第26話(終)「丘の上の少女達」

「シグナム、シャマル、ヴィータ、ザフィーラ、リインお疲れさん。アギトも色々ありがとな」

 本局広報部が用意してくれた車で送って貰ったはやては家に着くなりドサッとソファーに倒れるように身を預けた。 
 撮影が進む中でリインフォースに会いたいと思う気持ちは強くなっていた。それがまさかジュエルシードを発動させるとは…身につけていたのにも気づかないなんてロストロギア管理の専門部署責任者が聞いて呆れる。

(暫くクロノ君に話のネタにされそうやな)

記録映像が公開された時、私達はどんな目で見られるのだろう? 
 厄災を止めた者?
 記憶が蘇り悪意の目を向けられる?
 …出来れば今までと同じ様に見て貰いたい。でも私を含め家族の境遇を知って貰えれば色んな所からの風当たりも和らぐだろう。

(まぁ良かったんとちゃうかな…)
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第25話「本当の気持ち」

アクシデントのあった無人世界の撮影が終わって
 翌週、撮影の舞台は変わってミッドチルダ、クラナガン郊外にヴィヴィオ達の姿はあった。

「私はなのはちゃんとフェイトちゃんの後輩やね…」

 八神邸のリビングで、この家で撮る最後のシーン。
 戦闘シーンを取る前にあったミッドの撮影スケジュールに入っていたシーン、でも全部の撮影した後の方が気持ちが伝わるだろうという思いからか、いくつかのシーンは後で撮影されることになった。
 
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第24話「背を追いかけて」

クロノとリンディがクラウディアで広報部局員と話していた頃、無人世界では準備が整い撮影が再開されていた。
 今から撮影するのははやて扮するリインフォースとフェイト、なのはの激突シーン。
 はやてはヴィヴィオとの戦いで相当なダメージを受けていてシャマルを含む医療班や撮影スタッフから代役を立てるという提案もあった。しかし…

「私は大丈夫です。全面協力するって言ったんですから代役頼んだら全面協力とちゃいますよね。」
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第23話「事件の真実」

 意識を失ったはやてはそのままクラウディアの医務室へと運ばれた。半日後、クラウディアのあてがわれた部屋で休んでいたヴィヴィオは目覚めたはやてに呼ばれ医務室へと行った。

「ごめんな、迷惑かけてしもて…ありがとな。」
「うん…」

 経緯はなのはかフェイト、シャマル達から聞いたのだろう。いつもみたいに冗談やからかいもせず何ともいえない表情の彼女にヴィヴィオもそれ以上何も言えなかった。
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第22話「夜が明ける時」

(…何をしているの?)

 クラウディアとアースラの通信士はサブモニタを見て首を傾げていた。現地で指揮を執っていたハラオウン執務官と高町教導官が揃って奇妙な行動を取り始めたからだ。
その行動とは…

「ディバインバスターッ!」

 桜色の光の筋が伸びて海から伸びた岩に直撃し粉砕する。
続けて同色の魔力弾が残った岩を砕き何本もの水柱を作り出した。

「トライデントスマッシャーッ!!」

 水柱から少し離れた岩塊に金色の光が伸び消滅させた。
辺りの岩塊が見当たらなくなったら2人はその場を移動し進行方向の岩塊を壊していく。
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第21話「心の闇の在処」

「全く…」
「命令無視もここまでされると気持ちいいわね。」

クロノとリンディは揃って嘆息した。
リインフォースとヴィヴィオの戦闘は激しさが増していて手の出しようがない。現地にいるエースオブエースと執務官が手を出せない状況に武装隊を入れても何も出来ないとわかっている。
 結界を張った少女の前へクラウディアに居た筈のシグナム達が転移してきた。
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第20話「王の激突」

「エイミィ、今から起きる事全てをアースラ、クラウディアから全て破棄してくれ。」
『えっ? 何? 何かあったの?』

 クロノはエイミイの個人端末を呼び出す。彼の代わりに調査をしていた彼女はあまりに突然の事で事態がわからず聞き返してきた。
 説明しようとするがクロノ自身にも状況を説明出来る程把握手来ている訳ではない。
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第19話「王の資質」

1時間後、はやてがバッグいっぱいの食材を買ってきて用意していると、シグナム達が帰ってきた。

「…誰だ?」
「…はやてちゃんのお友達かしら?」
「……ヴィヴィオ?」
「あっ!」

 4人ともヴィヴィオの顔を見て誰だろうと一瞬怪訝な顔をするがその後思い出す。
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第18話「新たなる愛機」

「リンディ提督、失礼する。」

 リンディがランチルームでエイミィと少し遅れたお弁当を食べているとディアーチェがレヴィを連れ入ってきた。

「いらっしゃいディアーチェちゃん。珍しいね。どうしたの?」

 エイミィの言葉に頷く。闇の書のマテリアル、闇統べる王としての記憶もあるのか彼女は他の3人とは違いアースラスタッフや管理局と一定の距離を取っている。
 そんな彼女が何用だろうか?
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第17話「遠い世界の隣人」

「ん? 何か音が聞こえなかったか?」

 コトッと何か落ちる音が聞こえリビングから寝室へと行くと床に本が落ちていた。分厚い本だ、図書館で借りてきてまた寝る時に読んでいたのか…

「借りた本は丁寧に扱え、寝る前に読むなとあれほど言っているのに…全く、あやつは」

ブツブツと呟いていると甲高い電子音が聞こえた。

「うむ、洗濯機が止まった様だな。ユーリすまないが手伝ってくれ。」
「は~い。今いきます」
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第16話「夜天の王、八神はやてについて」

「ユーノさん教えてください。闇の書の主が死んじゃった時、新たな主が見つかる迄の転生期間ってどれ位かかっていたのか判りますか?」
「ユーノさん私が見た昔のリインフォースさんの写真、あれは実際の物なんですか?」

いきなり質問したヴィヴィオとアリシアに対しユーノはキョトンとした。
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第15話「2人の関係」

「ヴィヴィオ、良かった。」

 部屋に入ったすぐアリシアが迎えてくれた。

「ごめんね…」
「ううん、何があったのか聞いたから…」

 先に避難した時に状況を聞いたらしい。奥にはチェントと絵を描いて遊ぶプレシアが居た。彼女はヴィヴィオを1目見た後、その視線を娘に戻す。
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第14話「蘇った旅人」

「撮影中止、全員クラウディアへ避難してください。」
「機材は置いて、急いでっ!!」

 闇の書が蘇った。なのはとフェイトは指示を出した。



 一方で状況を確認したアースラ内ではリンディとエイミィ、アレックス、ランディがクラウディアでもクロノが驚愕の面持ちでモニタを見ていた。

「ハラオウン執務官からスタッフを緊急避難させて欲しいと通信が…」
「……何故だ…」
「艦長!!」
「…! 許可する。クラウディアを軌道上、アースラ前に移動させる。」

 通信士の叱責で我に返ったクロノは指示を出す。
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第13話「目覚め」

「我が主…」
「えっ? リインフォース?」

 はやてが気がつくと目の前にリインフォースが立っていた。

「どうか…お願いです…私を…」

 悲しそうな眼差しで何か言っているのだが聞き取れない。

「何て言ったん? 聞こえへん。もっと近くに来て」

 叫ぶが目の前の彼女は悲哀の表情を変えず背を向け遠ざかっていった。

「待って、リインフォースっ、待って~っ!!」
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第12話「家族の為に…」

(今の様子を昔の我らが見たら驚くだろうな…)

 先代の王に仕えていた自身や主はやての所に来たばかりの自身がこの光景を見たら呆れかえるだろうかそれとも軟弱になったと一喝されるだろうか。
 烈火の将として常に主と主の住む世界の平穏を願い剣を振るってきたつもりだし、自負もある。
しかし常時気を張っていた頃と比べれば・・・。
 昔のシグナムが周りから言われたら激怒しただろうが、今なら受け入れられる。
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第11話「絆と温もり」

『ヴィヴィオ、こっちで撮影あるんだけど見に来ない?』
「うん、今日無限書庫の依頼もないからいいよ~」

 撮影が始まってから何度目かの休日、ヴィヴィオが朝の練習から帰ってくると時間を合わせた様にアリシアから連絡があった。

「今日はどこで?」
『運用部、前に見たいって言ってたシーンだよ。準備始まってるからもうすぐ始まるよ。』
「急いで準備していくね」
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第10話「描かれた記憶」

「今日も無事に巡教完了っと。」

 シャッハから送られた報告書に目を通しサインを入れる。彼女はシグナムとヴィータをこちらに呼んだ代わりに教会騎士・セイン達を伴って巡教団の護衛をしている。   
予想通り、幾つかの世界でマリアージュが見つかった。だがこちらも予定通り全て撃退されている。
建造物に若干被害が出ていたが人的被害はない。危険性と実績を天秤にかけても十分すぎる成果だ。管理局と教会の上層部もこの報告を聞いて満足しているだろう。
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第09話「ヴィヴィオの初舞台」

「ヴィヴィオお待たせ。出来たよ台本」

 八神邸での練習も日課になり車椅子にも慣れてきた頃、なのはが迎えにきてくれた。
 数日前にあった試験後の騒動は誰かが何とかしてくれたらしく、周りに護衛の局員は居ない。離れた所で見られているかも知れないけれど、意識し始めたらきりがないから意識しないようにしていた。

「ありがとなのはママ。」

 車椅子を玄関に置いて彼女に駆け寄る。
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第08話「意地と思い」

「だぁあああああっ!!」
「ハアアアアッ!!」

 2人がぶつかった衝撃波で砂が巻き起こる。
 赤い光を見つけセイクリッドクラスターを放つ。しかしヴィータは最小限の動きでそれを避け、グラーフアイゼンを振り下ろす。

「後ろががら空きだーっ!」

 しかし肉薄した所で急に止まり後ろに下がった。直後彼女がさっきまで居た所を砲撃魔法が掠める。
 思わず舌打ちをする。単純な誘いには乗ってくれないらしい。
 
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第07話「騎士vs騎士」

「その…まぁ…なんだ…私は相手が子供だろうが大人だろうか甘く見たり手加減するつもりはない。以上!」
「「「「「はいっ!!」」」」」」
「はい」

 局員制服を着た男女が1列に並ぶ。その隅っこにStヒルデ学院の制服姿の少女が立っていた。 


 
「え…試験官、ヴィータさんなの!?」
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