第10話「グランツ研究所にて~その3~」
- リリカルなのは AdventStory > 第1章 再会と出逢い
- by ima
- 2015.12.01 Tuesday 07:38
ヴィヴィオ達がデュエル中の頃、こっちの世界の高町なのはは彼女達と一緒にグランツ研究所へと向かっていた。
なのはとアリシアが出かけて少しした後、高町家にフェイトとアリシアが来た。
理由は道場で美由希に剣技を見せて欲しいとお願いしていたからなのだけれど
『アルバイトの子が風邪で休んじゃってお店が大変なの。お店手伝って~』
「わかった、みんなごめんね。」
桃子から電話がかかり彼女がお店を手伝いに行ってしまった。流石に止める訳にもいかず仕方なく部屋でおしゃべりしていると今度は士郎から電話がかかってきて
なのはとアリシアが出かけて少しした後、高町家にフェイトとアリシアが来た。
理由は道場で美由希に剣技を見せて欲しいとお願いしていたからなのだけれど
『アルバイトの子が風邪で休んじゃってお店が大変なの。お店手伝って~』
「わかった、みんなごめんね。」
桃子から電話がかかり彼女がお店を手伝いに行ってしまった。流石に止める訳にもいかず仕方なく部屋でおしゃべりしていると今度は士郎から電話がかかってきて
『なのは~、お店にお友達が来ているよ。』
「は~い。」
誰だろう?と思いながら2人と一緒に翠屋へ向かった。
そして、翠屋に着いてオープンテラスを見ると…
「!!」
「よっ♪ 昨日ぶり」
「……(軽く会釈する)」
「トーレにセッテ」
「こっちじゃ三月と七緒な、なのは、アリシア、フェイト」
セクレタリーのプレイヤー、三月と七緒が居たのだ。
「どうしてここにいるのっ!?」
驚くなのは達に対し、首を傾げる三月と七緒
「スバルから聞いてないのか? 私達とスバル、従姉妹で家も隣なんだ。」
「「「えっ? ええーっ!!」」」
直後3人の声が翠屋周辺に響き渡った。
「本当に驚いたよ~。スバルのお母さんがお母さんのお友達だって前に聞いたけど…」
「ええ、クイントちゃんお店に来たらみんなの分買って帰ってくれるお得意様よ。」
声を聞きつけてやってきた桃子が笑って言う。
「三月ちゃん、用があって来てくれたんだけど私が話すよりなのはの方が詳しいかなって。」
「私が?」
なのはは桃子と三月の顔を交互に見る。
「昨日、対戦した2人に会わせてくれ。」
昨日の対戦というのは多分セクレタリー戦、なのははガーディアンとして出ていたけれど彼女達には会っていない。アリシアは司会をしていた。フェイトも出たけれど今ここにいるのに『2人に会いたい』というのも変な話だ。 ということは…
「2人って…もしかしてヴィヴィオちゃんとアリシアちゃんですか?」
聞き返すと三月と七緒は頷いた。
昨日のセクレタリー戦で三月と七緒はヴィヴィオとアリシアに負けた。
三月に至っては得意な拳が届く距離で自分より小さくリーチも短い少女に敗北した。彼女にとってそれは相当ショッキングだったらしい。
ブレイブデュエルから出て高町ヴィヴィオという名前を家族に伝えると
「高町…クイントの友人に居た筈だが?」
と聞いて隣家に行って掃除中のクイントに聞くと
「ええ、知ってるわよ。でも…うちの子の方が良く知ってるわね。」
そして、学校から帰ってきたスバルに聞くと
「うん、知ってるよ。ヴィヴィオって子は知らないけどなのはさんとはよく遊ぶよ。」
「という訳でここに来れば会える思った。もう1度、アイツとヴィヴィオと勝負がしたい。侵略戦とかじゃなくて1対1で正々堂々と。教えてくれ、ヴィヴィオは何処にいるんだ?」
バンっとテーブルを叩く様に手をつき頭を下げる三月とそれを見て軽く頭を下げる七緒
「七緒ちゃんも?」
「……次は勝つ、絶対」
寡黙な彼女、しかしその瞳はメラメラと燃えていた。
それを見てなのははフェイトの顔を見る。彼女は笑みを浮かべながら強く頷いた。
「人気者だね、ヴィヴィオちゃんとアリシアちゃん。ヴィヴィオちゃん達はグランツ研究所に行ってます。きっと今頃対戦してると思いますから一緒に行きましょう。」
そうしてなのは達は三月達と一緒にグランツ研究所へと向かった。
「私達が1勝も出来ないなんて…」
「なにこれ、滅茶苦茶強すぎる。」
「ぐぬぬぬぬっ!!」
グランツ研究所のプロトタイプシミュレーターの中ではシュテル達が項垂れていた。
『それじゃもう1回してみよっか、さっき失敗したところに注意して。デッキのカード変えてもいいよ。』
『みんなどんどん上手になってる。もう少し頑張ろう♪』
荒い息を吐く3人とは対照的になのはとフェイトは息も乱さず3人に笑顔で言うのだった。
ヴィヴィオとアリシアが1回ずつ対戦した後「もう1度勝負だっ!」とアリシアに挑戦しようとするレヴィに対して
「その前にちょっと良いかな。レヴィちゃんとシュテルちゃん私達とデュエルしない?」
なのはが2人にもちかけた。
結果-なのはとフェイトの圧勝。その様子を見てディアーチェも入りチームダークマテリアルズとして挑むが5戦して5敗、しかも
『シュテルちゃん、精密射撃に集中しすぎだよもっとエリア全部を見て。』
『レヴィ、前に出るのは良いけど連携も気にしなきゃダメ。』
『ディアーチェちゃんがチームの要なんだから相手をよく見て、2人に指示しなきゃ。』
最後の2戦は殆ど勝負とは言わず教導になっていた
「慣れちゃうと凄いね~」
「うん。」
さっきまでのデュエル会場が一転、今はもう2人の教練場になっている。
驚きを越えて半ば呆れたアリシアの言葉に頷く。
彼女達は昨日ブレイブホルダーとカートリッジを貰いカードを作って夜に初めてブレイブデュエルに入って今日カードを借りてプロトタイプを使った筈なのに…。
「さっき遊び方簡単に教えただけやのにすごいな。」
「3人を手玉に取るって…」
「Rカード3枚とN+1枚しか持ってないのに…いくら上位タイプのジャケットと言っても」
「何者ですか?」
モニタに映る映像にはやてとアミタとキリエ、ユーリは呆然と眺めていた。彼女達もここまで3人が負け続けるのは初めて見たのではないだろうか。
「えっと…ママ達は私達の世界で魔法、ブレイブデュエルの先生をしてまして…私も教えて貰ってるんです。」
「でも、さっきアリシアさんが言っていた得意な場所で言えば今のステージはシュテル達の方が圧倒的に得意です。カードの強さや攻撃力、防御力、ライフポイントも3人が上回ってます。デュエルがアリシアさんの様に実際の技術を使っている訳でもありませんから、得意な場所の話では説明できません。」
ユーリに言い返されどう言えば良いかと考える。
「私達のデュエルを見てレヴィやシュテルの弱点に気づいたんです。レヴィが再戦しようした時止めました、多分そのまましても負けちゃうって判ったからじゃないでしょうか。」
「弱点ですか? 1度見ただけでわかっちゃう弱点を私達が気づかないなんて…」
シュテルが砲撃魔法を放ったのに合わせてなのはがディバインバスターを放ち相殺する。
魔力消耗を抑える為かシュテルの攻撃値と同じ値で使っているのを見てユーリから感嘆の声が漏れる。
「私のも知ってるんじゃないかな、さっきフェイトがレヴィにアドバイスしてたし…」
「私はもう知られちゃってるしね。」
「…本当に凄いお母様達なんですね。」
アミタの言葉に苦笑した。その時ブレイブデュエルの映像モニタの横に新たなウィンドウが現れ
その中にグランツの顔が見えた。
『珍しいお客様だよ、アミタ達…というよりヴィヴィオ君とアリシア君に…かな』
「私達にですか? 誰だろう?」
「こっちのフェイト達じゃないよね? 珍しいって言わないから。」
アミタとキリエ、ユーリも頷く。
『そっちに行って貰ったからよろしく。今から全店メンテナンス後の接続をするんだ。ユーリすまないがこっちを手伝ってくれるかい?』
「わかりました。」
ユーリが答えるとウィンドウは消えた。
「博士のところに行ってきます。アミタ、キリエあとはお願いしますね。」
「は~い」
「任されました。」
ユーリが席を立って部屋から出て行こうとしたところに入れ替わって入ってきたのは…
「こんにちは~♪」
なのはとフェイト、アリシアだった。
「なんだ、珍しくないじゃん。」
アリシアが小声出呟いた次の瞬間現れた2人を見て
「「!?」」
思わず声が出そうになる。
「よっ♪ ようやく会えたな」
「……(会釈する)」
彼女達に続いてトーレとセッテが現れたからだ。
ヴィヴィオがなのは達と会った頃、中島クイントは台所で昼食を作っていた。
普通娘5人の食事だからそれ程時間をかけなくても良いのだけれど、長女が周囲の大食い大会のレコードホルダーでクイントを含めた他5人分をぺろりと平らげてしまうから10人分のご飯を用意しなければならない。
その分目が行き届かない妹達の世話もしてくれるから十分に助かってはいるのだけれど…
「食べた分、一体何処に行ってるのかしらね」
そんな事を思っていると火にかけていた鍋がカタカタと揺れ始めた。
「やだ、地震?」
慌てて火を止め静かに様子を見る。だがその揺れは地震にしては長い…
「もう兄さんはっ」
台所から玄関へと向かって家を出ると隣家の前に彼は居た。
「兄さん!! また変な実験してるでしょ、ご近所迷惑だから早くとめなさーいっ!!」
聞こえたのか彼は手で合図して家に駆け込み、暫く待つと地震が治まった。
「全く…子供も大きいんだから…」
彼の実験が原因だったらしい、溜息をつく。
「すみません、クイントさん。」
女性が1人謝りながら近寄ってくる。姪の二乃だ。
「いつもの事だから気にしないで。二乃こそ大変でしょうあんな父で…うちの旦那を見習って欲しいわ。」
「アハハハ…でも頼れるところもあるので。それより、何かしてる途中じゃ?」
「あっ! ご飯作ってる最中だった。後で呼ぶから食べに来て、兄さんにも話があるから逃げないようにって。」
「お手柔らかに…」
そう言って台所へと戻った。
1時間後、昼食の声をかけたのだけれど来たのは二乃だけで彼は地震の対応をしているらしいと聞いた。
(1度つかまえてしっかり話す必要はあるわね)
クイントは心に決めていた。
この時、この世界の誰もがまだ解けた紐が再び結い始まっているのに気づいていなかった。
~コメント~
今週末に予定がありまして更新できそうにないので先に掲載させて頂きました。
続々集まる登場人物達。
そして初登場な中島クイントさん(主婦?)
今までASシリーズを書かせて貰っていましたがクイントが登場しなかったのは幾つか理由があります。
1期~A’sでは影もありませんし、AS世界やVividでは彼女を登場させるとスバルやノーヴェの深層まで掘り下げる必要があります。ヴィヴィオの時空転移で行ける範囲ではあるのですが、スバル達も特に話さず、彼女の死もヴィヴィオが今ヴィヴィオとして居られる要因の1つになっているのでジュエルシード事件、闇の書事件、JS事件の様に動かせない出来事になっています。
(クイントが死ななければ後のギンガ・スバルの成長やティアナとの出逢い、機動6課への配属~ゆりかごからの脱出が変わってしまいます。)
でもイノセントではそんな事件もなんのそのって感じで色んな人物が
登場してますからようやく出せた次第です。
ちなみにヴィヴィオの時空転移最長距離(?)は
過去:AgainStory特別編でのクライド・ハラオウンへの取材
未来:輪廻~6・7~でのルネッサを送迎
になります。
ASシリーズは毎回大体5話~6話先を書きながら掲載しており今話掲載時は17話にかかる感じです。ですので次回登場する2人と2匹は流石にビックリしました。
(多分こうなってるんじゃないかな~という話を考えていたら8割方予想道理だったので…数書けばこういうこともあるものなんですね。)
「は~い。」
誰だろう?と思いながら2人と一緒に翠屋へ向かった。
そして、翠屋に着いてオープンテラスを見ると…
「!!」
「よっ♪ 昨日ぶり」
「……(軽く会釈する)」
「トーレにセッテ」
「こっちじゃ三月と七緒な、なのは、アリシア、フェイト」
セクレタリーのプレイヤー、三月と七緒が居たのだ。
「どうしてここにいるのっ!?」
驚くなのは達に対し、首を傾げる三月と七緒
「スバルから聞いてないのか? 私達とスバル、従姉妹で家も隣なんだ。」
「「「えっ? ええーっ!!」」」
直後3人の声が翠屋周辺に響き渡った。
「本当に驚いたよ~。スバルのお母さんがお母さんのお友達だって前に聞いたけど…」
「ええ、クイントちゃんお店に来たらみんなの分買って帰ってくれるお得意様よ。」
声を聞きつけてやってきた桃子が笑って言う。
「三月ちゃん、用があって来てくれたんだけど私が話すよりなのはの方が詳しいかなって。」
「私が?」
なのはは桃子と三月の顔を交互に見る。
「昨日、対戦した2人に会わせてくれ。」
昨日の対戦というのは多分セクレタリー戦、なのははガーディアンとして出ていたけれど彼女達には会っていない。アリシアは司会をしていた。フェイトも出たけれど今ここにいるのに『2人に会いたい』というのも変な話だ。 ということは…
「2人って…もしかしてヴィヴィオちゃんとアリシアちゃんですか?」
聞き返すと三月と七緒は頷いた。
昨日のセクレタリー戦で三月と七緒はヴィヴィオとアリシアに負けた。
三月に至っては得意な拳が届く距離で自分より小さくリーチも短い少女に敗北した。彼女にとってそれは相当ショッキングだったらしい。
ブレイブデュエルから出て高町ヴィヴィオという名前を家族に伝えると
「高町…クイントの友人に居た筈だが?」
と聞いて隣家に行って掃除中のクイントに聞くと
「ええ、知ってるわよ。でも…うちの子の方が良く知ってるわね。」
そして、学校から帰ってきたスバルに聞くと
「うん、知ってるよ。ヴィヴィオって子は知らないけどなのはさんとはよく遊ぶよ。」
「という訳でここに来れば会える思った。もう1度、アイツとヴィヴィオと勝負がしたい。侵略戦とかじゃなくて1対1で正々堂々と。教えてくれ、ヴィヴィオは何処にいるんだ?」
バンっとテーブルを叩く様に手をつき頭を下げる三月とそれを見て軽く頭を下げる七緒
「七緒ちゃんも?」
「……次は勝つ、絶対」
寡黙な彼女、しかしその瞳はメラメラと燃えていた。
それを見てなのははフェイトの顔を見る。彼女は笑みを浮かべながら強く頷いた。
「人気者だね、ヴィヴィオちゃんとアリシアちゃん。ヴィヴィオちゃん達はグランツ研究所に行ってます。きっと今頃対戦してると思いますから一緒に行きましょう。」
そうしてなのは達は三月達と一緒にグランツ研究所へと向かった。
「私達が1勝も出来ないなんて…」
「なにこれ、滅茶苦茶強すぎる。」
「ぐぬぬぬぬっ!!」
グランツ研究所のプロトタイプシミュレーターの中ではシュテル達が項垂れていた。
『それじゃもう1回してみよっか、さっき失敗したところに注意して。デッキのカード変えてもいいよ。』
『みんなどんどん上手になってる。もう少し頑張ろう♪』
荒い息を吐く3人とは対照的になのはとフェイトは息も乱さず3人に笑顔で言うのだった。
ヴィヴィオとアリシアが1回ずつ対戦した後「もう1度勝負だっ!」とアリシアに挑戦しようとするレヴィに対して
「その前にちょっと良いかな。レヴィちゃんとシュテルちゃん私達とデュエルしない?」
なのはが2人にもちかけた。
結果-なのはとフェイトの圧勝。その様子を見てディアーチェも入りチームダークマテリアルズとして挑むが5戦して5敗、しかも
『シュテルちゃん、精密射撃に集中しすぎだよもっとエリア全部を見て。』
『レヴィ、前に出るのは良いけど連携も気にしなきゃダメ。』
『ディアーチェちゃんがチームの要なんだから相手をよく見て、2人に指示しなきゃ。』
最後の2戦は殆ど勝負とは言わず教導になっていた
「慣れちゃうと凄いね~」
「うん。」
さっきまでのデュエル会場が一転、今はもう2人の教練場になっている。
驚きを越えて半ば呆れたアリシアの言葉に頷く。
彼女達は昨日ブレイブホルダーとカートリッジを貰いカードを作って夜に初めてブレイブデュエルに入って今日カードを借りてプロトタイプを使った筈なのに…。
「さっき遊び方簡単に教えただけやのにすごいな。」
「3人を手玉に取るって…」
「Rカード3枚とN+1枚しか持ってないのに…いくら上位タイプのジャケットと言っても」
「何者ですか?」
モニタに映る映像にはやてとアミタとキリエ、ユーリは呆然と眺めていた。彼女達もここまで3人が負け続けるのは初めて見たのではないだろうか。
「えっと…ママ達は私達の世界で魔法、ブレイブデュエルの先生をしてまして…私も教えて貰ってるんです。」
「でも、さっきアリシアさんが言っていた得意な場所で言えば今のステージはシュテル達の方が圧倒的に得意です。カードの強さや攻撃力、防御力、ライフポイントも3人が上回ってます。デュエルがアリシアさんの様に実際の技術を使っている訳でもありませんから、得意な場所の話では説明できません。」
ユーリに言い返されどう言えば良いかと考える。
「私達のデュエルを見てレヴィやシュテルの弱点に気づいたんです。レヴィが再戦しようした時止めました、多分そのまましても負けちゃうって判ったからじゃないでしょうか。」
「弱点ですか? 1度見ただけでわかっちゃう弱点を私達が気づかないなんて…」
シュテルが砲撃魔法を放ったのに合わせてなのはがディバインバスターを放ち相殺する。
魔力消耗を抑える為かシュテルの攻撃値と同じ値で使っているのを見てユーリから感嘆の声が漏れる。
「私のも知ってるんじゃないかな、さっきフェイトがレヴィにアドバイスしてたし…」
「私はもう知られちゃってるしね。」
「…本当に凄いお母様達なんですね。」
アミタの言葉に苦笑した。その時ブレイブデュエルの映像モニタの横に新たなウィンドウが現れ
その中にグランツの顔が見えた。
『珍しいお客様だよ、アミタ達…というよりヴィヴィオ君とアリシア君に…かな』
「私達にですか? 誰だろう?」
「こっちのフェイト達じゃないよね? 珍しいって言わないから。」
アミタとキリエ、ユーリも頷く。
『そっちに行って貰ったからよろしく。今から全店メンテナンス後の接続をするんだ。ユーリすまないがこっちを手伝ってくれるかい?』
「わかりました。」
ユーリが答えるとウィンドウは消えた。
「博士のところに行ってきます。アミタ、キリエあとはお願いしますね。」
「は~い」
「任されました。」
ユーリが席を立って部屋から出て行こうとしたところに入れ替わって入ってきたのは…
「こんにちは~♪」
なのはとフェイト、アリシアだった。
「なんだ、珍しくないじゃん。」
アリシアが小声出呟いた次の瞬間現れた2人を見て
「「!?」」
思わず声が出そうになる。
「よっ♪ ようやく会えたな」
「……(会釈する)」
彼女達に続いてトーレとセッテが現れたからだ。
ヴィヴィオがなのは達と会った頃、中島クイントは台所で昼食を作っていた。
普通娘5人の食事だからそれ程時間をかけなくても良いのだけれど、長女が周囲の大食い大会のレコードホルダーでクイントを含めた他5人分をぺろりと平らげてしまうから10人分のご飯を用意しなければならない。
その分目が行き届かない妹達の世話もしてくれるから十分に助かってはいるのだけれど…
「食べた分、一体何処に行ってるのかしらね」
そんな事を思っていると火にかけていた鍋がカタカタと揺れ始めた。
「やだ、地震?」
慌てて火を止め静かに様子を見る。だがその揺れは地震にしては長い…
「もう兄さんはっ」
台所から玄関へと向かって家を出ると隣家の前に彼は居た。
「兄さん!! また変な実験してるでしょ、ご近所迷惑だから早くとめなさーいっ!!」
聞こえたのか彼は手で合図して家に駆け込み、暫く待つと地震が治まった。
「全く…子供も大きいんだから…」
彼の実験が原因だったらしい、溜息をつく。
「すみません、クイントさん。」
女性が1人謝りながら近寄ってくる。姪の二乃だ。
「いつもの事だから気にしないで。二乃こそ大変でしょうあんな父で…うちの旦那を見習って欲しいわ。」
「アハハハ…でも頼れるところもあるので。それより、何かしてる途中じゃ?」
「あっ! ご飯作ってる最中だった。後で呼ぶから食べに来て、兄さんにも話があるから逃げないようにって。」
「お手柔らかに…」
そう言って台所へと戻った。
1時間後、昼食の声をかけたのだけれど来たのは二乃だけで彼は地震の対応をしているらしいと聞いた。
(1度つかまえてしっかり話す必要はあるわね)
クイントは心に決めていた。
この時、この世界の誰もがまだ解けた紐が再び結い始まっているのに気づいていなかった。
~コメント~
今週末に予定がありまして更新できそうにないので先に掲載させて頂きました。
続々集まる登場人物達。
そして初登場な中島クイントさん(主婦?)
今までASシリーズを書かせて貰っていましたがクイントが登場しなかったのは幾つか理由があります。
1期~A’sでは影もありませんし、AS世界やVividでは彼女を登場させるとスバルやノーヴェの深層まで掘り下げる必要があります。ヴィヴィオの時空転移で行ける範囲ではあるのですが、スバル達も特に話さず、彼女の死もヴィヴィオが今ヴィヴィオとして居られる要因の1つになっているのでジュエルシード事件、闇の書事件、JS事件の様に動かせない出来事になっています。
(クイントが死ななければ後のギンガ・スバルの成長やティアナとの出逢い、機動6課への配属~ゆりかごからの脱出が変わってしまいます。)
でもイノセントではそんな事件もなんのそのって感じで色んな人物が
登場してますからようやく出せた次第です。
ちなみにヴィヴィオの時空転移最長距離(?)は
過去:AgainStory特別編でのクライド・ハラオウンへの取材
未来:輪廻~6・7~でのルネッサを送迎
になります。
ASシリーズは毎回大体5話~6話先を書きながら掲載しており今話掲載時は17話にかかる感じです。ですので次回登場する2人と2匹は流石にビックリしました。
(多分こうなってるんじゃないかな~という話を考えていたら8割方予想道理だったので…数書けばこういうこともあるものなんですね。)
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