第12話「家族の為に…」

(今の様子を昔の我らが見たら驚くだろうな…)

 先代の王に仕えていた自身や主はやての所に来たばかりの自身がこの光景を見たら呆れかえるだろうかそれとも軟弱になったと一喝されるだろうか。
 烈火の将として常に主と主の住む世界の平穏を願い剣を振るってきたつもりだし、自負もある。
しかし常時気を張っていた頃と比べれば・・・。
 昔のシグナムが周りから言われたら激怒しただろうが、今なら受け入れられる。
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第11話「絆と温もり」

『ヴィヴィオ、こっちで撮影あるんだけど見に来ない?』
「うん、今日無限書庫の依頼もないからいいよ~」

 撮影が始まってから何度目かの休日、ヴィヴィオが朝の練習から帰ってくると時間を合わせた様にアリシアから連絡があった。

「今日はどこで?」
『運用部、前に見たいって言ってたシーンだよ。準備始まってるからもうすぐ始まるよ。』
「急いで準備していくね」
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第10話「描かれた記憶」

「今日も無事に巡教完了っと。」

 シャッハから送られた報告書に目を通しサインを入れる。彼女はシグナムとヴィータをこちらに呼んだ代わりに教会騎士・セイン達を伴って巡教団の護衛をしている。   
予想通り、幾つかの世界でマリアージュが見つかった。だがこちらも予定通り全て撃退されている。
建造物に若干被害が出ていたが人的被害はない。危険性と実績を天秤にかけても十分すぎる成果だ。管理局と教会の上層部もこの報告を聞いて満足しているだろう。
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第09話「ヴィヴィオの初舞台」

「ヴィヴィオお待たせ。出来たよ台本」

 八神邸での練習も日課になり車椅子にも慣れてきた頃、なのはが迎えにきてくれた。
 数日前にあった試験後の騒動は誰かが何とかしてくれたらしく、周りに護衛の局員は居ない。離れた所で見られているかも知れないけれど、意識し始めたらきりがないから意識しないようにしていた。

「ありがとなのはママ。」

 車椅子を玄関に置いて彼女に駆け寄る。
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