「リンディ提督、失礼する。」
リンディがランチルームでエイミィと少し遅れたお弁当を食べているとディアーチェがレヴィを連れ入ってきた。
「いらっしゃいディアーチェちゃん。珍しいね。どうしたの?」
エイミィの言葉に頷く。闇の書のマテリアル、闇統べる王としての記憶もあるのか彼女は他の3人とは違いアースラスタッフや管理局と一定の距離を取っている。
そんな彼女が何用だろうか?
「ん? 何か音が聞こえなかったか?」
コトッと何か落ちる音が聞こえリビングから寝室へと行くと床に本が落ちていた。分厚い本だ、図書館で借りてきてまた寝る時に読んでいたのか…
「借りた本は丁寧に扱え、寝る前に読むなとあれほど言っているのに…全く、あやつは」
ブツブツと呟いていると甲高い電子音が聞こえた。
「うむ、洗濯機が止まった様だな。ユーリすまないが手伝ってくれ。」
「は~い。今いきます」
「ユーノさん教えてください。闇の書の主が死んじゃった時、新たな主が見つかる迄の転生期間ってどれ位かかっていたのか判りますか?」
「ユーノさん私が見た昔のリインフォースさんの写真、あれは実際の物なんですか?」
いきなり質問したヴィヴィオとアリシアに対しユーノはキョトンとした。
「ヴィヴィオ、良かった。」
部屋に入ったすぐアリシアが迎えてくれた。
「ごめんね…」
「ううん、何があったのか聞いたから…」
先に避難した時に状況を聞いたらしい。奥にはチェントと絵を描いて遊ぶプレシアが居た。彼女はヴィヴィオを1目見た後、その視線を娘に戻す。
「撮影中止、全員クラウディアへ避難してください。」
「機材は置いて、急いでっ!!」
闇の書が蘇った。なのはとフェイトは指示を出した。
一方で状況を確認したアースラ内ではリンディとエイミィ、アレックス、ランディがクラウディアでもクロノが驚愕の面持ちでモニタを見ていた。
「ハラオウン執務官からスタッフを緊急避難させて欲しいと通信が…」
「……何故だ…」
「艦長!!」
「…! 許可する。クラウディアを軌道上、アースラ前に移動させる。」
通信士の叱責で我に返ったクロノは指示を出す。
「我が主…」
「えっ? リインフォース?」
はやてが気がつくと目の前にリインフォースが立っていた。
「どうか…お願いです…私を…」
悲しそうな眼差しで何か言っているのだが聞き取れない。
「何て言ったん? 聞こえへん。もっと近くに来て」
叫ぶが目の前の彼女は悲哀の表情を変えず背を向け遠ざかっていった。
「待って、リインフォースっ、待って~っ!!」
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