「はい」
「ありがとう」
高町邸の縁側で湯飲みを受け取る。
道場と隅に作られた花壇、ヴィヴィオにとってはジュエルシード事件が数ヶ月前の事なのに凄く懐かしく思えた。
「そっか、友達に怪我させちゃったのか…」
「うん…」
セインが出て行った直後、ヴィヴィオはそっと部屋から抜け出した。プレシアの研究室に行けば彼女は何か知っているだろうし、もしかするとアリシアもそこにいる。
アリシアがいると考えられるのは研究室か彼女が良く出入りする部屋のどちらかだ。
途中ウェンディとノーヴェが話ながら来るのを見て物陰に隠れる。
そしてヴィヴィオの眠っていた部屋から1階下に来た時部屋を出るプレシアの姿を見つけた。
「後でまた来るわね」
そう言って部屋から出て来る。
「プレシア・テスタロッサ、ヴィヴィオが目を覚ました。」
チンクは施設にある部屋を訪れていた。
「そう。傷は塞がっただけだから今日は動かないように言っておいて」
「ああ、さっき言ってきた。…アリシアは?」
「大丈夫よ。酷い怪我だけれど持たせていたシールドとヴィヴィオが逸らしてくれたから致命傷にはなっていないわ。」
ホッと安堵の息をつく。
先日ヴィヴィオが落ち着いたと安堵した直後続けてアリシアが苦しみ始めたのだ。
セインに聞いたところ、ヴィヴィオに治癒魔法を使っていたプレシアはアリシアの様子を見るなり血相を変え彼女を抱きかかえ部屋から出て行ったらしい。
彼女は今昨日チンクが入っていたカプセルの中で眠っている。カプセルには正常な細胞を活性化させる様にセットされている。
彼女はアリシアが普通に治せるレベルを越えたと考えたのだろう
「おはよう、よく眠れましたか。」
(私…ここは? 誰?)
ヴィヴィオが目をあけるとそこには知っている顔があった。ナンバーズのウーノ。
でも彼女の表情はヴィヴィオの知っているものではなく、どちらかと言えば
(ママに似てる…)
ヴィヴィオに向けられた優しい笑顔
「おはよう、姉様。マスターは?」
「先程まで研究室におられ、今は自室で休まれています。疲れられてるので静かに寝かせてあげてくださいね」
「つまんない~。」
「困りましたね。ではドクターが起きられましたら教えますからそれで我慢してもらえますか?」
「う~ん。わかった」
窓に映った自分の姿をみてヴィヴィオはヴィヴィオ自身だと確認する。
でもここは一体どこなのだろう?
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