第--話「旅路の果て」
- リリカルなのは AnotherStory > 第--章 流れの中で
- by ima
- 2009.03.07 Saturday 00:59
「ごきげんよう。昨日はじゃなかった。お久しぶりです」
「こんにちは・・じゃなかった。ごきげんよう、お姉ちゃん。」
クラナガンから聖王教会へ行く為列車に乗ろうとした時、私はあの親子と再会した。女の子はちょっとだけ大きくなっていて、私が会ったのはこの位だったかなと思い出す。母親もやつれていた頬が元に戻り、幸せそうだった。
この魔法を使えば喪失感を感じてしまう時がある。でも、こういう時は嬉しい。挨拶した後、立ち話をしていると列車が出そうになり、慌てて乗り込む。
「ありがとうございました。あの時は・・・お礼も言えなくて・・・」
元々優しい人だったんだろう。今が彼女の本当の姿なんだ。
「いえ、私も・・・私じゃなくて・・・えっと、とにかく私もお世話になるかも知れないので・・」
彼女の家に何度も遊びに行ったのだから彼女にも会っている。あの時にはもう知ってたんだ。
「こんにちは・・じゃなかった。ごきげんよう、お姉ちゃん。」
クラナガンから聖王教会へ行く為列車に乗ろうとした時、私はあの親子と再会した。女の子はちょっとだけ大きくなっていて、私が会ったのはこの位だったかなと思い出す。母親もやつれていた頬が元に戻り、幸せそうだった。
この魔法を使えば喪失感を感じてしまう時がある。でも、こういう時は嬉しい。挨拶した後、立ち話をしていると列車が出そうになり、慌てて乗り込む。
「ありがとうございました。あの時は・・・お礼も言えなくて・・・」
元々優しい人だったんだろう。今が彼女の本当の姿なんだ。
「いえ、私も・・・私じゃなくて・・・えっと、とにかく私もお世話になるかも知れないので・・」
彼女の家に何度も遊びに行ったのだから彼女にも会っている。あの時にはもう知ってたんだ。
「以前の・・・『その時』が今日なのでしょうか」
「それはまだ・・でも、何もせずに『その時』が来てもダメなんです。」
リンディさんに頼んだ今と違う今。それ以上言うと、言葉の端から読み取られるかも知れない。
彼女達はそれが出来る。
「それは先に手を打たせて貰いました。驚くわよ~きっと♪」
女性とリンディさんが2人でニコッと笑った。
絶対何か仕掛けたんだ。私はそう確信した。
「ごきげんよう。ようこそ、リンディ統括官」
聖王教会に着いた時、そこには教会騎士のカリムの姿があった。
「ごきげんよう、騎士カリム」
「ごきげんよう。え・・あなたは?」
そうか、気付いていないんだ。予言で力の詩編が現れるのはまだ少し後、ここではまだ・・・
「リンディさん、私は付き添いと言うことで」
リンディさんに耳打ちすると、ウィンクをして答える。
「彼女はこの親子のハウスキーパーで、以前こちらにお世話になっていたそうです」
「そうですか、失礼しました。騎士はやてはまだ暫くかかると連絡を受けました。それでは先に・・」
「私はカリム理事官と彼女と少し話があるから、暫くこの子と遊んでいてくれるかしら?」
「わかりました。ねえ、私とこの辺お散歩しようか。ママ達大切なお話があるんだって」
「うん♪」
少女と手を繋ぎ、建物に入らず教会の方へ行って見ることにした。
「懐かしい・・でも全然変わってない。」
「お姉ちゃん、ここ知ってるの?」
「うん、いっぱい遊んだの。友達と一緒に!」
強大な魔力に怯えていた私に、彼女はここで言ってくれた・・『それが何なの』って。
魔法能力はこの世界でも素質とか能力として見られてしまう。勿論高ければ高いほど少ない。
その世界の中で私はいつでも怯えていた。
でも、彼女がその壁を壊してくれたんだ・・・
「お姉ちゃん、どうしたの?」
少女の声で我に返る。じっと見つめられて気になったのだろう。
「何でもないよ。ちょっと思い出しただけ」
そうこうしていると、セインが頭をさすりながら出てきた。
「ったくもー! ディードってばもうちょい手加減してくれても・・ッタタ。はやても止めてくれないし・・」
(この頃、ディードはセインを止めるのに金槌もってたんだっけ)
最初はコツンと叩く程度だったんだけど、何度もしてるうちに手が痛くなってきてヴィータさんのデバイスを見て思いついたって言ってたかな。
ディープダイバーが失敗した時の為に頭部を硬くしたのかもとふと思った。
「はやてさん着いたみたい。戻ろう」
「うん♪」
少女と手を繋いで私は来た道を戻った。
【コンコン】
「はーい、どうぞ♪」
リンディさん達と合流して、案内された応接室へと入った。
「失礼します」
「リンディ統括官!お久しぶりです。それに・・・あれ?? どっかで・・・」
いつもの様に挨拶をする。
「はやてさん、ごきげんよう♪」
「え? 私名前言いました? えっと・・初めてお会いすると思うんですけど・・・」
あっ、しまったっ・・・はやてさんと私の反応にリンディさんがクスッと笑う。
「ねぇ・・はやてさん。彼女・・見覚え無いかしら?それにこの子も」
ジュエルシード事件を知っていればすぐ判ると思ったけど、思い出せないらしい。
私を含めて3人の顔を何度もみてう~んと考えたあと。両手を挙げた
「もう降参します。この子は私の・・って言うより、リンディ統括官の・・」
ソックリなんだから気付くだろう。ちょっと面白かい。でもこれ以上いじめるのも可哀相だからコンタクトを外した。
「だったら、これでわかりますか? はやてさん♪」
「あぁーっっ! 何で、どうして・・ちょっと前に写真送ってくれた時、こんな位やったし、まだ・・っ、ええっ。」
一発で気付いたらしい。大声で叫んだ後何か呟いて慌てて端末に手をかけた。
流石に今連絡されると大事になる。慌ててはやてさんの手を押さえて止める。
「ちょっちょっとストップ。それはダメだって!!」
「落ち着きましょう、はやてさん」
「そんなん落ち着いてる状況とちゃいます!!」
数日前まで小さな女の子だったのに、突然この姿を見たのだ。知っているから余計に慌てさせちゃったのだろう。
ごめんね、はやてさん。
そんな狼狽した彼女に少女が
「お茶を飲めば落ち着きますよ」
とティーカップにお茶を入れて差し出した。
「はぁ・・それでですか。」
出されたお茶を飲んで落ち着きを取り戻した後、話を聞いてくれた。右から左に抜けてなければいいんだけど・・大丈夫かな?
「彼女の正体を知っているのは私だけ・・・私もまさかもう一度会えるなんて思ってなかったから、会った時凄く驚いたわよ」
「すみません、ここじゃリンディさんしか頼れる人居なくて」
今は随分頼ってしまった。それを平気な顔で受け入れてくれたから本当に助かった。
「いいえ、私も彼女達とは是非会いたかったもの。ありがとう」
「それで、私は・・お二方の面識は無いんですけど・・・まさか・・」
疑問は彼女たち親子に移っていた。多分気付いただろう。
「流石、勘が良いわね。そう、そのまさか♪ だから、是非会いたかったんだって」
「・・・・・・」
リンディさんの言葉を聞いて、もう一度深いため息をついた。
「と・・とにかく話はわかりました。それでどうして私を? もっと適任者が居るでしょう? 例えば・・」
はやてさんには知っていて欲しいとは言ったけど、ここからは私もは何も伝えていない。どうして知って欲しかったのかとか
多分先に騎士カリムと話があると言っていたのと関係してるんだろうけど・・
「彼女達が誰なのかを聞いて、そう聞いてくれるのを待っていたの。八神はやてさん、騎士はやての方がいいかしら・・・貴方が適任だと私が判断したの。JS事件の後、主犯と何人かは拘置施設にいるけれど、それ以外の関係者はミッドチルダで暮らしているわよね?」
「ええ、ここにセイン・オットー・ディードの3人とナカジマ家にチンク・ノーヴェ・ディエチ・ウェンディの4人いますけど?」
「もし、暮らしている彼女たちや関係者の身に何か、そうね・・私達じゃ解決出来ない内部面でのトラブルが起きたらどうする? それに・・」
リンディさんが私をチラリと見る。
「!!」
「そう、彼に頼めば何とかなるかも知れないけれど、それには時間がかかりすぎるし、許可が下りる確証はない。それでこの分野で彼に一番近い・・越えた技術者が近くにいれば・・・」
はやてさんの表情が変わった。さっきまでの混乱したのとは違う、機動六課の時の顔
「でも・・・リンディ統括官、彼女は・・」
「ええ、でも・・彼女が本人という確証は何処にもない。だってずいぶん昔に死亡確認されている人が同じ年齢でここに居たら変でしょう? ProjectFateを使うのは犯罪、でもそれで生まれた命に罪は無い。」
凄い・・・そこまで考えるなんて・・・驚かされる。でも、それに付け足せるのは・・あった!
「ここが一番いいの。この子の希望もあるし・・そうじゃないと・・多分」
「それ以上はダメよ!」
突然遮られた。それ以上話せば変わるかも知れないんだ。私はその甘さに気付いてそれ以上言うのを止めた。
「それで、お二方・・はこれから?」
「彼女は聖王教会直属の研究機関で働いて貰って、この子は・・」
えっ!何も言っていないのに!? どうしてこの世界に連れてきたのか気付いていた。だから列車で何も聞かなかったんだ。
「St.ヒルデ魔法学院初等科!」
少女も答える。そう、そこで私達は・・
「でも・・そこは・・確か・・・」
「ええ♪ モチロン知ってるわよ」
「多分、少し前に彼女が倒れた筈です。だからもう知ってるかも・・」
確か、この頃に無限書庫に行ってアレを見つけたんだ。それで・・・
「・・・・ちょっとだけ見てみたいですね。その時の顔を」
本当に驚いたよ。あの時は・・・だって、別れた筈なのにどうしてって。そうか! それであの時はやてさんが学院に来てたんだ。
きっとビックリするよと言われて本当にビックリしたし、その後母さん達なんてもっと大変だったんだから・・・
でも、これでもう大丈夫。
きっと・・これ以上私がここに居ちゃいけない。また何か失敗しちゃったら大変だから。
「それじゃ私はこれで・・お世話になりました。お元気で」
「あっ、送っていきます。せめて門まで・・」
「あの・・もし・・・ですね」
正門に行かなくても良いんだけど、何か聞きたいのかな・・多分・・そう、はやてさんも
そう思って、正門まで送って貰おうと思った。
「お聞きになりたい事はわかります。それは出来ても、出来ません。はやてさんが望む事をすれば、きっと私もここも・・・そして最後には出来なくなります。」
歴史を大きく変えてしまうと、その後どうなるかは判らない。
だから私は歴史表舞台から消える瞬間の2人を連れ出し、違うページに貼り付けたんだ。
それが私のいた世界でも起きた事だから・・・でも、はやてさんの願いはきっと
「やっぱりそうなんですね。ありがとうございます。これでスッキリしました」
「ごめんなさい。」
彼女を蘇らせる。それは絶対未来を大きく変えてしまう。だから・・
「いいんです。もしそんな願いが叶うならってずっと思ってたんですが、これでわかりました。」
「本当にごめんなさい、はやてさん。 それじゃ、私はここで」
「またな」
「バイバイ」
そう言うと、私はその時を去った。
「おかえり、どうだった?」
目覚めた私の目の前に飛び込んできたのは家族の顔だった。
「うん、全部上手くできたよ。」
これで大丈夫。もう・・・これで
数年前に巻き込まれたある出来事、その後も色んな事があったけど多分これで終わり。
デバイスの中にある1冊の本に心の中で礼を言う。ありがとうと
明日無限書庫に戻そう。この本が手元にあれば何度も頼ってしまうから。
「じゃぁ、明日からだよね。頑張ろうね」
そんな母さん達の言葉に起きてみんなに敬礼して、はっきりと答えた。
「高町ヴィヴィオ候補生、頑張りますっ!」
~~コメント~~
もし、ヴィヴィオがなのはの幼少時、ジュエルシード事件の時代に来てしまったら・・・
そんな事を考えたのは「なのはStrikerS」の放送が終了した頃でした。でも、当時5~6歳の彼女だったらなのはとフェイトが争うのを止められず、泣くしか出来ないかも・・そう思いメモの中に消えてしまいました。
それを、StrikerSドラマCDを聞いた後に見た時書けるんじゃないか? というのがこの話です。
「それはまだ・・でも、何もせずに『その時』が来てもダメなんです。」
リンディさんに頼んだ今と違う今。それ以上言うと、言葉の端から読み取られるかも知れない。
彼女達はそれが出来る。
「それは先に手を打たせて貰いました。驚くわよ~きっと♪」
女性とリンディさんが2人でニコッと笑った。
絶対何か仕掛けたんだ。私はそう確信した。
「ごきげんよう。ようこそ、リンディ統括官」
聖王教会に着いた時、そこには教会騎士のカリムの姿があった。
「ごきげんよう、騎士カリム」
「ごきげんよう。え・・あなたは?」
そうか、気付いていないんだ。予言で力の詩編が現れるのはまだ少し後、ここではまだ・・・
「リンディさん、私は付き添いと言うことで」
リンディさんに耳打ちすると、ウィンクをして答える。
「彼女はこの親子のハウスキーパーで、以前こちらにお世話になっていたそうです」
「そうですか、失礼しました。騎士はやてはまだ暫くかかると連絡を受けました。それでは先に・・」
「私はカリム理事官と彼女と少し話があるから、暫くこの子と遊んでいてくれるかしら?」
「わかりました。ねえ、私とこの辺お散歩しようか。ママ達大切なお話があるんだって」
「うん♪」
少女と手を繋ぎ、建物に入らず教会の方へ行って見ることにした。
「懐かしい・・でも全然変わってない。」
「お姉ちゃん、ここ知ってるの?」
「うん、いっぱい遊んだの。友達と一緒に!」
強大な魔力に怯えていた私に、彼女はここで言ってくれた・・『それが何なの』って。
魔法能力はこの世界でも素質とか能力として見られてしまう。勿論高ければ高いほど少ない。
その世界の中で私はいつでも怯えていた。
でも、彼女がその壁を壊してくれたんだ・・・
「お姉ちゃん、どうしたの?」
少女の声で我に返る。じっと見つめられて気になったのだろう。
「何でもないよ。ちょっと思い出しただけ」
そうこうしていると、セインが頭をさすりながら出てきた。
「ったくもー! ディードってばもうちょい手加減してくれても・・ッタタ。はやても止めてくれないし・・」
(この頃、ディードはセインを止めるのに金槌もってたんだっけ)
最初はコツンと叩く程度だったんだけど、何度もしてるうちに手が痛くなってきてヴィータさんのデバイスを見て思いついたって言ってたかな。
ディープダイバーが失敗した時の為に頭部を硬くしたのかもとふと思った。
「はやてさん着いたみたい。戻ろう」
「うん♪」
少女と手を繋いで私は来た道を戻った。
【コンコン】
「はーい、どうぞ♪」
リンディさん達と合流して、案内された応接室へと入った。
「失礼します」
「リンディ統括官!お久しぶりです。それに・・・あれ?? どっかで・・・」
いつもの様に挨拶をする。
「はやてさん、ごきげんよう♪」
「え? 私名前言いました? えっと・・初めてお会いすると思うんですけど・・・」
あっ、しまったっ・・・はやてさんと私の反応にリンディさんがクスッと笑う。
「ねぇ・・はやてさん。彼女・・見覚え無いかしら?それにこの子も」
ジュエルシード事件を知っていればすぐ判ると思ったけど、思い出せないらしい。
私を含めて3人の顔を何度もみてう~んと考えたあと。両手を挙げた
「もう降参します。この子は私の・・って言うより、リンディ統括官の・・」
ソックリなんだから気付くだろう。ちょっと面白かい。でもこれ以上いじめるのも可哀相だからコンタクトを外した。
「だったら、これでわかりますか? はやてさん♪」
「あぁーっっ! 何で、どうして・・ちょっと前に写真送ってくれた時、こんな位やったし、まだ・・っ、ええっ。」
一発で気付いたらしい。大声で叫んだ後何か呟いて慌てて端末に手をかけた。
流石に今連絡されると大事になる。慌ててはやてさんの手を押さえて止める。
「ちょっちょっとストップ。それはダメだって!!」
「落ち着きましょう、はやてさん」
「そんなん落ち着いてる状況とちゃいます!!」
数日前まで小さな女の子だったのに、突然この姿を見たのだ。知っているから余計に慌てさせちゃったのだろう。
ごめんね、はやてさん。
そんな狼狽した彼女に少女が
「お茶を飲めば落ち着きますよ」
とティーカップにお茶を入れて差し出した。
「はぁ・・それでですか。」
出されたお茶を飲んで落ち着きを取り戻した後、話を聞いてくれた。右から左に抜けてなければいいんだけど・・大丈夫かな?
「彼女の正体を知っているのは私だけ・・・私もまさかもう一度会えるなんて思ってなかったから、会った時凄く驚いたわよ」
「すみません、ここじゃリンディさんしか頼れる人居なくて」
今は随分頼ってしまった。それを平気な顔で受け入れてくれたから本当に助かった。
「いいえ、私も彼女達とは是非会いたかったもの。ありがとう」
「それで、私は・・お二方の面識は無いんですけど・・・まさか・・」
疑問は彼女たち親子に移っていた。多分気付いただろう。
「流石、勘が良いわね。そう、そのまさか♪ だから、是非会いたかったんだって」
「・・・・・・」
リンディさんの言葉を聞いて、もう一度深いため息をついた。
「と・・とにかく話はわかりました。それでどうして私を? もっと適任者が居るでしょう? 例えば・・」
はやてさんには知っていて欲しいとは言ったけど、ここからは私もは何も伝えていない。どうして知って欲しかったのかとか
多分先に騎士カリムと話があると言っていたのと関係してるんだろうけど・・
「彼女達が誰なのかを聞いて、そう聞いてくれるのを待っていたの。八神はやてさん、騎士はやての方がいいかしら・・・貴方が適任だと私が判断したの。JS事件の後、主犯と何人かは拘置施設にいるけれど、それ以外の関係者はミッドチルダで暮らしているわよね?」
「ええ、ここにセイン・オットー・ディードの3人とナカジマ家にチンク・ノーヴェ・ディエチ・ウェンディの4人いますけど?」
「もし、暮らしている彼女たちや関係者の身に何か、そうね・・私達じゃ解決出来ない内部面でのトラブルが起きたらどうする? それに・・」
リンディさんが私をチラリと見る。
「!!」
「そう、彼に頼めば何とかなるかも知れないけれど、それには時間がかかりすぎるし、許可が下りる確証はない。それでこの分野で彼に一番近い・・越えた技術者が近くにいれば・・・」
はやてさんの表情が変わった。さっきまでの混乱したのとは違う、機動六課の時の顔
「でも・・・リンディ統括官、彼女は・・」
「ええ、でも・・彼女が本人という確証は何処にもない。だってずいぶん昔に死亡確認されている人が同じ年齢でここに居たら変でしょう? ProjectFateを使うのは犯罪、でもそれで生まれた命に罪は無い。」
凄い・・・そこまで考えるなんて・・・驚かされる。でも、それに付け足せるのは・・あった!
「ここが一番いいの。この子の希望もあるし・・そうじゃないと・・多分」
「それ以上はダメよ!」
突然遮られた。それ以上話せば変わるかも知れないんだ。私はその甘さに気付いてそれ以上言うのを止めた。
「それで、お二方・・はこれから?」
「彼女は聖王教会直属の研究機関で働いて貰って、この子は・・」
えっ!何も言っていないのに!? どうしてこの世界に連れてきたのか気付いていた。だから列車で何も聞かなかったんだ。
「St.ヒルデ魔法学院初等科!」
少女も答える。そう、そこで私達は・・
「でも・・そこは・・確か・・・」
「ええ♪ モチロン知ってるわよ」
「多分、少し前に彼女が倒れた筈です。だからもう知ってるかも・・」
確か、この頃に無限書庫に行ってアレを見つけたんだ。それで・・・
「・・・・ちょっとだけ見てみたいですね。その時の顔を」
本当に驚いたよ。あの時は・・・だって、別れた筈なのにどうしてって。そうか! それであの時はやてさんが学院に来てたんだ。
きっとビックリするよと言われて本当にビックリしたし、その後母さん達なんてもっと大変だったんだから・・・
でも、これでもう大丈夫。
きっと・・これ以上私がここに居ちゃいけない。また何か失敗しちゃったら大変だから。
「それじゃ私はこれで・・お世話になりました。お元気で」
「あっ、送っていきます。せめて門まで・・」
「あの・・もし・・・ですね」
正門に行かなくても良いんだけど、何か聞きたいのかな・・多分・・そう、はやてさんも
そう思って、正門まで送って貰おうと思った。
「お聞きになりたい事はわかります。それは出来ても、出来ません。はやてさんが望む事をすれば、きっと私もここも・・・そして最後には出来なくなります。」
歴史を大きく変えてしまうと、その後どうなるかは判らない。
だから私は歴史表舞台から消える瞬間の2人を連れ出し、違うページに貼り付けたんだ。
それが私のいた世界でも起きた事だから・・・でも、はやてさんの願いはきっと
「やっぱりそうなんですね。ありがとうございます。これでスッキリしました」
「ごめんなさい。」
彼女を蘇らせる。それは絶対未来を大きく変えてしまう。だから・・
「いいんです。もしそんな願いが叶うならってずっと思ってたんですが、これでわかりました。」
「本当にごめんなさい、はやてさん。 それじゃ、私はここで」
「またな」
「バイバイ」
そう言うと、私はその時を去った。
「おかえり、どうだった?」
目覚めた私の目の前に飛び込んできたのは家族の顔だった。
「うん、全部上手くできたよ。」
これで大丈夫。もう・・・これで
数年前に巻き込まれたある出来事、その後も色んな事があったけど多分これで終わり。
デバイスの中にある1冊の本に心の中で礼を言う。ありがとうと
明日無限書庫に戻そう。この本が手元にあれば何度も頼ってしまうから。
「じゃぁ、明日からだよね。頑張ろうね」
そんな母さん達の言葉に起きてみんなに敬礼して、はっきりと答えた。
「高町ヴィヴィオ候補生、頑張りますっ!」
~~コメント~~
もし、ヴィヴィオがなのはの幼少時、ジュエルシード事件の時代に来てしまったら・・・
そんな事を考えたのは「なのはStrikerS」の放送が終了した頃でした。でも、当時5~6歳の彼女だったらなのはとフェイトが争うのを止められず、泣くしか出来ないかも・・そう思いメモの中に消えてしまいました。
それを、StrikerSドラマCDを聞いた後に見た時書けるんじゃないか? というのがこの話です。
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