第04話「彼女の責務」
- リリカルなのは AgainStory3 > 第1章 「わたしがですかっ!?」
- by ima
- 2012.11.03 Saturday 08:22
「アリシアごきげんよう」
「ごきげんよう、リオ」
登校中のアリシアにリオが声をかけた。
リオと一緒に談笑しながら歩いていると何やら校門前が騒がしい。
「なんだろう?」
校門辺りに生徒が集まっている。
歩みを速めて集まっている中に入る。見ると1台の車が校門付近に停まっていた。
黒塗りで中が見えないようになっているから皆気になるのだろう。
「ごきげんよう、リオ」
登校中のアリシアにリオが声をかけた。
リオと一緒に談笑しながら歩いていると何やら校門前が騒がしい。
「なんだろう?」
校門辺りに生徒が集まっている。
歩みを速めて集まっている中に入る。見ると1台の車が校門付近に停まっていた。
黒塗りで中が見えないようになっているから皆気になるのだろう。
しかしアリシアはそのアッと思い出した。そのまま車に近づき会釈すると窓が少し開いて男性が顔を見せた。
「テスタロッサさん、おはようございます。」
「おはようございます。昨日の話ですが私達も彼女に合わせますね。」
そう言うと彼は苦笑いする
「…ハハハ、ありがとうございます。」
「頑張って下さい。」
そう言ってそのまま校門を通り過ぎた。
「アリシア、あの車の人知ってるの?」
「ちょっとね♪ ヴィヴィオももう来てるみたい。教室行こう」
「えっ、ちょっと待ってよ~」
追いかけてくるリオに笑って答えそのまま校舎へと入った。
昨日話を聞いた時からこうなるとアリシアも気づいていた。
「やっぱり居た♪ ごきげんよう、ヴィヴィオ、コロナ」
「アリシア、リオごきげんよう」
教室に入るとヴィヴィオが机に突っ伏して肩で息をしていた。心配そうにコロナが見守っている。
「ヴィヴィオ、大丈夫?」
「へ、平気…駅から走ってきただけだから…全力で…」
ヴィヴィオが家を出ると前に車が居たから全力で駅まで走ってそのままレールトレインに乗り込んだ。これでもう追っては来られないだろうと思っていたが学院の最寄り駅で降りた所でしっかり先回りされていた。
「高町さん、また会いましたね♪ 朝から走って喉も渇いたでしょう。」
ジュースを片手に笑顔で待っていた彼を見て、そこから再び学院まで全速ダッシュして教室に駆け込んだ。
「あ~やっぱりね♪」
「だって、駅の前に居るんだよっ? みんなに見られるの嫌だよっ!!」
「悪い人に追いかけられてるんだったら先生かシスター、管理局の人に相談しようよ。」
「そう言えばアリシアは追いかけてる人知ってるんだよね? さっき挨拶してたし…誰?」
「うん…管理局の人。」
「「え?」」
聞き返した2人へヴィヴィオに代わってアリシアが答えた。
「本局広報部の担当者さん。」
端から見ればかなり悪質なストーカー。しかし精神的にはともかく安全は保証されているし管理局の看板を背負っているから余計始末が悪い。
このままだと教会や無限書庫に行く途中も追い回されるのは確実だろう。考えると気が重い。
「昨日ママ達と話したんだけど、私達もヴィヴィオに合わせるよ。さっき言ってきたから頑張って♪」
アリシア、プレシア、チェントもヴィヴィオがはやて役をするなら協力するということ…
「リオ~コロナ~アリシアが虐める~っ!!」
ヨヨヨと側にいたコロナに抱きついた。
そして…事態はヴィヴィオが考えているより悪い方向へ進んでいた。魔法実技の練習中、グラウンドを見ると端に車が停まっていて気づいて見るとこっちに手を振ってくるし、教室からも見える位置を見つけたらしくずっとそこに停まっていた。
学院から出ると予想通り声をかけられ駅まで全力で走る事になり、ミッド地上本部から本局への転送ゲートを通り無限書庫へ行った時には…
「授業ご苦労様です。ミッドチルダで美味しいお菓子の店を見つけましたので買ってきました。高町さんも一緒に食べませんか?」
と先回りされていた。
本当に気を休める場所もない…
「ユーノさん~…」
「う~ん…僕にもどうにも出来ないんだ。調査の打ち合わせということで入室許可も出ちゃってるし彼も局員だから追い返せないんだよね。」
「…………」
苦笑しながら答えるユーノにヴィヴィオは返す言葉が見つからず項垂れた。
そんな日々が数日続くと普段元気の塊の様な彼女の様子も変わってしまい、ある日の夕方プレシアの研究施設のロビーでぐったりとなったヴィヴィオの姿があった。
追い回され無視しようとしたが一方的に話しかけられ、歩く速さで後ろから車に乗って追いかけてくるから通勤の迷惑になってしまい毎朝全力で走る羽目になった。
そして無限書庫で調べ物をしている最中も時々話かけてきて気が散って集中出来ないし、他の司書の先輩方にも迷惑をかけてしまっている。最近視線が痛い…
彼が来てから朝の練習どころじゃない。
聖王教会に行けば流石に入って来られないけれど、生憎イクスやセイン達が巡教中で話す相手も居ないから話し相手がいない。
唯一心休める場所がここだった。
彼女の様子を見てプレシアが苦笑する。
「大変そうね、ご苦労様」
「プレシアさん、変なところ見せちゃってごめんなさい。」
慌てて座り直して乱れた髪を整える。
「ゆっくりしていきなさい。話はアリシアから聞いているわ。それより彼に出ません、追いかけないでって言えばいいのじゃなくて?」
「何度も言ってるんですが、もう1度考え直してもらえないかって…はやてさんが私の名前を出すから~…」
もしいつか彼女と模擬戦をする機会があれば全力のストライクスターズを撃ち込んでやると心の中で何度も決めていた。
「私達も彼女に乗ったから人のこと言えないのだけど、どうしてヴィヴィオを選んだのかしら?」
「いつもの悪戯だと思います。今までカツラ付けられたり、シュテル達のケンカに巻き込まれたり、チェントの時もシグナムさんと模擬戦させらちゃったり色々ありましたから」
ニヤリと笑う彼女が脳裏に映りかけて慌ててかき消す。
だがその言葉にプレシアは首を傾げる。
「そう…彼女くらい頭が切れるならただの悪戯じゃないと思うけれど。イクスヴェリアの話も…っ!」
慌てて口を閉ざす。
「イクスの話? 何かあるんですか?」
「別に何でもないわ。そろそろアリシアとチェントが買い物から戻ってくる頃ね。ヴィヴィオももう帰らないとフェイト達が待っているわよ。」
「………」
明らかに狼狽えるプレシアにヴィヴィオは確信した。
「何かあるんですね…」
「これは誰にも話してはダメよ、勿論アリシアにも」
そう前置きを置いてプレシアは話始めた。
今イクスが行っている巡教使節は巡教が主目的ではなくマリアージュを殲滅する為に管理世界を回っている。
死体を基に増殖するマリアージュは時が経てば経つほど増加してしまう。元々死体兵器で拘束されたら爆発、炎上するマリアージュは紛争中の世界やテロ行為で貴重な戦力になってしまう。
不幸中の幸いかマリアージュに命令できるのはイクスヴェリアだけであり、どれだけ匿われていて隠れていても彼女の存在を知れば最優先目的が切り変わり、イクスに会って直接命令を受ける為に出てくる。それを狙って彼女を保護している聖王教会と管理局は巡教使節として各世界を回り彼女を求めて現れたマリアージュに対して燃焼防止弾を撃ち込み殲滅している。
作戦を含めそれら全ての行動はマリンガーデンでヴィヴィオが倒したマリアージュが発端であり、イクスだけでなくシャッハ、セイン、シグナム、ヴィータまでもが行った理由を知りヴィヴィオを少なからず驚かせた。
「この作戦で管理局と聖王教会をとりまとめて各世界との調整を行い使節団を送り出したのが八神はやて、彼女よ。」
「…はやてさん…」
地上本部司令という立場で彼女が何をしているのかを知らずヴィヴィオは更に驚く。
ヴィヴィオはマリンガーデンで倒した後スバルから防災計画の見直しがあったのを聞いて知っていただけで、他世界にマリアージュが居るとは考えてもいなかった。
しかしはやてはその後の事、他管理世界にマリアージュがいる可能性を鑑み2つの組織を仲介、取りまとめて指揮したのだ。
「ねぇヴィヴィオ、彼女と直接会って話してはどうかしら。広報部を通して聞いた話じゃなく彼女がヴィヴィオを指名した理由をあなたが聞いてみなさい。それでも納得出来ないなら参加しないとその場で言えばいいわ。そこまですれば彼女も広報部も納得するでしょう。」
「そうですね…そうします。ありがとうございます、プレシアさん」
プレシアの話を聞いてはやてへの認識を改める。
最初に聞いた時、すぐに彼女のイタズラだと思い込んでしまい、彼女とそれを伝えに来た広報部の彼に冷たくあたっていた。
『はやてちゃんらしいよね~♪』
(ママ達も…何か気づいてたんじゃ?)
彼女らしいという言葉にはヴィヴィオに対するイタズラもあるだろうけれど、管理局の1部署まで巻き込むのはおかしい。
指名した理由も一応は聞いている。落ち着いて改めて考えたらその奥にまだ何か隠されている気がする。
彼女の本心を知りたい。どうして私を彼女役に指名したのかを。
プレシアに言われた後その思いが強くなっていた。
翌日、学院の休みに合わせてヴィヴィオは1人家を出た。彼女には昨日のうちにメッセージを送って行く時間を伝えてある。
「おはようございます高町さん、お出かけですか?」
相変わらず出たのを見計らって1台の車が目の前に停まり、窓から彼が顔を見せた。
「おはようございます。これから八神はやてさんの家に行きます。」
「お送りしましょうか?」
数日前から何度も言ってくれた言葉。あれだけ無視したのに彼はずっと同じ様に言ってくれた。今までずっと断ったり、無視したり逃げていたことにすまなく思いながら、今日で答えを出す意味も含め
「お願いします。」
そう言うと彼は笑顔を見せ、後部ドアを開けて招き入れた。
小1時間後、ヴィヴィオの姿は八神家のリビングにあった。
車で送ってくれた彼はヴィヴィオを八神邸の前で下ろすとそのまま行ってしまった。もしかすると彼はヴィヴィオが八神邸、はやてに会うように促していたのかも知れない。
「ごめんな~まさかそんな事になってるって…ちょっと思ってたけど♪」
「やっぱり…でも、今日聞きに来たのはそんな事じゃなくて、はやてさんに直接聞きたいから来ました。」
「どうして私を選んだんですか? 古代ベルカ式魔法が使えるからとか管理局に所属してるからとかそんなんじゃなくて他に何か理由ありますよね。」
そう言うとはやてはう~んう~んと言いながら腕を組む。
「特にないよ♪ 面白いと思っただけ…」
「っ!! RHdセット…」
デバイスを出して一気に騎士甲冑モードを起動させようとするとはやてに両肩を押さえられた。
「冗談、冗談やって。ちゃんと理由はあるよ。もう…ちょっとくらい冗談通じてくれたらええのに…」
「本気で撃ちますよ…ストライクスターズ」
「わかった。ちゃんと話すから座って聞いてな」
ふぅっと息をついてソファーに腰を下ろす。
「…まだ秘匿情報になってるものもあるからみんなには秘密な…って前にも話してるとこもあるけどまぁ聞いて」
そう言って彼女は話し始めた。
~コメント~
もしAsシリーズの世界で2ndA'sが作られたら?
ヴィヴィオがなのは役というのはアリシア=フェイト役ですぐ思い浮かびましたが、もう少し色々持たせるつもりではやて役候補者になってもらいました。
Movie2ndA'sが舞台になっているので次話あたりからネタバレ含みます。劇場版をご覧になってない方は是非見に行かれる事をお薦めします。
「テスタロッサさん、おはようございます。」
「おはようございます。昨日の話ですが私達も彼女に合わせますね。」
そう言うと彼は苦笑いする
「…ハハハ、ありがとうございます。」
「頑張って下さい。」
そう言ってそのまま校門を通り過ぎた。
「アリシア、あの車の人知ってるの?」
「ちょっとね♪ ヴィヴィオももう来てるみたい。教室行こう」
「えっ、ちょっと待ってよ~」
追いかけてくるリオに笑って答えそのまま校舎へと入った。
昨日話を聞いた時からこうなるとアリシアも気づいていた。
「やっぱり居た♪ ごきげんよう、ヴィヴィオ、コロナ」
「アリシア、リオごきげんよう」
教室に入るとヴィヴィオが机に突っ伏して肩で息をしていた。心配そうにコロナが見守っている。
「ヴィヴィオ、大丈夫?」
「へ、平気…駅から走ってきただけだから…全力で…」
ヴィヴィオが家を出ると前に車が居たから全力で駅まで走ってそのままレールトレインに乗り込んだ。これでもう追っては来られないだろうと思っていたが学院の最寄り駅で降りた所でしっかり先回りされていた。
「高町さん、また会いましたね♪ 朝から走って喉も渇いたでしょう。」
ジュースを片手に笑顔で待っていた彼を見て、そこから再び学院まで全速ダッシュして教室に駆け込んだ。
「あ~やっぱりね♪」
「だって、駅の前に居るんだよっ? みんなに見られるの嫌だよっ!!」
「悪い人に追いかけられてるんだったら先生かシスター、管理局の人に相談しようよ。」
「そう言えばアリシアは追いかけてる人知ってるんだよね? さっき挨拶してたし…誰?」
「うん…管理局の人。」
「「え?」」
聞き返した2人へヴィヴィオに代わってアリシアが答えた。
「本局広報部の担当者さん。」
端から見ればかなり悪質なストーカー。しかし精神的にはともかく安全は保証されているし管理局の看板を背負っているから余計始末が悪い。
このままだと教会や無限書庫に行く途中も追い回されるのは確実だろう。考えると気が重い。
「昨日ママ達と話したんだけど、私達もヴィヴィオに合わせるよ。さっき言ってきたから頑張って♪」
アリシア、プレシア、チェントもヴィヴィオがはやて役をするなら協力するということ…
「リオ~コロナ~アリシアが虐める~っ!!」
ヨヨヨと側にいたコロナに抱きついた。
そして…事態はヴィヴィオが考えているより悪い方向へ進んでいた。魔法実技の練習中、グラウンドを見ると端に車が停まっていて気づいて見るとこっちに手を振ってくるし、教室からも見える位置を見つけたらしくずっとそこに停まっていた。
学院から出ると予想通り声をかけられ駅まで全力で走る事になり、ミッド地上本部から本局への転送ゲートを通り無限書庫へ行った時には…
「授業ご苦労様です。ミッドチルダで美味しいお菓子の店を見つけましたので買ってきました。高町さんも一緒に食べませんか?」
と先回りされていた。
本当に気を休める場所もない…
「ユーノさん~…」
「う~ん…僕にもどうにも出来ないんだ。調査の打ち合わせということで入室許可も出ちゃってるし彼も局員だから追い返せないんだよね。」
「…………」
苦笑しながら答えるユーノにヴィヴィオは返す言葉が見つからず項垂れた。
そんな日々が数日続くと普段元気の塊の様な彼女の様子も変わってしまい、ある日の夕方プレシアの研究施設のロビーでぐったりとなったヴィヴィオの姿があった。
追い回され無視しようとしたが一方的に話しかけられ、歩く速さで後ろから車に乗って追いかけてくるから通勤の迷惑になってしまい毎朝全力で走る羽目になった。
そして無限書庫で調べ物をしている最中も時々話かけてきて気が散って集中出来ないし、他の司書の先輩方にも迷惑をかけてしまっている。最近視線が痛い…
彼が来てから朝の練習どころじゃない。
聖王教会に行けば流石に入って来られないけれど、生憎イクスやセイン達が巡教中で話す相手も居ないから話し相手がいない。
唯一心休める場所がここだった。
彼女の様子を見てプレシアが苦笑する。
「大変そうね、ご苦労様」
「プレシアさん、変なところ見せちゃってごめんなさい。」
慌てて座り直して乱れた髪を整える。
「ゆっくりしていきなさい。話はアリシアから聞いているわ。それより彼に出ません、追いかけないでって言えばいいのじゃなくて?」
「何度も言ってるんですが、もう1度考え直してもらえないかって…はやてさんが私の名前を出すから~…」
もしいつか彼女と模擬戦をする機会があれば全力のストライクスターズを撃ち込んでやると心の中で何度も決めていた。
「私達も彼女に乗ったから人のこと言えないのだけど、どうしてヴィヴィオを選んだのかしら?」
「いつもの悪戯だと思います。今までカツラ付けられたり、シュテル達のケンカに巻き込まれたり、チェントの時もシグナムさんと模擬戦させらちゃったり色々ありましたから」
ニヤリと笑う彼女が脳裏に映りかけて慌ててかき消す。
だがその言葉にプレシアは首を傾げる。
「そう…彼女くらい頭が切れるならただの悪戯じゃないと思うけれど。イクスヴェリアの話も…っ!」
慌てて口を閉ざす。
「イクスの話? 何かあるんですか?」
「別に何でもないわ。そろそろアリシアとチェントが買い物から戻ってくる頃ね。ヴィヴィオももう帰らないとフェイト達が待っているわよ。」
「………」
明らかに狼狽えるプレシアにヴィヴィオは確信した。
「何かあるんですね…」
「これは誰にも話してはダメよ、勿論アリシアにも」
そう前置きを置いてプレシアは話始めた。
今イクスが行っている巡教使節は巡教が主目的ではなくマリアージュを殲滅する為に管理世界を回っている。
死体を基に増殖するマリアージュは時が経てば経つほど増加してしまう。元々死体兵器で拘束されたら爆発、炎上するマリアージュは紛争中の世界やテロ行為で貴重な戦力になってしまう。
不幸中の幸いかマリアージュに命令できるのはイクスヴェリアだけであり、どれだけ匿われていて隠れていても彼女の存在を知れば最優先目的が切り変わり、イクスに会って直接命令を受ける為に出てくる。それを狙って彼女を保護している聖王教会と管理局は巡教使節として各世界を回り彼女を求めて現れたマリアージュに対して燃焼防止弾を撃ち込み殲滅している。
作戦を含めそれら全ての行動はマリンガーデンでヴィヴィオが倒したマリアージュが発端であり、イクスだけでなくシャッハ、セイン、シグナム、ヴィータまでもが行った理由を知りヴィヴィオを少なからず驚かせた。
「この作戦で管理局と聖王教会をとりまとめて各世界との調整を行い使節団を送り出したのが八神はやて、彼女よ。」
「…はやてさん…」
地上本部司令という立場で彼女が何をしているのかを知らずヴィヴィオは更に驚く。
ヴィヴィオはマリンガーデンで倒した後スバルから防災計画の見直しがあったのを聞いて知っていただけで、他世界にマリアージュが居るとは考えてもいなかった。
しかしはやてはその後の事、他管理世界にマリアージュがいる可能性を鑑み2つの組織を仲介、取りまとめて指揮したのだ。
「ねぇヴィヴィオ、彼女と直接会って話してはどうかしら。広報部を通して聞いた話じゃなく彼女がヴィヴィオを指名した理由をあなたが聞いてみなさい。それでも納得出来ないなら参加しないとその場で言えばいいわ。そこまですれば彼女も広報部も納得するでしょう。」
「そうですね…そうします。ありがとうございます、プレシアさん」
プレシアの話を聞いてはやてへの認識を改める。
最初に聞いた時、すぐに彼女のイタズラだと思い込んでしまい、彼女とそれを伝えに来た広報部の彼に冷たくあたっていた。
『はやてちゃんらしいよね~♪』
(ママ達も…何か気づいてたんじゃ?)
彼女らしいという言葉にはヴィヴィオに対するイタズラもあるだろうけれど、管理局の1部署まで巻き込むのはおかしい。
指名した理由も一応は聞いている。落ち着いて改めて考えたらその奥にまだ何か隠されている気がする。
彼女の本心を知りたい。どうして私を彼女役に指名したのかを。
プレシアに言われた後その思いが強くなっていた。
翌日、学院の休みに合わせてヴィヴィオは1人家を出た。彼女には昨日のうちにメッセージを送って行く時間を伝えてある。
「おはようございます高町さん、お出かけですか?」
相変わらず出たのを見計らって1台の車が目の前に停まり、窓から彼が顔を見せた。
「おはようございます。これから八神はやてさんの家に行きます。」
「お送りしましょうか?」
数日前から何度も言ってくれた言葉。あれだけ無視したのに彼はずっと同じ様に言ってくれた。今までずっと断ったり、無視したり逃げていたことにすまなく思いながら、今日で答えを出す意味も含め
「お願いします。」
そう言うと彼は笑顔を見せ、後部ドアを開けて招き入れた。
小1時間後、ヴィヴィオの姿は八神家のリビングにあった。
車で送ってくれた彼はヴィヴィオを八神邸の前で下ろすとそのまま行ってしまった。もしかすると彼はヴィヴィオが八神邸、はやてに会うように促していたのかも知れない。
「ごめんな~まさかそんな事になってるって…ちょっと思ってたけど♪」
「やっぱり…でも、今日聞きに来たのはそんな事じゃなくて、はやてさんに直接聞きたいから来ました。」
「どうして私を選んだんですか? 古代ベルカ式魔法が使えるからとか管理局に所属してるからとかそんなんじゃなくて他に何か理由ありますよね。」
そう言うとはやてはう~んう~んと言いながら腕を組む。
「特にないよ♪ 面白いと思っただけ…」
「っ!! RHdセット…」
デバイスを出して一気に騎士甲冑モードを起動させようとするとはやてに両肩を押さえられた。
「冗談、冗談やって。ちゃんと理由はあるよ。もう…ちょっとくらい冗談通じてくれたらええのに…」
「本気で撃ちますよ…ストライクスターズ」
「わかった。ちゃんと話すから座って聞いてな」
ふぅっと息をついてソファーに腰を下ろす。
「…まだ秘匿情報になってるものもあるからみんなには秘密な…って前にも話してるとこもあるけどまぁ聞いて」
そう言って彼女は話し始めた。
~コメント~
もしAsシリーズの世界で2ndA'sが作られたら?
ヴィヴィオがなのは役というのはアリシア=フェイト役ですぐ思い浮かびましたが、もう少し色々持たせるつもりではやて役候補者になってもらいました。
Movie2ndA'sが舞台になっているので次話あたりからネタバレ含みます。劇場版をご覧になってない方は是非見に行かれる事をお薦めします。
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