「先日の事故が気になって解析していたのですが」
管制室に入ったはやて達を待っていたのはシャリオだった。全員が集まった所で話を切り出す。
「リイン曹長の指示でキャロが作った封印魔法は完全に動作していました。しかし、このロストロギアは封印魔法をトリガーにして一定時間で発動を促す『アンチレリーズ系』の魔法がかけられていた様です。丁度封印直後に発動した形跡が・・・私も色々調べてやっとわかった程小さなものです」
キャロがロストロギアを封印した直後に小さな魔法陣が微かに見えた。
キャロが本局医療班で目覚めてから数日の間、フェイトはキャロ病室に足しげく通った。最初はオドオドしながらだったキャロも次第にフェイトを母親の様に慕いだしていた。そしてその間もなのはやフォワードメンバーはキャロの不在を埋める為に新たな連携パターンの訓練を続けていった。
更に数日が経った頃、フェイトはキャロを連れて六課に戻ってきた。
「お帰り~、フェイトちゃん、それといらっしゃいキャロちゃん」
「ただいま・・なのは。キャロ挨拶は?」
なのはの声にびっくりしてフェイトの影に隠れるキャロ、それをみてフェイトがフォローする
「キャロ、この人は私の大事なお友達のなのはさん。だから、ね!」
「う・・うん」
「じゃあ、ご挨拶」
シャマルとリインが措置室へ入ってからも刻々と時間が過ぎていった。フェイトはリインから預かった端末の映像を何度も再生し続けている。どうして気づかなかったのか、もしこの時私が近くに居ればと頭の中で繰り返し問い掛けている。
「レリックみたいに危険じゃないって言っててもロストロギアだったんだ・・・もっと注意していれば・・」
呟くようにスバルが言った言葉がフェイトの心にも突き刺さった
「それなら私がしっかり見てなかった私の責任。自分を責めないでスバル」
「・・・はい・・・すみません」
その瞬間【バン】と扉を開けてリインが措置室から飛び出してきた。そして
「キャロが!キャロが目を覚ましたですの!!」
「キャロっ!」
「スバル、身体を無理に動かさないで。緊急事態発生、重傷者1名。シャーリー本局医療班へ緊急連絡。ヴァイス君ヘリの搬送準備!急いでっ」
「はっ・はいっ」
「「りょっ・了解」」
スバルはキャロを抱きかかえようと手を身体に触れようとした時、なのははその手を遮り指示を出した。
「どうしてこんな事に・・」
「・・・・」
「もっと速く気づいていれば・・・もうっ!」
「うっさい!スバル! ちょっとは静かにして。みんな同じ気持ちなんだから」
「うん・・ごめん・・・・・ティアナ」
スバル・ナカジマは同僚のティアナ・ランスターの叱責をうけて近くにあった椅子に大人しく座った。
スバルの周りは機動六課のフォワード隊、隊長の高町なのはとフェイト・T・ハラオウン、副隊長のシグナム・ヴィータ、そしてスバル・ティアナと行動を共にしていたエリオ・モンディアルが神妙な面持ちで座っている。
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