01話 「想いの力・願いの力」

「―――」

 陽が沈み辺りが夕闇に染まった公園に1人の少女が立っている。
 彼女は瞼を閉じ、祈るような姿勢をとったままピクリとも動かない。それだけであれば誰も気に留めなかったであろう。
 だが通りかかった人は足を止めて彼女を見つめていた。
 彼女の胸元で輝く虹色の光球はそれ程美しかったのである。

「そうそう、集中してイメージをデバイスに流し込む感じで…」

少女の近くに立っている女性が言う。

「ハイッ!」
「気を散らさないで。集中しながら違う事を考えるの。一流の魔導師はみんな同時に幾つもの事を考えてるんだよ」
「はい…」

 彼女の声で再び瞼を閉じ集中する少女。

「うん、じゃあそれを的に向かって行く様にイメージして」
「―――」

 やがて虹色の光球は女性が言った通りの軌跡を描き、数メートル先に置いてあった空き缶に直撃した。

「上手上手♪ すごいじゃないヴィヴィオ!」
「…ふぅっ…ありがと、なのはママ♪」


 そう私こと高町ヴィヴィオは魔法の練習を母、高町なのはに見て貰っていた。
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00話 「遠い日の約束」

「ヴィヴィオ、いっぱい勉強して魔法も覚えるよ。」
「それで、ヴィヴィオがいつか…」
「そっか、楽しみだな♪」

 それはまだ私が『高町ヴィヴィオ』になったばかりの頃に交わした約束。


 世界は必然が折り混ざって成り立っている。
 
 それがどんなに偶然と思われようと、必ず何か理由があるからそこにある。

 もしそんな必然を変える力があったなら…

 もしそんな力を手にしたとき…

 あなたならどうしますか?
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