第4話 「旅人との再会」

「っと…ここは? 寒っ!!」

 ヴィヴィオ達が着いたのは町の大通りだった。
 吹きすさぶ風がとても冷たく、側溝には雪と雪が溶けた水が凍っている。どこかで見た風景だけれど直ぐに思い出せない。

「ここ…どこだろう」
「わぁ…懐かしい。ここ海鳴だよ。駅の向こう側に翠屋があって、こっちにフェイトの居たマンションがあるの。」

 数週間過ごしただけのヴィヴィオより数年間をここで過ごしたアリシアの方が海鳴市を知っている。
 そう言われてみればすずかに案内して貰った時この道を通った気がする。だがアリシア以上に懐かしむ者がそこには居た。

「わぁ~海鳴ですか、懐かしいですね~♪」
「「!?」」
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第3話 「繰り返される時間」

 翌朝、起きたヴィヴィオは早速RHdに頼んではやてにメッセージを送った。程なくして彼女から返事が返ってくる。少し位なら時間が空けられるそうで放課後に行くと返信し登校した。
 そして放課後・・・

「失礼します。ごきげんようはやてさん」
「ごきげんよう」
「久しぶりや、ヴィヴィオ、アリシアもごきげんよう。座って座って」
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第2話 夢の中で

「アリシアここ違う、こう…でこう」
「そっか…じゃあこれは?」
「え~っと…ここはこうかな」
「…うん、解った。ありがとヴィヴィオ」
 
 ミッドチルダにも冬が訪れようとしていた頃、クラナガン郊外にある高町家ではヴィヴィオとアリシアが課題をしていた。
 読書が好きが高じて無限書庫司書になったヴィヴィオにとっては読むのが難しいとされるベルカ文字も見慣れた文字。
 でも魔法式やプログラムの方が得意なアリシアにとってはベルカ文字は模様にしか見えないらしく、彼女の最も苦手な科目だったりする。
 しかし苦手だからといっても聖王教会が運営しているStヒルデ学院ではベルカ文字は必須科目。
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第1話 ヴィヴィオを呼ぶ声

『ヴィヴィオ…』
「ん? アリシア呼んだ?」
「ううん、呼んでないよ? 寒いし早く行こう。ここで立ってたら風邪引いちゃう」
「う、うん」

 授業の間の移動時間、誰かが呼んだような、周りを見て首を傾げながらもヴィヴィオはアリシアの後を追いかけた。


 世界は必然が折り混ざって成り立っている。
 それがいくら偶然と思われようと、必ず何か理由があるからそこにある。
 でも、もしその時、その瞬間の必然が幾つもあったら?
  違う世界になる? 
   幾つもの世界が分かれる? 
 それは誰にも判らない事、判ってはいけない事。
 でももし、それに気づいてしまったら…
あなたはどうしますか?

~~コメント~~
 魔法少女リリカルなのははとらいあんぐるハート3のスピンオフ作品として生まれました。
 今話はAnotherStory~AgainSTStoryと繋がっていそうでちょっと違う世界、スピンオフを目指して書きたいと思います。
 最後までおつきあい頂けると嬉しいです。
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