第10話「新緑の星での再会」
- リリカルなのは AgainStory4 > 第2章 刻を超えた禁忌
- by ima
- 2021.06.27 Sunday 17:18
「ヴィヴィオ、早速だけれど私とアリシアをエルトリアに連れて行って頂戴。」
プレシアから言われた通り、ヴィヴィオとアリシアはレールトレインを使って研究所に向かった。着いた時には彼女はバッグを持って出入り口前で待っていた。
「は、はい。」
言われた通り私はアリシア、プレシアを連れて時間軸を飛んだ。
「っと…着いた」
プレシアから言われた通り、ヴィヴィオとアリシアはレールトレインを使って研究所に向かった。着いた時には彼女はバッグを持って出入り口前で待っていた。
「は、はい。」
言われた通り私はアリシア、プレシアを連れて時間軸を飛んだ。
「っと…着いた」
やって来たのは異なる時間軸に存在する管理外世界、エルトリアのフローリアン家前だった。
「は~い、ちょっと待ってください。ヴィヴィオ、アリシア!!」
私の声を聞いて中から声が聞こえドアが開いたかと思うとユーリが顔を出した。
「ヴィヴィオとアリシアだと?」
「本当ですね」
「ひっさしぶり~」
隣の建物からディアーチェ、シュテル、レヴィがやって来た。3人はオーバーオール姿であちこちに干し草が付いているところから家畜小屋の掃除していたらしい。
「ユーリ、ディアーチェ、シュテル、レヴィも久しぶり~♪」
「みんな元気そうね。」
「ええ」
4人に遅れてグランツ、エレノア、アミティエ、キリエも出てくる。そして
「やぁ、2人とも元気みたいね~」
フィルとイリスが現れた。
「!? ママ、ヴィヴィオ下がって!」
フィルの姿を見た瞬間、アリシアが私の前に出てデバイスを外して構えた。
「えっ!? ちょ、ちょっとまって! アリシア、ストーップ!!」
バリアジャケットを纏おうとする彼女を慌てて羽交い締めにして止めた。
「も~っ!、そんな大事な事全然教えてくれないんだから…酷いよ~」
10分後、家の前にあった大きなテーブルを囲む形で座ったところでアリシアが私をジト目で見ながら言った。
「ごめん、てっきり話ちゃってたと思ってた。みんな揃ってる時の方がいいかなって思って」
「それで…そちらの方は? 初めてお会いしますよね?」
エレノアがお茶を入れたカップを置きながら聞く。
「紹介が遅くなりました。私のママのプレシアです。」
「えっ? フェイトのお母さんって…イメチェンした?」
レヴィはリンディとフェイトの関係を知っているらしい。
「フェイトの…とかは色々あるのでその辺は聞かないで貰えると助かります。」
「はじめまして。以前、娘達がお世話になりました。今日来たのは皆さんに協力をお願いしたいからです。ヴィヴィオ、ここからは貴方が話しなさい」
プレシアに促されて私は席から立って何をしたいかを話し始めた。
「ねぇ、それって狡くない?」
私が一通り話し終えると、イリスは不機嫌そうに言う。
「狡い…ですか?」
ユーリが聞く。
「だって、それが出来るならして欲しい人いっぱい居るよ。例えば私達も、委員会…惑星再生委員会のみんなを助ける事も出来るってことでしょ。あの時私やユーリ、グランツ君達に死んじゃったって思わせれば良いんだし。」
「うむ、狡いかは個人の感情次第だけれど、スタッフの死が確定事項になって現在に繋がりさえ持てるなら、スタッフを死んだ様に偽装して連れてくることは可能だろうね。」
フィルがイリスの言葉に付け加える。
「ごめん…それは出来ない。」
「それはアインス…じゃないから?」
「それもあるけど…この魔法を使う時、行く時間が遠い程凄い量の魔力を使わなくちゃいけなくて、今の私でも20年位が限界、それと1人じゃなくて2人、3人と増えたらもっと魔力が必要になる。だからここのみんなを連れてくることは出来ない。」
「イリス、ヴィヴィオの魔力量はなのは、フェイト、はやてよりも凄いよ。3人を足して数倍か数十倍位、調べてないからわかんないけど私達の世界でもトップクラス。」
アリシアがフォローしてくれる。
「それと…リインフォースさんを連れてきたいっていうのは私の我が儘だから、連れてきた影響で何かあっても私が責任を以つ。でも…例えばこっちのリインフォースさんを助けても私はその後の未来に責任が持てない…連れてきた結果次第で未来の私が消えるかも知れない。」
「だから、この話ははやてやみんなには話せない。期待させても出来ないから…」
「ねぇアリシア、あなたは協力するつもりなんだよね? 一緒にここに来たんだから…。あなたなら未来に起きるんじゃないかって事くらい予想してるんでしょ?」
イリスは私の意思が強くて曲げられないことと、自身の言った可能性がはっきり否定されたことで分が悪いと考え、アリシアに矛先を変えた。
「まぁね、起きるかは判んないけど起きそうなことは幾つか予想してる。私の予想なんかヴィヴィオがあっさりひっくり返しちゃうかも知れないけどね…。それに…私はヴィヴィオを止められる立場じゃないんだ。私達もアインスさんと同じだから。」
「?」
私とアリシアとプレシア以外の全員が首を傾げる。
「私やママも同じなんだ、ヴィヴィオの時間移動魔法で助けられてここに居る。そうじゃなかったら30年位前に死んじゃってるから。」
「だからヴィヴィオが『誰かの為に』って言うならよく考える様に言ったり止めるけど、ヴィヴィオの我が儘って言われちゃったら…ね。だからアインスさんを連れてきて何か起きるなら私もヴィヴィオと一緒に何とかするつもり。」
「プレシアさん、1つだけ教えてください。私達は時間移動については推測しか出来ませんが、彼女の願いが叶った時矛盾が生じ、時間や空間に影響は起こらないのでしょうか?」
アリシアとイリスの話が終わったと考えたのかフィルがプレシアに聞いてきた。
「ヴィヴィオが使えば影響は起きません。それでも矛盾が生じる可能性はあるのでそこは計画を立てて進めるつもりです。」
「わかりました。協力しましょう。グランツもいいね」
「勿論」
フィルとグランツが頷く。しかし
「所長!? グランツ君も! そんなに簡単に決めちゃっていいの?」
「ああ、エルトリアに影響するのであれば即答は出来ないが、聞いている限り無いだろう。それに私達も彼女には借りがある。今私達が緑が蘇ったエルトリアで話せているのが何よりの証拠だ。であれば、少し位返してもいいのではないかな?」
「私も賛同するよ。彼女達が来なければ今ここには居なかっただろうからね。イリス、ユーリもそうは思わないかい?」
「……あ~もうっ! わかりました、わかりましたよ。協力します~。私なんてテラフォーミングユニットの仕事殆ど無くなっちゃって存在意味を失いかけてただけなんです~っ!!」
「みんなも協力するということでいいかな?」
グランツが聞くと全員が笑顔で頷いた。
「早速、考えてきた計画を伝えるわね。」
そう言うと彼女は大きなウィンドウを出して計画の内容を話始めた。
プレシアの計画は大きく3段階に分かれていた。
第1段階はヴィヴィオとアリシアが闇の書事件終了直後のアースラ内からアインスと夜天の書を持ってエルトリアに戻る。
第2段階はエルトリアでアインスを別の時間に連れて行く承諾を貰った後、夜天の書から管制プログラムを防衛システムから切り離せるようにする。
第3段階は準備の終えた夜天の書とリインフォースを元の場所に送った後、彼女が消失するタイミングで別のデバイスへと移動させてヴィヴィオと一緒にエルトリアに戻ってくる。
その中でグランツやユーリ、フィルを含めて論議が交わされて実際の計画を始めるのを待つことになった。
~コメント~
久しぶりの会話回でした。
ヴィヴィオとアリシアでエルトリアの状況認識に違いがあるのは、刻の護り人でヴィヴィオが最後にフィル達を連れていったのを話すのを忘れていたといううっかりミスです。
ですので、ヴィヴィオもアリシアの態度でそれに気づいて慌てて止めました。
「は~い、ちょっと待ってください。ヴィヴィオ、アリシア!!」
私の声を聞いて中から声が聞こえドアが開いたかと思うとユーリが顔を出した。
「ヴィヴィオとアリシアだと?」
「本当ですね」
「ひっさしぶり~」
隣の建物からディアーチェ、シュテル、レヴィがやって来た。3人はオーバーオール姿であちこちに干し草が付いているところから家畜小屋の掃除していたらしい。
「ユーリ、ディアーチェ、シュテル、レヴィも久しぶり~♪」
「みんな元気そうね。」
「ええ」
4人に遅れてグランツ、エレノア、アミティエ、キリエも出てくる。そして
「やぁ、2人とも元気みたいね~」
フィルとイリスが現れた。
「!? ママ、ヴィヴィオ下がって!」
フィルの姿を見た瞬間、アリシアが私の前に出てデバイスを外して構えた。
「えっ!? ちょ、ちょっとまって! アリシア、ストーップ!!」
バリアジャケットを纏おうとする彼女を慌てて羽交い締めにして止めた。
「も~っ!、そんな大事な事全然教えてくれないんだから…酷いよ~」
10分後、家の前にあった大きなテーブルを囲む形で座ったところでアリシアが私をジト目で見ながら言った。
「ごめん、てっきり話ちゃってたと思ってた。みんな揃ってる時の方がいいかなって思って」
「それで…そちらの方は? 初めてお会いしますよね?」
エレノアがお茶を入れたカップを置きながら聞く。
「紹介が遅くなりました。私のママのプレシアです。」
「えっ? フェイトのお母さんって…イメチェンした?」
レヴィはリンディとフェイトの関係を知っているらしい。
「フェイトの…とかは色々あるのでその辺は聞かないで貰えると助かります。」
「はじめまして。以前、娘達がお世話になりました。今日来たのは皆さんに協力をお願いしたいからです。ヴィヴィオ、ここからは貴方が話しなさい」
プレシアに促されて私は席から立って何をしたいかを話し始めた。
「ねぇ、それって狡くない?」
私が一通り話し終えると、イリスは不機嫌そうに言う。
「狡い…ですか?」
ユーリが聞く。
「だって、それが出来るならして欲しい人いっぱい居るよ。例えば私達も、委員会…惑星再生委員会のみんなを助ける事も出来るってことでしょ。あの時私やユーリ、グランツ君達に死んじゃったって思わせれば良いんだし。」
「うむ、狡いかは個人の感情次第だけれど、スタッフの死が確定事項になって現在に繋がりさえ持てるなら、スタッフを死んだ様に偽装して連れてくることは可能だろうね。」
フィルがイリスの言葉に付け加える。
「ごめん…それは出来ない。」
「それはアインス…じゃないから?」
「それもあるけど…この魔法を使う時、行く時間が遠い程凄い量の魔力を使わなくちゃいけなくて、今の私でも20年位が限界、それと1人じゃなくて2人、3人と増えたらもっと魔力が必要になる。だからここのみんなを連れてくることは出来ない。」
「イリス、ヴィヴィオの魔力量はなのは、フェイト、はやてよりも凄いよ。3人を足して数倍か数十倍位、調べてないからわかんないけど私達の世界でもトップクラス。」
アリシアがフォローしてくれる。
「それと…リインフォースさんを連れてきたいっていうのは私の我が儘だから、連れてきた影響で何かあっても私が責任を以つ。でも…例えばこっちのリインフォースさんを助けても私はその後の未来に責任が持てない…連れてきた結果次第で未来の私が消えるかも知れない。」
「だから、この話ははやてやみんなには話せない。期待させても出来ないから…」
「ねぇアリシア、あなたは協力するつもりなんだよね? 一緒にここに来たんだから…。あなたなら未来に起きるんじゃないかって事くらい予想してるんでしょ?」
イリスは私の意思が強くて曲げられないことと、自身の言った可能性がはっきり否定されたことで分が悪いと考え、アリシアに矛先を変えた。
「まぁね、起きるかは判んないけど起きそうなことは幾つか予想してる。私の予想なんかヴィヴィオがあっさりひっくり返しちゃうかも知れないけどね…。それに…私はヴィヴィオを止められる立場じゃないんだ。私達もアインスさんと同じだから。」
「?」
私とアリシアとプレシア以外の全員が首を傾げる。
「私やママも同じなんだ、ヴィヴィオの時間移動魔法で助けられてここに居る。そうじゃなかったら30年位前に死んじゃってるから。」
「だからヴィヴィオが『誰かの為に』って言うならよく考える様に言ったり止めるけど、ヴィヴィオの我が儘って言われちゃったら…ね。だからアインスさんを連れてきて何か起きるなら私もヴィヴィオと一緒に何とかするつもり。」
「プレシアさん、1つだけ教えてください。私達は時間移動については推測しか出来ませんが、彼女の願いが叶った時矛盾が生じ、時間や空間に影響は起こらないのでしょうか?」
アリシアとイリスの話が終わったと考えたのかフィルがプレシアに聞いてきた。
「ヴィヴィオが使えば影響は起きません。それでも矛盾が生じる可能性はあるのでそこは計画を立てて進めるつもりです。」
「わかりました。協力しましょう。グランツもいいね」
「勿論」
フィルとグランツが頷く。しかし
「所長!? グランツ君も! そんなに簡単に決めちゃっていいの?」
「ああ、エルトリアに影響するのであれば即答は出来ないが、聞いている限り無いだろう。それに私達も彼女には借りがある。今私達が緑が蘇ったエルトリアで話せているのが何よりの証拠だ。であれば、少し位返してもいいのではないかな?」
「私も賛同するよ。彼女達が来なければ今ここには居なかっただろうからね。イリス、ユーリもそうは思わないかい?」
「……あ~もうっ! わかりました、わかりましたよ。協力します~。私なんてテラフォーミングユニットの仕事殆ど無くなっちゃって存在意味を失いかけてただけなんです~っ!!」
「みんなも協力するということでいいかな?」
グランツが聞くと全員が笑顔で頷いた。
「早速、考えてきた計画を伝えるわね。」
そう言うと彼女は大きなウィンドウを出して計画の内容を話始めた。
プレシアの計画は大きく3段階に分かれていた。
第1段階はヴィヴィオとアリシアが闇の書事件終了直後のアースラ内からアインスと夜天の書を持ってエルトリアに戻る。
第2段階はエルトリアでアインスを別の時間に連れて行く承諾を貰った後、夜天の書から管制プログラムを防衛システムから切り離せるようにする。
第3段階は準備の終えた夜天の書とリインフォースを元の場所に送った後、彼女が消失するタイミングで別のデバイスへと移動させてヴィヴィオと一緒にエルトリアに戻ってくる。
その中でグランツやユーリ、フィルを含めて論議が交わされて実際の計画を始めるのを待つことになった。
~コメント~
久しぶりの会話回でした。
ヴィヴィオとアリシアでエルトリアの状況認識に違いがあるのは、刻の護り人でヴィヴィオが最後にフィル達を連れていったのを話すのを忘れていたといううっかりミスです。
ですので、ヴィヴィオもアリシアの態度でそれに気づいて慌てて止めました。
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