学院に戻ってから数日が経った頃、ヴィヴィオは再び無限書庫を訪れていた。
目的は2つ、ヴィヴィオの知る記録と今のこの世界の記録がどれ位違っているのかを調べるのと、
「ヴィヴィオ~♪」
「ヴィヴィオ、久しぶり」
「なのはママ!、フェイトママ!」
2人の母親、高町なのはとフェイト・T・ハラオウンの2人をある場所へ連れて行く事だった。
(これで・・・良かったの? 本当に?)
アースラの中でヴィヴィオは1人考えていた。
ジュエルシードはなのは・フェイト・クロノ、そしてヴィヴィオの同時砲撃魔法で何とか封印出来た。
だがそれも彼女、プレシア・テスタロッサにとっては予想範囲内だったのだろう。
撃ち抜いた際に出来た穴を通ってなのは達が降りてくる。
その中にはフェイトとアルフの姿もあった。
「ちょっと待ったっ!」
「「!!」」
アルフの道案内で居住区と思われる場所にやって来たヴィヴィオ達をアルフが突然静止させた。
「アルフ?」
「結界だ。あれを壊さなきゃこの先進めないよ。」
見れば結界魔法というよりシールドに近い魔法が通路全面に張られている。
「まだですか~? レティ提督」
「まだよ。 ねぇ少し落ち着いたら? そうそう美味しいお茶があるの。あのね・・」
「緑茶にミルクと砂糖をいっぱい入れたのは遠慮します。全力で!」
「あらそう・・・美味しいのに・・・」
ヴィヴィオは無限書庫で探していた本を見つけ、急いでアースラに戻ろうとレティ提督の部屋に来ていた。
本の持ち出しとゲートの使用許可を貰う為だ。
しかし、無限書庫の管理蔵書も次元航行部隊所属艦船への転送も管轄が違うらしく、申請はしたもののすぐに許可が下りないらしい。
その間ヴィヴィオはレティの部屋で待つ羽目になった。
『ジュエルシード見つけたよ。なのはちゃん』
「わかりました。すぐに行きます」
アースラで用意された自室で横になっていると、エイミイの声が聞こえた。
慌てて飛び起きてユーノと共に転送ゲートへと走る。
「ユーノ君、ジュエルシードは全部で21個だったよね」
「そうです。だから多分・・・」
「フェイトちゃんからの呼び出し・・・」
「さて、早速ですけどあなた・・・ヴィヴィオさん、この世界・・時間の人間じゃないわね」
「ブッ! ケホケホッ」
気付かれているだろうと思ってはいた。でもまさかいきなり核心を突かれるとまでは考えてなかった。
思わずお茶を吹き出しそうになる。
「どっ・・どうしてそう思うんです?」
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