第16話「夜天の王、八神はやてについて」

「ユーノさん教えてください。闇の書の主が死んじゃった時、新たな主が見つかる迄の転生期間ってどれ位かかっていたのか判りますか?」
「ユーノさん私が見た昔のリインフォースさんの写真、あれは実際の物なんですか?」

いきなり質問したヴィヴィオとアリシアに対しユーノはキョトンとした。
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第15話「2人の関係」

「ヴィヴィオ、良かった。」

 部屋に入ったすぐアリシアが迎えてくれた。

「ごめんね…」
「ううん、何があったのか聞いたから…」

 先に避難した時に状況を聞いたらしい。奥にはチェントと絵を描いて遊ぶプレシアが居た。彼女はヴィヴィオを1目見た後、その視線を娘に戻す。
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第14話「蘇った旅人」

「撮影中止、全員クラウディアへ避難してください。」
「機材は置いて、急いでっ!!」

 闇の書が蘇った。なのはとフェイトは指示を出した。



 一方で状況を確認したアースラ内ではリンディとエイミィ、アレックス、ランディがクラウディアでもクロノが驚愕の面持ちでモニタを見ていた。

「ハラオウン執務官からスタッフを緊急避難させて欲しいと通信が…」
「……何故だ…」
「艦長!!」
「…! 許可する。クラウディアを軌道上、アースラ前に移動させる。」

 通信士の叱責で我に返ったクロノは指示を出す。
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第13話「目覚め」

「我が主…」
「えっ? リインフォース?」

 はやてが気がつくと目の前にリインフォースが立っていた。

「どうか…お願いです…私を…」

 悲しそうな眼差しで何か言っているのだが聞き取れない。

「何て言ったん? 聞こえへん。もっと近くに来て」

 叫ぶが目の前の彼女は悲哀の表情を変えず背を向け遠ざかっていった。

「待って、リインフォースっ、待って~っ!!」
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第12話「家族の為に…」

(今の様子を昔の我らが見たら驚くだろうな…)

 先代の王に仕えていた自身や主はやての所に来たばかりの自身がこの光景を見たら呆れかえるだろうかそれとも軟弱になったと一喝されるだろうか。
 烈火の将として常に主と主の住む世界の平穏を願い剣を振るってきたつもりだし、自負もある。
しかし常時気を張っていた頃と比べれば・・・。
 昔のシグナムが周りから言われたら激怒しただろうが、今なら受け入れられる。
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第11話「絆と温もり」

『ヴィヴィオ、こっちで撮影あるんだけど見に来ない?』
「うん、今日無限書庫の依頼もないからいいよ~」

 撮影が始まってから何度目かの休日、ヴィヴィオが朝の練習から帰ってくると時間を合わせた様にアリシアから連絡があった。

「今日はどこで?」
『運用部、前に見たいって言ってたシーンだよ。準備始まってるからもうすぐ始まるよ。』
「急いで準備していくね」
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あけましておめでとうございます

 新年あけましておめでとうございます。
 又コミックマーケット83に参加された皆様お疲れ様でした&鈴風堂のスペースに来てくださった方、ありがとうございました。

 あいにく私は30日、1日と仕事が入っていてスペースには顔を出せませんでしたが3日目を堪能させていただきました。

 昨年は2週に渡ってAgainStory3を休載し申し訳ありませんでした。今週末から通常通り掲載はじめますのでお楽しみにお待ちください。


 以前からWeb拍手を通じてAs世界の魔法観について質問がありましたのでこの機会にお答えさせていただきます。

Q:Again3、ヴィヴィオvsヴィータ戦でヴィヴィオの魔法ランクがSになっていますがSSの間違いでは?

A:ヴィヴィオが騎士甲冑を纏った時、飛躍的に魔力量が増加します。刻の移り人でレリックを手に入れた事で暴走状態だった増幅機能が安定し魔力量が下がっています。


Q:プレシアはアレクトロ社(元居た企業)に身元が知られているのでは?


A:プレシアは本編初登場(番外編除く)のAgainSTStory時から知られていると考えており、カリムやリンディもいつかは知られてしまうと考えています。

 そこで3人は相談してプレシアが以前から開発していた技術、魔法資質を持っていなくても魔法が使える様になる媒体「魔力格納多層構造結晶体(魔力コア)」を公表しました。
 元々魔力コアの技術はアリシアを守るデバイスの動力源として作られています。
 ミッドチルダを含む管理世界ではより高位の魔法が使える者が優遇されてしまう魔法世界の面を持っており、魔力コアは世界観そのものに一石を投じちゃってます。
 魔法関連企業は魔力コアもそうですが、開発者の技術力も喉から手が出る程欲しいものなので管理局や聖王教会にすり寄らざる得ません。

 短編集『新デバイス誕生?』でアリシアにデバイスのテストを頼んだり『妹指南』でプレシアの所に多数の連絡が入っていてチンクが助手として出向したのにはこの様な背景があります。
 勿論アレクトロ社も共同開発や技術情報が欲しいのでタブーとなるプレシアの出自は無言の圧力となっています。

 リンディは更に、Movie1st制作秘話(AffectStoryに収録した書き下ろし)やAgainStory3でプレシア・アリシアを管理局制作の記録映像に出演させ出自の保証をしてしまったので仮に知られても口に出せない状況を作ろうとしています。
(元々時間移動魔法が存在しない世界で年齢の違う2人を同一人物として見るのは難しく、2人のコピーと考えられているかもしれませんね(苦笑))

第10話「描かれた記憶」

「今日も無事に巡教完了っと。」

 シャッハから送られた報告書に目を通しサインを入れる。彼女はシグナムとヴィータをこちらに呼んだ代わりに教会騎士・セイン達を伴って巡教団の護衛をしている。   
予想通り、幾つかの世界でマリアージュが見つかった。だがこちらも予定通り全て撃退されている。
建造物に若干被害が出ていたが人的被害はない。危険性と実績を天秤にかけても十分すぎる成果だ。管理局と教会の上層部もこの報告を聞いて満足しているだろう。
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第09話「ヴィヴィオの初舞台」

「ヴィヴィオお待たせ。出来たよ台本」

 八神邸での練習も日課になり車椅子にも慣れてきた頃、なのはが迎えにきてくれた。
 数日前にあった試験後の騒動は誰かが何とかしてくれたらしく、周りに護衛の局員は居ない。離れた所で見られているかも知れないけれど、意識し始めたらきりがないから意識しないようにしていた。

「ありがとなのはママ。」

 車椅子を玄関に置いて彼女に駆け寄る。
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第08話「意地と思い」

「だぁあああああっ!!」
「ハアアアアッ!!」

 2人がぶつかった衝撃波で砂が巻き起こる。
 赤い光を見つけセイクリッドクラスターを放つ。しかしヴィータは最小限の動きでそれを避け、グラーフアイゼンを振り下ろす。

「後ろががら空きだーっ!」

 しかし肉薄した所で急に止まり後ろに下がった。直後彼女がさっきまで居た所を砲撃魔法が掠める。
 思わず舌打ちをする。単純な誘いには乗ってくれないらしい。
 
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第07話「騎士vs騎士」

「その…まぁ…なんだ…私は相手が子供だろうが大人だろうか甘く見たり手加減するつもりはない。以上!」
「「「「「はいっ!!」」」」」」
「はい」

 局員制服を着た男女が1列に並ぶ。その隅っこにStヒルデ学院の制服姿の少女が立っていた。 


 
「え…試験官、ヴィータさんなの!?」
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第06話「レアスキル」

『なのは、ちょっといい?』
「ユーノ君、どうしたの?」

 闇の書事件映像化の打ち合わせを終えてミッドチルダへ帰ろうとしていた時、なのはの端末にユーノが連絡してきた。

『うん…この前借りたレリック、そろそろ返さなきゃいけないんだけど…いいかな?』
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第05話「少女、八神はやてについて」

「…まだ秘匿情報になってるものもあるからみんなには秘密な…」

そう前置きしてからはやては話し始めた。

「ヴィヴィオを私役に選んだ理由は…そやな…私と似てるからかな…」


 はやては幼少期にある事故に巻き込まれ両親を失った。
 その時彼女も巻き込まれていたのだが幸か不幸か既に闇の書の主として資質を持っていて彼女だけが生き残ってしまった。
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第04話「彼女の責務」

「アリシアごきげんよう」
「ごきげんよう、リオ」

 登校中のアリシアにリオが声をかけた。
 リオと一緒に談笑しながら歩いていると何やら校門前が騒がしい。

「なんだろう?」

 校門辺りに生徒が集まっている。
 歩みを速めて集まっている中に入る。見ると1台の車が校門付近に停まっていた。
黒塗りで中が見えないようになっているから皆気になるのだろう。
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第03話「最重要指定人物、高町ヴィヴィオ」

『アハハハハハハっ、ヴィヴィオははやて役? 全然似てねぇじゃんか♪』
『まさかそんな話になっているとはな。』
「笑い話じゃないよっ!!」

 ヴィヴィオがプレシアの研究施設で巡教中のイクスと通信を繋いだところ、近くにいたヴィータとシグナムが話に乗ってきた。ヴィータがモニタ向こうでお腹を抱えて笑っている。
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第02話「私がですかっ!?」

「ヴィヴィオまたね~♪」
「アリシアもバイバ~イ♪」
「また明日」
「ごきげんよ~」

 冷たかった風や日差しに温かさが含まれてきた季節、ヴィヴィオはアリシアと共に初等科3年生から4年生へ進級した。
 神様への祈りが通じたのかクラス替えでは2人一緒のクラスになった。手を取り合ってヴィヴィオ達は喜んだ。
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第01話「八神はやてについて」

 ある日八神はやてのもとに聖王教会の騎士カリムから1通のメールが届けられた。
 イクスヴェリアが目覚めたというのだ。
 休憩中にそのメールを読んだものだから驚きのあまりお茶を吹き出し、目の前にいた小さな司令補は全身にお茶を滴らせるという悲劇にみまわれた。

 イクスヴェリア、古代―聖王統一戦争時代のガレア王。昨年起きたマリンガーデン大火災で発見された少女。彼女は不死を含め現在の技術ではなし得ない幾つかの能力を持っている。
 長い眠りの中で予定のない目覚めをした彼女は体内の機能不全を起こしていて、今の技術力では治す事が出来ず次に目覚めるのは早くて百年か千年後と診断されていた。
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第00話「丘の上の少女」

 緑香る風が少女の水色の髪をすく用に流れていく。

 少女は膝の上で分厚い1冊の本を広げ懐かしむ様に眺めて頁をめくっている。


 遠く広がる世界の中、これは小さな星の小さな国で起きた事件のお話。
 私は事件をこの目で見たわけではありませんが、私の家族や大切な人達がたくさんのことを教えてくれました。
 はじまりは2年前の6月のこと…



「カット…はい、OKで~す。」

その声が聞こえると本を閉じて立ち上がり

「ありがとうございます。お疲れさまです~♪」

少女―リインフォースⅡは笑顔で答えた。



 始まりはいつも突然。

 慌ただしく続いた日々も終われば懐かしさに変わっていく。

 でもそれ以外に得るものもある。

 出逢い、別れ、喜び、悲しみ、怒り…

 それらを通して得たものは何も知らなかった少女に考えさせ答えを導かせる。

 これはそんな少女達が得た記憶の物語


~コメント~
 もし~の世界に行ったら? ASシリーズではヴィヴィオが色んな世界に行きました。
 泣いたり笑ったり悲しんだり怒ったりといろんな事件に巻き込まれながらヴィヴィオはちょっとずつ成長していきます。
 Again3で0話に彼女が…ということは今回はあの事件が舞台です。
 毎週更新していきたいと思いますのでお付き合い下さいませ。

~刻の移り人外伝~ 第7話 「Kings VS A's」

「やっぱり1対1だった」

 アリシアの作戦通り、ヴィヴィオは模擬戦開始の合図と共になのはの方へと一直線で向かった。

「約束だもん。行くよ。RHdっ」
【Armored module Drive Startup】
「私も、レイジングハート、エクセリオンモードドライブっ!!」
【Ignition】

 虹色と桜色の光の柱が立ち上る。一方で

「ディアーチェとは初めてだね…私が勝つから」
「我は王よ、貴様なんぞに負けてたまるかっ」

 金色と白色の光柱が生まれる。
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~刻の移り人外伝~ 第6話 「星の交差」

「んしょっ…うん、これでよしっ♪」

 鏡の前でいつもの様にリボンを付けてニコッと微笑む。
 隣の机に置いたフォトスタンドが目に止まり手に取る。そこには騎士甲冑をボロボロにしているのに笑う私が映っている。
 そんなに日が経っていない筈なのに何故か懐かしさを感じる。
 
「ヴィヴィオ~、朝ご飯出来たよ~」
「は~い…行ってきます。なのは、フェイト。は~い、今いきま~す。」

 私と一緒に写っている彼女達に言ってドアを開けて出て行った。
 残されたフォトフレームにはヴィヴィオを挟む様に2人も写っていて同じ様にバリアジャケットをボロボロになっているのに笑っていた。
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