第09話「時の流れに身を任せずに」
- リリカルなのは AdditionalStory > 第1章 もう1つの世界
- by ima
- 2014.03.09 Sunday 03:51
「やっぱり1発じゃ全部壊せないか・・・じゃあこれはどう?」
再びクロスファイアシュートの発射態勢をとる。
ティアナの得意魔法、クロスファイアシュートは複数の誘導弾によって空間制圧を目的に組まれたミッドチルダ式の魔法。ショットガンの様に小型の魔法弾殻を多数放つヴィヴィオの魔法―セイクリッドクラスターにとても似ている。しかしこの魔法にはセイクリッドクラスターに出来ないある『特性』がある。
それは多数のスフィア―誘導弾を集束させて砲撃魔法に出来る事。
スフィアの数を変える事で威力を調整出来、更に遠隔操作により離れた場所からでも発射可能、それらを応用すれば1人で相手に対し集中砲撃も出来る。
それらの特性を本能的に知ってか、ヴィヴィオはこの魔法を得意としていた。
それがブレイブデュエルの中で今火を噴く。
再びクロスファイアシュートの発射態勢をとる。
ティアナの得意魔法、クロスファイアシュートは複数の誘導弾によって空間制圧を目的に組まれたミッドチルダ式の魔法。ショットガンの様に小型の魔法弾殻を多数放つヴィヴィオの魔法―セイクリッドクラスターにとても似ている。しかしこの魔法にはセイクリッドクラスターに出来ないある『特性』がある。
それは多数のスフィア―誘導弾を集束させて砲撃魔法に出来る事。
スフィアの数を変える事で威力を調整出来、更に遠隔操作により離れた場所からでも発射可能、それらを応用すれば1人で相手に対し集中砲撃も出来る。
それらの特性を本能的に知ってか、ヴィヴィオはこの魔法を得意としていた。
それがブレイブデュエルの中で今火を噴く。
ヴィヴィオの周りに20発の魔法弾が生まれ
「いっけぇぇええっ!!」
海の上に数本の虹色の柱が生まれ防衛システムへと突き刺さった。
「うわ~派手♪ このペースじゃ私達の出番無いね。このまま勝っちゃいそう。」
アリシアが離れた場所からヴィヴィオの様子を眺めながら言う。
1人集中砲火のクロスファイアシュートで全てのシールドが壊されたらしく、本体の1部が爆発した。防衛システムからヴィヴィオに対しても激しく砲撃魔法が撃ち込まれているが、今のヴィヴィオには届かない。
素早く動くヴィヴィオについて行けていないのもあるが、当たると思った瞬間彼女の前にシールドが現れて傷1つ付けられていない。さっきまで苦戦していたのが嘘の様。
「フェイト、なのはっ! 何なんだアイツはっ」
そこへヴィータがやってきた。魔力が回復したらしい。
「うん、私達も驚いてるの・・・ヴィヴィオちゃん凄いね。」
「本当に凄い・・・でも・・・このままじゃ」
『そうやね。ちょっとマズイな~』
「はやて」
「はやてちゃん」
『後の事はまた相談するとしてそろそろ時間やね。』
「ホントだ。私達も行かなくちゃ」
レイジングハートを構えヴィヴィオに合流しようとするなのはに
「ん~。もう終わったかも。」
アリシアはそう言いながらヴィヴィオを指さした。
その先で彼女は数え切れないシューターを高速回転させ始めていた。
「これでおしまいっ!! RHd!」
ここではスキルカードを通してでないと魔法が使えないらしい。
まだ始めて数日しか経っていないヴィヴィオが使える魔法はインパクトキヤノンとディバインシューター、そしてその2つを組み合わせたクロスファイアシュートだけ。
でもこれらを組み合わせた魔法はあと1つだけある。
(本物にも通じたんだから出来るよね。)
出せるだけの魔法弾を作り出し回転させ始める。最初は緩やかな魔法弾の動きが徐々にスピードを上げながら輪を作る。その中に散らばっていた魔法弾も1つまた1つと加わっていく。
その間もヴィヴィオに対し砲撃魔法が撃ち込まれるが聖王の鎧が動いているらしく全て跳ね返されている。そして
「いっけぇええええっ!最大出力っ」
手を振り下ろしたのと同時に集束し今までで1番大きなクロスファイアシュートが撃ち出された。それと同時にヴィヴィオも動く。
スピードを付けて一気に降下、海面すれすれで方向転換しクロスファイアシュートを追いかける。
当たる瞬間を狙って自らを弾頭としてぶつけるのだ。
だが・・・一瞬防衛システムから伸びた触手が庇うような動きを見せた。
「えっ? 嘘でしょっ!?」
慌てて速度を上げ
「インパクトキヤノンっ!!」
自らの放ったクロスファイアシュートに対してインパクトキヤノンを放ち
「RHdっ鎧で受け止めるよ!!」
【All Right】
ぶつかる寸前で防衛システムとの間に入り自らの放ったクロスファイアシュートを受け止める。
『TimeOver』
爆発音と共にゲーム画面とモニタに表示されヴィヴィオ達のデビュー戦は終了した。
「ふぅ・・・」
デュエルが終わってシミュレーションから出てくる。
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
何故か静まりかえった会場。その場に居た全員の視線がヴィヴィオに向けられていた。解説役のアリシアまで時が止まったかの様にこっちを見ている。
(わ、私何かマズイ事しちゃった。)
思わず数歩下がってしまう。その様子を見てか
「ヴィヴィオ凄いじゃない♪ アリシアもそう思うでしょ」
「あっ、う、うん。凄すぎて解説の私までビックリしちゃった。ってことで新システムの紹介でした~。挑戦してくれた5人に拍手♪」
疎らだった手を叩く音が少しずつ増えやがて大喝采になった。ヴィヴィオ達はペコリと礼をしてその場を後にした。
「お疲れ様ヴィヴィオ。やっと使えたね。」
オペレーションルームで休憩していたらアリシアが隣に腰を下ろす。
「うん…」
ゲームの中でだけど、ようやく見つけられた元の世界に戻るきっかけ。そして相棒が見つかった事で少し落ち着いた気がする。
「どうして最後倒さなかったの?」
「私も聞きたい。」
「アレが当たってたら勝ったのに・・・どうして?」
フェイトとなのはも気になっていたらしく聞いてくる。
「う~ん、何となくなんだけど…」
と話し始めた時
「ヴィヴィオーっ!!」
「「「!?」」」
荒ぶった声と一緒にヴィータが駆け込んできた。
「何なんだっ最後のはっ!!」
「えっ? さ、最後のって?」
「アレだよ。お前白のセイクリッドじゃねーのか? 私のブレイブホルダーにあんな機能見たこと無いぞっ!!」
「え、あっ、あ、あれはね…」
怒っているのか余りの迫力にしどろもどろになって話そうとするけれど上手く言葉に出来ない。
「やっと追いついた。ヴィータちょっと待ち。そんな勢いで迫ったらヴィヴィオちゃんも話せへんよ」
「はやて」
「やほ~♪ ヴィヴィオちゃん、なのはちゃん、フェイトちゃん、アリシアちゃん」
「はやてちゃん」
はやてが手を振っていた。彼女はヴィータの頭を撫で落ち着かせる。
「うん、夜に話してもええかな~と思ってたんやけど、こっちで聞いた方がみんな揃ってるからええかなって」
「何を?」
「ヴィヴィオちゃんとアリシアちゃんの正体」
「「!?」」
和やかに爆弾を落とされた。
「T&Hの看板娘、アリシアちゃんとファミリーネームまで同じでフェイトちゃんとそっくり。それだけでも十分。落ち着いたら話してくれると思ってたけど、話してくれそうにないしブレイブデュエルでアレ見せられたらな…フォローする意味も含めてやけど話し聞かせて貰おうと思ってるんやけど、どう? ついでに最後倒さへんだ理由も教えてくれると嬉しいな」
微笑みながら話しているけれど、その言葉の節々に重圧感の様なものをヴィヴィオは感じた。
アリシアの方を見る。彼女もどうすればいいのか迷っている。
(流石にアレはまずかったかな…でももう見せちゃった後だし)
ここは覚悟を決めるしかない。
「ねえ、ちょっとお散歩しよっか」
その場に居たはやて達に向かって言った。
「ん~いい風、やっぱりここは気持ちいいね♪」
臨海公園で海から流れてくる風を感じて呟く。
「ヴィヴィオちゃん、そろそろええ? 他の誰かに聞かれへん様に外に出たのは判るけど、どうして臨海公園まで?」
はやてが聞く。後ろにはなのはとフェイト、ヴィータが居る。新システムの導入でお店が大忙しになっている中全員で出てくる訳にもいかないからアリシアにはお店に残って貰う様頼んだ。
「世界は必然が折り混ざって成り立っている。それがどんなに偶然と思われようと何か理由があるからそこにある。偶然だと思ってもそれは必然。だから時の流れに身を任せるんじゃなくて、自分の考えで自分の意志で動かなくちゃいけない。それが未来の必然になるんだから。」
1年位前にここで言った言葉を反芻する。
「ヴィヴィオちゃん?」
「ここで私は時の流れに任せちゃってた。でも…私は私の考えで私の意志で動かなくちゃいけないんだよね。」
「時の流れって…何を言ってるの?」
「なのは、フェイト、はやてさん、ヴィータ…もし異世界があってその世界がこことそっくりでみんなが居る…そんな事考えた事ない?」
「異世界? 何だよそれ。そんなの知らないぞ」
「昔からよくある話やね。そういう本は沢山あるし」
「ゲームでもあるよね。」
「うん」
4人がそれぞれ言い頷きあう。
「うん、じゃあ私が…私とアリシアがそんな異世界から来たって言ったら? 信じてくれる?」
「「「!!!」」」
「?」
なのは達が驚いた顔でこっちを見る。
「みんなブレイブデュエルで私のジャケット『白のセイクリッド』が珍しいって言ってたよね。私、どうしてあのジャケットが着られたのか知ってるんだ。アリシアのファミリーネーム、テスタロッサって言ってみんな驚いてたよね。私もファミリーネームがあるの。言えば驚かせちゃうと思って言ってなかったんだけど…」
「私の名前は…高町ヴィヴィオ。そして、私のママの名前は高町なのはとフェイト・テスタロッサ…」
「!? 私?」
「私となのはの…子供?」
なのはとフェイトが呟いた言葉にこくんと頷いた。
~コメント~
もしヴィヴィオがなのはイノセントの世界にやってきたら?
正体暴露な回でした。異世界の話をしたとして、はやては勿論理解出来るでしょうが、ここでは一般的な小学生のなのはやフェイト・ヴィータが理解出来たのかちょっと疑問が残ります。
昨年雷でお亡くなりになったパソコンですが、どうも問答無用に色んなものを入れすぎていて動作不良を起こしてしまい静奈君にパワーアップして貰いました。
これでもっといっぱい色々入れられます。
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