『キャロ!キャロっ!』
夜中キャロが眠っていると突然エリオからの念話が届いた。
『~ん~どうしたの・・エリオ君』
意識だけ起こして聞いてみる。
だがエリオからの念話は『キャロっ!!』と言った後、バッタリと聞こえなくなってしまった。
「エリオ君!?」
フェイト達に注意を受けた後、キャリアが途中で飛び出して行ったのが気になっていたエリオは部屋に急いだ。
部屋に入ろうとした瞬間キャリアとすれ違う。彼女の瞳は涙が滲んでいた。
「キャリア」
呼び止める。しかしエリオの声が聞こえなかったのか無視したのか、どちらなのか判らなかったがキャリアはそのまま走り去ってしまった。
「キャロ!」
一体部屋の中で何かあったのか?部屋に戻るとそこにはベッドの上で頭から半分シーツをかぶったままのキャロが呆然としている。
「どうしたの、キャロ?ねぇ?」
「エ・エリオ君・・」
近寄ったエリオの姿が視界に入った時、袖をギュッと掴んだまま泣き始めた。何がどうしたのか、その時エリオにはさっぱり判らずただ狼狽えるだけしか出来なかった。
『八神部隊長、本局無限書庫ユーノ司書長より連絡が入っています。』
「了解~、よっと」
昼に凄まじい料理を食べさせられたのが災いしてか、八神はやては半分グロッキー状態だった。
食べ物に好き嫌いはない方だが、食べ物と思っていない物を食べるのとは話が違う。まだ何かお腹の中に居るような気がして気持ち悪かった。
▲月◎日
ママと・・ずっといっしょ
みんなといっしょにいたいよ・・・
ある日ヴィヴィオはアイナが用意したおやつを美味しそうに頬張った。
その直後、口中で何か違和感があってそれを見た瞬間、蒼白になった。
「さぁ~お昼お昼♪、何食べようかな~♪」
「午後からも訓練あるんだから食べ過ぎないでよ、スバル」
「大丈夫だって、ちょっとくらい。」
慣れない事務仕事を終え、昼食を取りに来たスバルとティアナは部屋に入るなり同時に立ち止まった。
目の前には異様な光景が広がっていたからである。
「だめだよ~ヴィヴィオ、ちゃんとピーマン食べないと」
「好き嫌いはダメなんだよ。がんばれヴィヴィオ」
「う・・ん・・パクッ」
「頑張ったね~偉いよ」
和気藹々の仲睦まじいなのはとフェイト・ヴィヴィオのテーブルと
ある日、八神はやてはリインと一緒に昼食を取りに来た時、先に食べているシャーリーとバッタリと出会った。
「お疲れ様です。八神部隊長」
「おつかれさん~シャーリー隣いい?」
「はい」
3人が仕事の話や雑談をしながら話している時、シャーリーからある事を聞く。
「部隊長、キャロとえ~っと六課で預かってる女の子・・何て言ったかな?」
「キャリアの事?」
「う~ん」
ある朝、訓練準備の当番に当たっていたエリオとティアナが時間を気にしながら隊舎の方を見つめていた。そんな時、スバルが隊舎から走ってくるのが見えた。
「おはよ~ティア、エリオ・・・どうしたの?」
「スバルさん、キャロ見かけませんでした」
「ん~ん、見てないけど・・一緒じゃないの?」
「エ~リ~オ~く~ん♪」
ある日朝練が終わり宿舎に戻ろうとしていた時、エリオは突然呼び止められて振り返った。しかし、誰も居らず周りをキョロキョロと見ていると
「こっちこっち、上みて~」
再び聞こえた声の通り上を向くと少女が手を振っていた。確かトーリア博士の娘でキャリアと言っただろうか・・ペコリと頭を下げるとキャリアは思いがけない行動に出た。
「今行くからそこで待ってて~っ!」
と言って窓からヒョイと飛び出したのだ。
隊舎の中でシャマルさんに会った
「あらヴィヴィオ、いい物持ってるわね~えっ!?」
訓練場の前でシグナムさんがママ達をみてた
「ん、ヴィヴィオか・・ここから先は危ないから入るな。ん?」
お風呂場ではやてさんに褒められた
「あれ、ヴィヴィオ珍しいな~1人でお風呂・・・えっ!?」
転んで泣かないで起き上がったらヴィータさんが褒めてくれた。
「ヴィヴィオ偉い偉い・・えっ?」
でも・・その後みんなおんなじで
「それ・・どうした(の)?」
って聞くんだよ
■がつ●▲にち
きょうスバルさんとヴィータさんにおかしをもらった。
ちょこれーとっていうおかしでてぃあなさんのおみやげなんだって
とってもあまくておいしかった
でもティアナさんのちょこれーとはおみやげじゃなくて
だれかにあげるものだったってきいた
ティアナさんにごめんなさいしたらわらってくれたけど
すこしげんきなかった。
ヴィヴィオ、ママのかわりにがんばる
●SUBARU Side
「ん~っ」
翌朝、朝練の施設設置当番に当たっていたスバルが起きると、就寝時には居なかったティアがベッドで眠っていた。
「おはようティア。もう朝だよ~」
~~ピンポンパンポ~ン~~
今回はヴィヴィオがちょっとしか登場しません。
それじゃヴィヴィオの日記帳じゃ無いじゃないかっ!とご指摘頂くのも無理からぬ事だとは思います。
後編でヴィヴィオが関係してきますので、暫くお待ち下さい
~~ピンポンパンポ~ン~~
「う・・・ん・・・」
キャロは少し瞼を重く感じながらも開けてみると、そこは見知った天井が見えた。
「あ・・れ??ここは??」
「大丈夫?キャロ」
声の方から気持ちの良い風が流れてきている。確かなのは達の世界で見た「団扇」だったとふと思い出す。
「ねぇヴィヴィオ、今日ははやてちゃん家にお泊まりしよっか?」
「うん!」
●がつ▲にち
きょうははやてさんのいえにあそびにいった。
なのはママやはやてさんのせかいでは「おしょうがつ」っていうんだって。
ザフィーラにあえるのがとってもたのしみ!
アギトさんっていうかぞくがふえたんだって。
しぐなむさんみたいにおっきいのかなっておもってたらリインさんといっしょくらいですっごくかわいい~
でも、アギトさんヴィヴィオがこわそうにしてた
ちゃんとまほうつかったのに・・・
おともだちになりたいな
シャマルさんの・・・こわいよ
「さぁ~みんな一緒に食べようか♪頂きます~」
「「「「「いただきます」」」」」
「「「・・・・」」」
その夜、宿舎にある八神家では総勢10名にもなる小さなパーティが開かれていた。しかし、その表情は大きく2つに分かれていた。
「ハァ~」
なのはは自分のデスクで深いため息をついていた
「・・・どうすればいいのかな・・」
「なのは(ちゃん)、どうかしたの(か)?」
「あっ、はやてちゃんにヴィータちゃん。あのね・・・」
クラナガンに雪か雹でも降るんじゃないかと思う程珍しいなのはのため息。それはヴィータを驚かせ、さらにそれを聞いたはやても部隊長室から慌てて飛んで来る程だった。
ある日の夜、なのは達の部屋から小さな音が聞こえていた。
『これが私の全力全開!』
仕事を終えたなのはが戻ってくると、ヴィヴィオが何かを夢中になって見ている
「ヴィヴィオ~何見てるの?」
「なのはママ、これ♪なのはママ!」
『スターライトッブレイカァー!!』
■がつ▲●にち
きょうはおそとがあめ
なのはままがくれたほんをいっぱいよんだよ
あったかくてふわふわなんだって
ざふぃーらもすっごくあったかくてふわふわなんだよ
ちょっといたかったけどすっごくきもちよかった
ざふぃーらまたいっしょにしようね
記憶も戻って、みんなに秘密で「同化」したキャロ。
彼女のおかげで全員無事に事件は終わったのだけど・・・・
実はキャロとエリオを悩ませる問題が既に起きていたのだった。
「今日はこの辺で置いといて、また明日な~!」
「「「了解」」」
部隊長である八神はやての声と共に集まっていた六課のメンバーが別れていった。それは事件の翌日の話。ガジェット・ドローンが隊舎や宿舎に侵入したことで、通路や外壁それに周辺は文字通りの「荒れ地」になっていた。
はやては管制室やデバイスルーム・スタッフルームなどの六課の主要機能に被害が無かった事から
「それじゃ全員で大掃除しよか!」
今回は「ヴィヴィオの日記帳 そのじゅういち」の裏話です。
11話が進む中で何が起きていたのか?
先にヴィヴィオの日記帳 そのじゅういちを読むとちょっと楽しくなります。それではどうぞ~っ!
「これはなのはちゃんで、これは・・・処分・・っと。で、これはティアナへ」
ある日、はやては机に大量の写真を広げていた。