「これ…本当にヴィヴィオがしたの?」
翌朝、なのははフェイトやルーテシアを伴って昨日の場所に来ていた。薄暗かったからストライクスターズで岩山が吹き飛んで穴が出来ただけだと思っていたけれど…
明るくなった状態で見ると思っていた以上に凄まじい状態になっていた。
巨大なクレーターの中に水が流れ込んで小さな湖になっていたのだ。
周りには岩山だった物の残骸が付近に散らばっていて、放たれた魔法の威力を感じさせた。
当の本人は帰り支度をアリシアと一緒に行っている。終わり次第念話を送って貰って、聖王化を見せる事になっている。
「じゃあ練習に戻ろっか、でも今日は魔法を使わないでね。」
ミウラとの話も終わり、なのははミウラに声をかけた。
「はい♪」
「ミウラちゃんは先に行ってて。私はヴィヴィオと少し話があるから」
ヴィヴィオも一緒に練習に戻ろうと椅子から立ち上がったけれど、彼女はヴィヴィオを引き留める。ミウラはペコリと頭を下げて部屋から出て行った。
「魔力計測値は…Sランク! ヴィヴィオ、プログラムで調整するよ。そのままじゃ魔力量に差がありすぎるから。少し重くなるけど我慢して」
なのははレイジングハートを通してヴィヴィオの魔力量を確認する。
この前は一瞬だけ見ただけだったけど彼女とミウラでは魔力保有量に差がありすぎる。
さっきの質問はこの為だったのだ。
(ヴィヴィオ…さっきベルカ聖王って言った。自分が聖王家の子孫なのを受け入れてるんだ…)
「うん、わかった♪」
こっちの世界に来てから6日目の朝、ヴィヴィオが起きてくるとキッチンではメガーヌとなのはが2人で朝食の準備をしていた。
キョロキョロと辺りを見るがフェイトの姿が見当たらない。
「おはようございます。あれ? フェイトママは?」
「おはようヴィヴィオ、フェイトちゃんは空港まで迎えに行ってるの。練習に参加したいって子がいるから」
誰だろう? 首を傾げる
突然目の前が真っ暗になって、気がついたら全然知らない部屋に私は居た。
「ホホハ…(ここは)」
しゃべろうとしたら口に何か挟まっていて上手く言葉に出来ない。口の物を取ろうとして手も動かず、後ろで何かに固められているらしい。
(何…)
「ヴィヴィオ、起きた? 大丈夫?」
「アヒヒア(アリシア)」
「声を出さないで静かに、わかったら頷いて、違ったらゆっくり横に顔を振って。何処も痛くない? 気分はどう?」
「明日からの練習なんだけど何かリクエストあるかな?」
全員で楽しい夕食の後、お茶を入れながらなのはが聞いてきた。
「チーム戦をするには人数も少ないし、基礎練習と何度か1on1でいいんじゃないかな? 次のインターミドルまで時間はあるからその間に基礎力強化と弱点を克服、得意技を更に強化する。」
こっちのヴィヴィオやアインハルト達が頷く。
そこへ私が手を挙げる。
「ここがカルナージ…」
3日目、ヴィヴィオとアリシアはヴィヴィオ、アインハルト達と無人世界カルナージにやって来た。
魔法を使った模擬戦や練習試合をするにもミッドチルダでは色々制約があり、特にRHdは起動させるだけで問題がある。
(仕方ないよね…)
それなのに先日の誘拐でRHdと悠久の書を使ってしまい、心配性のフェイトが急かした事もあって予定より1日早くカルナージに来ることになってしまった。
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