレーターの中に水が流れ込んで小さな湖になっていたのだ。
 周りには岩山だった物の残骸が付近に散らばっていて、放たれた魔法の威力を感じさせた。
 当の本人は帰り支度をアリシアと一緒に行っている。終わり次第念話を送って貰って、聖王化を見せる事になっている。

 
 
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第44話「夏休みの目的」

「じゃあ練習に戻ろっか、でも今日は魔法を使わないでね。」

 ミウラとの話も終わり、なのははミウラに声をかけた。

「はい♪」
「ミウラちゃんは先に行ってて。私はヴィヴィオと少し話があるから」

 ヴィヴィオも一緒に練習に戻ろうと椅子から立ち上がったけれど、彼女はヴィヴィオを引き留める。ミウラはペコリと頭を下げて部屋から出て行った。
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第43話「スターズvsスターライト」

「魔力計測値は…Sランク! ヴィヴィオ、プログラムで調整するよ。そのままじゃ魔力量に差がありすぎるから。少し重くなるけど我慢して」

 なのははレイジングハートを通してヴィヴィオの魔力量を確認する。
 この前は一瞬だけ見ただけだったけど彼女とミウラでは魔力保有量に差がありすぎる。
 さっきの質問はこの為だったのだ。

(ヴィヴィオ…さっきベルカ聖王って言った。自分が聖王家の子孫なのを受け入れてるんだ…)
「うん、わかった♪」

 
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第42話「僅かな希望」

 こっちの世界に来てから6日目の朝、ヴィヴィオが起きてくるとキッチンではメガーヌとなのはが2人で朝食の準備をしていた。
 キョロキョロと辺りを見るがフェイトの姿が見当たらない。

「おはようございます。あれ? フェイトママは?」
「おはようヴィヴィオ、フェイトちゃんは空港まで迎えに行ってるの。練習に参加したいって子がいるから」

 誰だろう? 首を傾げる

 
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第41話「曖昧な記憶を追いかけて」

 突然目の前が真っ暗になって、気がついたら全然知らない部屋に私は居た。

「ホホハ…(ここは)」

 しゃべろうとしたら口に何か挟まっていて上手く言葉に出来ない。口の物を取ろうとして手も動かず、後ろで何かに固められているらしい。

(何…)
「ヴィヴィオ、起きた? 大丈夫?」
「アヒヒア(アリシア)」
「声を出さないで静かに、わかったら頷いて、違ったらゆっくり横に顔を振って。何処も痛くない? 気分はどう?」
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第40話「アリシアの目的」

「明日からの練習なんだけど何かリクエストあるかな?」

 全員で楽しい夕食の後、お茶を入れながらなのはが聞いてきた。

「チーム戦をするには人数も少ないし、基礎練習と何度か1on1でいいんじゃないかな? 次のインターミドルまで時間はあるからその間に基礎力強化と弱点を克服、得意技を更に強化する。」

 こっちのヴィヴィオやアインハルト達が頷く。
 そこへ私が手を挙げる。


 
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第39話「ようこそ! カルナージへ」

「ここがカルナージ…」

 3日目、ヴィヴィオとアリシアはヴィヴィオ、アインハルト達と無人世界カルナージにやって来た。
 魔法を使った模擬戦や練習試合をするにもミッドチルダでは色々制約があり、特にRHdは起動させるだけで問題がある。

(仕方ないよね…)

 それなのに先日の誘拐でRHdと悠久の書を使ってしまい、心配性のフェイトが急かした事もあって予定より1日早くカルナージに来ることになってしまった。
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第38話「変わりゆく関係」

「………」
「………ヴィヴィオ……」
「……うん…」

 ミッドチルダ地上本部からヴィヴィオとフェイトが誘拐されたと連絡があった。でも私はここに居る…ということは

「リオ、ヴィヴィオ大変! アインハルトさんからヴィヴィオとアリシアとはぐれちゃったんだって!」

 通信を終え血相を変えたコロナがこっちにやって来た。
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第37話「入れ替わるヴィヴィオ」

「はい、ヴィヴィオです。」

 アインハルトと別れて高町家に戻って来た後、先に戻っていたヴィヴィオと一緒にお風呂に入って3人一緒にヴィヴィオの部屋の彼女のベッドに入り…泥の様に眠った。

 異世界でほぼ1日過ごしてブレイブデュエルで戦って、転移魔法を使い、更にここでほぼ1日過ごしたのだから疲れは一気に出て、ベッドの温もりに触れた途端微睡みに包まれた。
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第36話「エレミアの手記」

「あ~びっくりした。」

 はやて達と別れてからヴィヴィオは胸を撫で下ろした。

「会わない所を探したつもりだったんだけど。私もびっくりしちゃった」

 ヴィヴィオも内心とても慌てていたらしい。

「ですが、ここでお会いして良かったです。もし私達がトレーニングセンターでデバイスを使っていたら…大変な目に遭っていたでしょうから。」
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第35話「狸娘,本領発揮」

「ヴィヴィオやアインハルトさんも負けちゃったんだ…」

 ストライクアーツの大会、インターミドル。ヴィヴィオもアインハルトもヴィヴィオから見ればかなり強かった。それでも負けたという事にヴィヴィオは少なからず驚された。

「アインハルトさんの対戦相手前回のチャンピオンだったんですよ、負けちゃいましたけど本当に僅差だったんです。」

「私なんてとても…相手選手が強すぎて全く歯が立ちませんでした。全国レベルの強さを思い知りました。」
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第34話「再会、ヴィヴィオとヴィヴィオ」

「っと!」

 光の中から現れたヴィヴィオはトンと着地して辺りを見回す。

「ここはどこだろ?」

 少し広い公園らしいけれど…

「キャアアアアアッ!」
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第33話「魔法のない異世界」

「なのは…ヴィヴィオ…」

 アリシアは上を仰ぎながら呟く。
 ヴィヴィオとなのはの戦い…魔力のない世界ただ遊ぶ為の体感ゲームだった筈なのに…

「ヴィヴィオ…」

 聖王ヴィヴィオの方を見る。彼女もこんな事を望んだ訳じゃ無いのに、私のせいで…。

「みんな…ごめん。」

 私が、止めなくちゃいけない…。
 項垂れたい気持ちを振り切りただその時を待つ。


「キャアアッ!!」
「アリシアちゃんっ!」
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第32話「もう1人の使い手」

「何にせよこのままではブレイブデュエルに影響が出る。」
「話するにしても1度落ち着かせんと…」

 ディアーチェとはやてが上空を見る。運良くかこっちに流れ弾は届いていない。

「2人ともスキルカードを使っていませんが、様子から見て結晶からの力を用いているのは変わりません。私達のスキルカードも少しは通用する筈です。ですが…」

 あの速度で戦われたら目で追えないシュテル達には打つ手がない。

 
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第31話 「アリシアの過ち」

「何が起きているのです?」

 ドームに入ったシュテルは誰ともなく聞く。
 グランツから全員ここに来るように言われ、リインとアギトと一緒にここへ来る途中でアミタ達の激戦を外からルシフェリオンブレイカーを放って頭を冷やさせて、遅れながらも辿り着いた。
 遠くで誰か2人が戦っている様だけれど、誰かはわからない。
 凝視すると西欧風の鎧姿のヴィヴィオと先のジャケット姿に似た大きくなったヴィヴィオが戦っている。何故彼女が2人居るのか?
 状況がいまいち掴めない。
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第30話「逆鱗」

「ここが…」

 グランツによって別の場所に移動したヴィヴィオの目の前に広がっていたのは大きなドーム状の部屋だった。

「ここがブレイブデュエルの中枢だ」

 辺りに魔力が満ちている。意識しなくてもリンカーコアの鼓動がわかる。
 無機質に広がる部屋、その中心に大きなカプセルがありそこから木の根の様にケーブルが伸びている。そしてそのカプセルの中には大型の赤い結晶。大きさは違うけれど見覚えのある結晶体…

「レリック…」
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第29話「家族として、家族の長として」

「ここを右、次は左斜め上っ!」

 水中、森林地帯、宇宙空間、古代遺跡の中、平原、次々と色んな世界に飛び込んではインパクトキヤノンでこじ開け突き進む。
その速度に飛行速度の遅いアリサやすずかは追いかけるのが精一杯だった。

「ちょっとは私達の事考えなさいよっ!!」
「ごめん、急がないと…アリシアが危ないの。次は左下、でそのまま急降下っ」
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第28話「アリシアが消えた日」

 その凶報が届いたのはヴィヴィオがはやてやシグナム達と八神堂を閉め家に帰ろうとしている時だった。

【PiPiPi…】

 店から出てきたヴィヴィオに続いてはやてが出てきた時、携帯が鳴る。

「もしもし~八神です。え? はい、今一緒に居ますよ。」

 彼女がヴィヴィオの方を見ている。相手はグランツかシュテル・ユーリだろうか?

「ヴィヴィオちゃん、T&Hのリンディさんから代わってって」
「私?」

 何だろう? 先に使っていたブレイブホルダーは返したし、ブレイブデュエルを手伝っていた時も何もなかった。
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第27話「フェイトの目指す先」

「これは誰にも真似出来んね」

 古書店側のカウンター横に置かれたモニタでグランツ達の様子を見ながらはやては苦笑する。
 ブレイブデュエルではヴィヴィオがテストモードで何度も魔法を使っていた。普通に使うだけであれば特に気にもならないのだけれど、その使い方が凄かった。
 シュテルから借りたスキルカードは遠近様々だった筈なのに、彼女にかかると炎が彼女と一緒にダンスを楽しんでいる様に見えてしまう。同じカードをはやてが持っていてもこんな風に使う事は出来ないだろう。ヴィヴィオから前に聞いた魔法世界から来たという言葉を思い出す。

「本当に魔法使いなんやね~」

 誰ともなく呟いた。
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第26話 「帰って来た聖王」

 ヴィヴィオがグランツに頼まれテストをしていた頃、元世界ミッドチルダのある住宅街を彷徨っている女性が居た。

「この辺りだった筈ですが…」

 シスター姿の彼女は既に2時間近く辺りを彷徨っている。彼女が私服姿であれば誰かが声をかけていたか不審者と間違われ管理局に連絡されて警ら員が来ていただろう。だがシスター姿だったが為に宗教活動の一環だと思われ誰も声をかけず、逆にかけられるのを避ける様に離れられていた。


 
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