「家族旅行? 温泉? 明後日?」
「そうよ。ヴィヴィオちゃんも一緒」
「私も?」
「うん♪」
「ごちそうさま」
「あら、もういいのヴィヴィオちゃん」
「うん・・もうお腹いっぱい・・お部屋に戻る」
「そう・・・」
そう言いダイニングから出て行く後ろ姿を見送り、残された桃子達は顔を見合わせる。
「ヴィヴィオちゃん、どうしたのかしら? 店であんなに元気だったのに」
「・・・・・」
桃子の言葉に「さぁ?」と首を傾げる士郎達。
その中でなのはとユーノは原因が自分達のせいだとは言えなかった。
「おかえり」
「!!」
「ずいぶん遅かったね、ヴィヴィオちゃん」
高町家の門を入り扉に手を触れた瞬間、ヴィヴィオの左右からほぼ同時に声が聞こえる。
士郎と恭也、2人の声から怒っているのははっきりとわかる。
「こんな遅くに、何処に行ってたんだい?」
「えっ、あのっその・・ごめんなさい」
『この時はまだ魔法の事とか知らないし、どうすればいい? ユーノ君』
「ハァッハァッ・・・・」
「逃がし・・ちゃった・・・・追いかけ・・なくちゃ・・」
(誰の・・声?)
「誰か僕の・・声を聞いて」
(だれ? 誰なの?)
「力を・・・貸して・・・魔法の力を・・」
(力って? 答えてよっ)
声はその後聞こえなくなってしまった。