第06話「もう1つの可能性」

「そっか…」

 その日の夕方、ヴィヴィオからの通信を受けたアリシアは頷いた。魔法の使いすぎと言われては先の戦闘を目の当たりにしていた1人として納得するしかなく、その戦闘が今までと比べられない程無茶をしていて終わった後に倒れていたのだから何かあるかもとは思っていた。
 海鳴に行くと聞いて一緒についていきたいとも思ったけれど

「私も行きたかったんだけど…待ってるね。」

 フェイトとなのはが行くのなら待ってた方がいい。そんな返事に

『え…一緒に来て美由希さんに教えて貰う~とか言うんじゃないかって思ってた』
「ひどーい! 遊びに行くなら私も~って言ったけど流石にね。こっちで待ってる。あっ、でも早く帰ってこないと進級出来なくて私が先輩になっちゃうかもよ。」
『う…うん、がんばる。どう頑張ればいいかわかんないけど…』
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第05話「私達ができること」

「それは…私でも難しいわね…」
「あなたならって期待していたのだけれど、残念ね。」

 プレシアは冗談交じりで目の前に居る彼女に言った。


 フェイトから話を聞いた昼過ぎ、チンクから通信が届いた。

『プレシアに会いたいと来客だがどうする?』

 今日は誰かと会う約束はしていない。何処かの研究機関か民間企業から来たのだろうか?
聖王教会や管理局を通さずには危険過ぎると考えた。
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第04話「めざすべきもの」

「私達に…戦技魔法の特訓して欲しいと?」
「お願いします!」

 本局教導隊にやって来た少女にシュテルは小首を傾げた。
 少女と一緒に来たユーリを見るが彼女も困惑気味に苦笑いしていた。

 事はユーリの元に少女-チェントが来たところから始まった。
 彼女は先日までアリシアやヴィヴィオに連れられて何処かに行っていたとなのはから聞いていた。娘が局員になってからなのはは前線に出るよりもっぱら教導任務に就くことが増えており家を長期不在にすることが無くなった為、逆に娘からの連絡が途切れると連絡が頻繁に来る様になった。
 子供の頃から魔力共有契約をしていて同じ教導隊に所属しているのだからわざわざ通信で連絡しなくてもいいと思うのだけれど…ディアーチェ曰く「心配性が親馬鹿っている」らしい。
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第03話「失われる心」

「ねぇねぇヴィヴィオちゃん」

 検査室に向かう最中ヴィヴィオは彼女を案内している医療スタッフの女性に声をかけられた。

「なのはさんとフェイトさんと沢山練習してるのよね?」
「ママ達と練習?」

 首を傾げる。

「そうじゃなきゃヴィータさんに勝って空戦Sランクなんて取れないわよね。最近よくシャマルさんの所にも来ているし…。でも、いくら成長スピードが早い時期でも無理しちゃだめよ。」
(?…あっそうか)
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第02話「最初の1歩」

「…これがそうなのですね?」

 カリム・グラシアはテーブルに置かれたメモリディスクを手に取った。

「はい」

 その様子を見守りながらリンディ・ハラオウンは真剣な眼差しで頷いた。
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第01話「魔法がつかえないっ?」

「…ィオ…ヴィオ…」

 誰かが私を呼ぶ声が聞こえる。その声で瞼を開くが周りが暗くて見えない。

「…だれ~? 何処にいるの?」

 起きて立ち上がる。確か部屋のベッドで眠っていた筈なのに、どう見ても部屋中というかミッドチルダじゃない。ここは一体何処?

「ヴィヴィオ…ヴィヴィオ…」

 今度はさっきよりはっきり呼ぶ声が聞こえた。
 ここに居ても仕方がないと思って呼ぶ声を目指して足を進める。

「…ここ…何か変…」
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