「んしょっ…うん、これでよしっ♪」
鏡の前でいつもの様にリボンを付けてニコッと微笑む。
隣の机に置いたフォトスタンドが目に止まり手に取る。そこには騎士甲冑をボロボロにしているのに笑う私が映っている。
そんなに日が経っていない筈なのに何故か懐かしさを感じる。
「ヴィヴィオ~、朝ご飯出来たよ~」
「は~い…行ってきます。なのは、フェイト。は~い、今いきま~す。」
私と一緒に写っている彼女達に言ってドアを開けて出て行った。
残されたフォトフレームにはヴィヴィオを挟む様に2人も写っていて同じ様にバリアジャケットをボロボロになっているのに笑っていた。
「ヴァイスさん、僕達と一緒に釣りしませんか?」
ある日、格納庫でアースラの機材をチェックしているとエリオが声をかけてきた。彼の手には釣り竿が握られている。
「いや、いいわ。まだチェックが残ってるからな。」
「そうですか。甲板にいますから終わったら来てください。」
「オゥ、サンキュな」
そう言うと格納庫から出て行った。
「…元気だな。エリオも…」
近い未来時間軸同士の衝突が起こる。
ヴィヴィオはそれを避けるべくなのは達を連れて異世界の海鳴市にやってきた。これは深刻な事件の傍らで暇を持て余した者達が織りなす少し変わったお話です。
ディエチを探して海鳴市街にやってきた私、ヴィヴィオとアリシア。
ディエチも無事見つかって帰ろうとした時、私達はある男性からポーチを受け取った。どうもアリシアのお姉さんが忘れていった物らしいんだけど…お姉さんって誰??
近い未来時間軸同士の衝突が起こる。
ヴィヴィオはそれを避けるべくなのは達を連れて異世界の海鳴市にやってきた。これは深刻な事件の傍らで暇を持て余した者達が織りなす少し変わったお話です。
『対象を発見しました。これより排除します。』
『わかりました。10秒後に30秒間結界を作ります。』
ジャキと音を鳴らし、目標を追尾する。相手はまだこちらに気づいていない。
(思念体の中でも防御が高い方だけど…ここからなら。あと10秒)
エネルギーをチャージする間、結界展開までの時間をカウントする。
「ゼロ、イノーメスカノン、ファイアッ」
近い未来時間軸同士の衝突が起こる。
ヴィヴィオは衝突を避けるべくなのは達を連れて異世界の海鳴市にやってきた。
これは深刻な事件の傍らで暇を持て余した者達が織りなす少し変わったお話です。
「八神部隊長…それってどういうことですか?」
「うん、このままここにおったらみんな餓死するから先に手を打とうって思ってな」
近い未来時間軸同士が衝突する。
ヴィヴィオはそれを回避すべくなのは達を連れて異世界の海鳴市にやってきた。これは深刻な事件の傍らで暇を持て余した者達が織りなす少し変わったお話です。
「あ~もう、毎日船内待機なんて言われたら気が滅入っちゃうよ。」
商店街のアーケードを2人の女性が通り抜ける。
すれ違った者は全員その姿に歩みを止め振り返る。
2人とも妙齢で目に留まる位綺麗な女性。それだけなら異性が振り返っているのだが老若男女が歩みを止めたのは彼女達の服装だった。
「ここをこうすれば…でも…う~ん」
授業間の休み時間、アリシアがクラスメイトと話していると何かを追いかける様に手を握ったり開いたりするヴィヴィオが視界に入った。
(何かの練習?)
「なにしてるの?」
思わず近くに行って聞いてみる。
「え、あっ、えっとね新しい検索魔法作れないかなって」
「遅くまでごめんね…」
夜も更けた頃、閑静な住宅地の一角にある家のドアが開いた。そこから出てきたのは1人の女性、後を追うように少女が出てくる。そして少女に続き彼女の母と思える女性も現れた。
「ううん、私も一緒にお話出来て楽しかった。ママもそうだよね。」
「ええ、またいらっしゃいフェイト」
「はい。おやすみなさい、母さん、姉さん、チェントにも」
そう、フェイト・T・ハラオウンはテスタロッサ家に遊びに来ていたのだ。
管理局本局で鬼の霍乱(かくらん)が起きている。
当の本人が聞けば言い始めた者は只では済まないだろう。
誰もがそう思っていた。しかしその発生源である張本人
「はぁ…」
教導隊のエースオブエース高町なのはがその話を耳にしてもため息を洩らすだけだったのだから噂を聞いた局員が彼女と会った時2重の意味で驚かされていた。
「…これ、本当にヴィヴィオのデバイスなのよね…」
「ええ、定期メンテナンスだからって今日ヴィヴィオ本人が持ってきましたから。形状もそうですしIDも合っています。」
「そうだよね…」
時空管理局、本局技術部のある部屋では2人の局員が頭を悩ませていた。
「ええ、その結果は明日送ります。あと、先日の追加については後ほど」
「お願いします」
話が終わり端末が消える。その直後
「フゥ…」
椅子の背にもたれかかって背を伸ばすチンクの姿がそこにあった。
ここは聖王教会が運営する研究施設の1つ。
教会より管理局に近い彼女がここに居るのは施設の管理者プレシア・テスタロッサに助手として雇われたからである。
「まさか私がこんな所にいるとはな…」
呟きながら思い出す。
(ここは親友としてしっかりサポートしなくっちゃね!!)
拳を握りしめて密かに思う少女の姿がそこにはあった。
「テスタロッサさん、次読んで下さい。」
「えっ、は、はい!! えっと…どこ」
「…176ページです。次からはきちんと授業を聞いてくださいね。」
「はい…ごめんなさい」
(それどころじゃないんだけど…)
先生が聞けばこってり絞られる様な事を思いつつ、ヴィヴィオの方を見るアリシアだった。
ある日、時空管理局統括官リンディ・ハラオウンが自室に戻ってくると1通のメッセージが入っていた。
「フェイトから、何かしら?」
端末に触れ開いてみるとメッセージの差出人は娘のフェイトからだった。
ミッドチルダで同居している彼女の親友高町なのはの母、桃子が交通事故に巻き込まれたらしい。幸い怪我も軽く暫く静養すれば治る位で済んだのだけれど、気になって家事も手に付かないなのはとヴィヴィオと一緒にお見舞いに行ってここには帰りに寄ったらしい。
「騎士カリム、少しよろしいでしょうか?」
「ええ、どうぞ」
その声に気づいた部屋の主、カリム・グラシアは手元にある書類にサインをしてペンを置いた。
「シャッハ1人で歩けますからっ。そんなに強く掴まないで」
「でしたら早く入りなさいっ」
扉の向こう側から揉めている声が聞こえる。
「アリシアさん、今日は1人で帰るのかしら?」
「はい。そうです」
放課後バッグを持って教室から出ようとした時、アリシアは先生に呼び止められた。
「近所で見かけない人がいるそうだから、気をつけて帰って下さいね。」
確か先生も近所に住んでた筈…思い出して
「ありがとうございます。先生、ごきげんよう」
ペコリと頭を下げて教室を出て行った。
「アリシア、ヴィヴィオごきげんよう。ねえ聞いた?【コア】の話」
ある日Stヒルデ学院に登校してきたアリシアとヴィヴィオにクラスメイトが駆け寄ってくる。
「コア?」
「そう、魔力…なんとか結晶体、通称【コア】。パパが言ってたんだけどもうすぐテストが始まるんだって。成功したら私達も空を飛んだり転移魔法が使えるんだよ。」
「そ、そうなんだ。凄いね~」
アリシアは一瞬ヴィヴィオを見て微笑んで答えた。
「アリシア、コアって…アレでしょ?」
「うん、ママの研究」
そう言いながら数日前の事を思い出す。